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性に操られ、女性をみにくく汚して生きていく男たちにサヨナラ『先生の白い嘘』

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

【レビュアー/堀江貴文

世の中は意外に倒錯したトラウマだらけの性癖をもった人たちが多いのかもしれない。

この漫画をみて感じた事だ。

私はもう43歳。いろいろな事を経験してある意味達観しているところもあれば厨二病的なマインドも持ち合わせている。厨二病的マインドが無くなると完全に性的に枯れてしまうんじゃないかって思ってしまう。

この漫画に登場する人物達は厨二病からヤリチンから美少女からレイプされた事がある先生まで様々だ。いわゆる鬼畜クラスタに属するもの達も登場する。

処女をレイプするのが至上の喜びというトンデモない奴に犯された女性も自らの行動を正当化するために色々な理屈を捏ねてレイプした彼を愛そうとする。いわゆるダメんずの要素を全て兼ね備えているような女性も登場する。

彼女なりの理屈をこんなに赤裸々に描いた漫画は初めて読んだかもしれない。オムニバス形式で各登場人物の視点から様々な性的倒錯を描いていくのである。そしてその全てが生々しい。

高校でいちばんモテる女子高生も実の兄貴とただならぬ関係にあり、相当倒錯してるし、処女レイプ野郎もトラウマを抱えてしまう。

そして主人公とその相手はもっと倒錯している。人間というものはこれほど他人の事を気にして、そして自分にコンプレックスを持って生きなければならないのか、その極限を示していたりする。付き合うってなんなのだろう、結婚するってなんなのだろう、子供作るってどういう事なんだろ?

そんな結局堂堂巡りにしかならないような事をみんなクチクチと考え、この漫画の登場人物のようになり、時に妥協し人生を終えていくのかもしれない。私はそんな生き方まっぴらごめんだが、この漫画に共感する人は多いと感じる。