情熱を取り戻せ!働くアナタにエールを贈る熱血お仕事漫画『これだからゲーム作りはやめられない!』
こんにちは!ゲーム制作会社「サイバーコネクトツー」の西川裕貴です。
突然ですが「情熱」って何だと思いますか?
「ウィキペディア(Wikipedia)」で調べると「情熱は、激しく高まった気持ち。感情が熱している(熱されている)心理状態。北村透谷によるpassionの和訳とされる。」といった意味のようですが、人によって言葉の使われ方の幅はありそうです。
例えば、社会人になると職場の上司から「仕事に情熱を持とう!」みたいな話をされる機会もあると思いますが、その際「情熱って何?」「情熱ってどうやったら持てるの?」と悩やんでしまう方もいるかもしれません。
幸い、そういった悩みを持つ方へのアドバイスは世の中に溢れています。正解も1つというワケではないと思いますが、私個人としては「情熱を持つためには“好き”という感情が大事」なんじゃないかなと思います。
仕事(内容、仲間、環境など)のことを好きになれれば、「もっと○○○したい」という気持ちが強くなり、上司に言われたことだけじゃなく、周りの状況を見ながら自ら考え・判断するといった行動がおのずとできるようになる……。それが「情熱的な働き方」じゃないかと私は思います。
さて、そんな流れで今回紹介する漫画は、仕事に対する情熱を取り戻すキッカケを与えてくれる作品『これだからゲーム作りはやめられない!』です。
作者の経験に基づく、リアルなゲーム開発のお仕事漫画
本作は2013年~2016年頃のスマホバブル時代のアプリゲームの開発現場が舞台になっています。主人公は「飯島めぐみ(28歳)」2Dデザイナー。彼女は大学時代の先生(ゲーム業界出身)の影響を受け、いつか先生と一緒に仕事ができることを夢見てゲーム会社に就職したのですが、
・仕事の差し込みや巻き戻りが多い
・残業や徹夜が多く、休日出勤もたまにある
・一息つく暇もなく始まる次の仕事
・チェックを通すための仕事を繰り返す日々
など、毎日忙しいけどなぜか退屈で心が満たされず、仕事に対する「情熱」が失われていくのを感じていました。
「最近いいこと無いなぁ…」
「なんで私この仕事選んだんだろ」
そんなことを思いながら仕事をしていた彼女でしたが、最近チームに異動してきた3Dデザイナー「南拓也(27歳)」の、
・上司からの急な追加作業の依頼にも「いいっすよ」と即答
・残業、徹夜、休日出勤おかまいなし
・昼休みに他チームが開発しているゲームのテスターをやる
・チェックでOKが出ているデータも自分が納得するまでクオリティアップ
といった、自分と全く違う働き方をする仲間を見てモヤモヤ&イライラした感情が芽生え始めます。
そんな正反対の二人が、時に衝突したり、時に協力したりしながら「ある共通の目標」に向かってゲームを作っていきます。その過程で起こる様々なトラブルをチームで乗り越えていくにつれて、主人公は失いかけていた「情熱」を取り戻していく……。といった胸アツな物語が本作の魅力です。
また、作者のたかし♂先生はゲーム開発会社で働かれていた経験があるため、各話で発生する開発現場のトラブルや、ゲーム会社の登場人物の設定(性格、悩み、トラウマ)のリアリティがありまくりです。
同業者が読めばニヤッとしたりドキッとしたりすること間違いなしですよ。
失いかけた情熱を、「仲間」が何度も思い出させてくれる
ゲーム会社の開発現場には、マネージャー、ディレクター、プロジェクトリーダー、ゲームデザイナー(プランナー)、アーティスト(デザイナー)、プログラマー、サウンド、デバッグなど、色んな立場や役割を持った人たちがいて、人の数だけ考え方や働き方があります。
本作でも描かれているように、開発が佳境になると、忙しくて皆の心に余裕がなくなります。空気が殺伐としたり、報連相のコミュニケーションでミスが起きたり、責任のなすり付け合いが起きたりすることもあります。
そんなバラバラの状態になりながらも、なぜチームを組むのか……?
答えはただ一つ。
「面白いゲームを作る」という目標を達成するため。
そして、それに終わりはありません。
就職して退職するまでの長い時間の中で、何度心が折れそうになっても、何度仕事に対する情熱を失いそうになっても、きっとチームの「仲間」が何度だって気付かせてくれると思います。
「“好き”なことで負けたくない」
「どうせ苦しむなら“好き”なことで苦しみたい」
という感情を。
そんな“好き”という感情が仕事に対する情熱を生むのだと思いますし、ゲームの仕事に限らず、この世のあらゆる仕事で情熱的に働かれている人たちのことを、私は心から尊敬します。
まとめになりますが、今回紹介した『これだからゲーム作りはやめられない!』は、仕事に対する情熱を取り戻すキッカケを与えてくれるのと同時に、仕事を頑張っている全ての人たちに元気をくれる作品です。
本作は「全3巻(完結)」が発売中ですので、この機会にぜひ読んでいただけると嬉しいです。