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Suomi ja minä

「フィンランド」という国について、何を思い浮かべますか?

ムーミン、マリメッコ、サウナ、サンタクロース、オーロラ、シベリウス、車好きだったらミカ・ハッキネンとか。教育や福祉もよく知られている。

何を隠そう、わたしはフィンランドに並々ならぬ思い入れがある。

フィンランドという国を意識し始めたのはいつだったか覚えていないけれど、きっかけはムーミンだった。幼稚園の時にトーベ・ヤンソンのムーミンの小説をもらって、今までに何度読み返したかわからない。気候、食べ物、暮らし方、すべてが愛おしくて、こんな物語が生み出せる国ってどんな国だろう?と興味を持った。

わたしが中学1年のときに、学校でフィンランドとの交換留学が始まった。対象は高2。ガイドブックやら歴史の本やら読み漁って、フィンランド語の勉強も始めた。本を読んだり、地域に住むフィンランドの方の話を聞きに行ったりする中で、わたしにとって理想郷のように思えたフィンランドも、それなりに問題を抱えていることを知った。だからこそもっと知りたいと思ったし、フィンランドに行きたいという気持ちは募るばかり。

高2の春に面接があった。クラスメイトはもちろん、学校の先生たちも多分ほとんどみんな、わたしがフィンランドに行きたくてたまらないことを知っていたし、だからこそのプレッシャーみたいなものも勝手に感じていた。面接ではとにかく愛を語って、「あなたの英語が通じなかったらどうしますか?」という英語での質問には、「フィンランド語とボディーランゲージで何とかします」と言い切る、振り返れば向こう見ずすぎる奴。

正直行けないと思っていた。誰よりもフィンランドのことが好きな自信はあったけれど、他の希望者はみんな優秀で、私が行くよりこの人たちが行った方がいいんだろうなと思っていた。選考に通ったときは本当にうれしかったけれど、その気持ちは帰ってくるまで続いた。まぁそれは置いといて。

英語も流暢に話せない、もちろん日本語は通じない、拙い英語とフィンランド語での会話にくじけそうになった。だけどフィンランドは想像していたよりずっと素敵な国で、人々は確かに初めはシャイだけど親しくなればとてつもなくフレンドリーで、あぁ、この国で暮らしたいなという気持ちは今もずっと変わらない。本場のサウナからの湖、サルミアッキだってフィンランドで食べればおいしい気がした。日が長いから夜まで遊んだし、毎日いろんな人がいろんなところに連れて行ってくれた。

写真を見返していたらいろんなことを思い出した。行きたいなぁ。フィンランド語もちゃんとやらなくては。