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#27 マイネームイズ


「なんで、『てもねっと』なの??」


鹿児島の天文館図書館で初めてお会いしたさとゆみさんから、こう聞かれた。

それは『ママはキミと一緒にオトナになる』の本に、さとゆみさんが私の名前入りのサインを書いてくださるときの出来事だった。
「お名前は?」と聞かれ、緊張のあまり私はうっかりライターネームを答えてしまったのだ。

そして冒頭のさとゆみさんからの質問で、憧れや尊敬の気持ちで震えた手にパニックも加わった。さらに震度が増す。

「あ、えっと、その・・・子供3人の頭文字をとりました」と絞り出すような、うわずった声で返事をしたのを覚えている。
そう答えた後に「わ、我ながらつまんない回答・・・そして微妙に重い理由になったやん」なんて少し後悔した。

「そうなんだ」と優しい笑顔でさとゆみさんは表紙を1枚めくり「てもねっと様」とサインをしてくださる。さらに一緒に写真も撮ってくださった。

私はさとゆみさんの隣でスマホに向かって微笑みながらも「ライターネーム、変えようかな」と心が揺らいでいた。

てもねっとに子供3人の名前が入っているのは間違いない。しかしこの名は3秒くらいで考えた「とりあえず」ネームなのだ。
3年前の夫が無職だった時代に、月収100万円のブロガーにならねば!と焦っていたので、ゆっくり名前を考える暇がなかった。
とりあえず誰でも読める名前で早くスタートしようということで、この名前に。

つまり全く思い入れがない。

だから「てもねっと」という名をさとゆみさんに呼んでもらったとき、「うあ、本名で呼んでもらいたい」なんて勝手なことを思ってしまったのである。



今月末にライター人生としては初めて、名刺が必要になる仕事が入った。

取材先のレストランのシェフに「てもねっと」と名乗るのはちょっと接しにくい奴だと思われるかなあ・・・と心配になる。

そこで、かるーく妄想してみた。



私「はじめまして、今日はよろしくお願いします」

店長「はじめまして、店長の○○です」

―――名刺を渡す

店長「あ、てもねっと・・・さん?・・・でいいのかな?」

私「あっ、いや、その、これはライターネームで・・・呼びにくいと思いますので、△△と呼んでください・・・」



はい、想像できたーーーー!

だったら最初から苗字+名前にしとけよっ!て思われるパターンや。

と、いうことで名前を人間らしく変更します。

都築あい(つづきあい)です。

ちなみにツヅキの響きは旧姓ですが、これはさとゆみさんの『書く仕事がしたい』のThink6【痛い話を聞いてくれ】を参考に、旧姓にしました。笑

もしまた今度、さとゆみさんにお会いできる機会があったら、ちゃんとこだわって考えたこの名前で、呼んでいただけますように。


おわりっ



























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