コーヒー屋のオリジナルグッズについて
STANDARTより
私が愛読しているコーヒー誌『STANDART』にて、コーヒー屋のオリジナルグッズについて批評する記事がありました。その内容が、私が少し心に引っかかっていたことを代弁してくれているようだったので、記事にまとめていきたいと思います。
オリジナルグッズはなんのためにあるのか
記事には、マーゲティングに長年携わってきたMatsumoto Hiroki氏が、コーヒー屋が出すステッカーやトートバッグなどについて本質を考えるよう述べています。「売れるグッズは何か?」と考える前に、「グッズはコーヒーを楽しむためのツールであり、コーヒーだけじゃ生み出せない価値を作るものとして捉えろ」と述べており、まさにその通りだなと感じました。さらに、「自分のお店を、ブランドをどう伝えたいのかというストーリー」「ブランディングのコア(信念)」が大事だとしています。
自身の体験をとおして
私は過去、あるコーヒーショップで開催された、各地のコーヒー屋のオリジナルグッズが集められたイベントに足を運んだことがあります。一番多いのはやはりTシャツで、次に多いのはステッカー、そしてトートバッグでした。さまざまなロゴやイラストが入ったTシャツがたくさん並べられており、それらを見るのは楽しかったです。どのシャツが普段使いできるかな、などと色々みて回りました。結果、私はそのイベントで、何も購入しませんでした。一番気になったのはグッズではなく、ドリップバッグと電動のグラインダーでした。コーヒー関連の商品が一番目を惹きました。
何を求めるのか
コーヒーが好きでコーヒー屋にもよくいきます。ですが、グッズを買ったことはこれまでありません。それは、私が楽しみにしているのはあくまでコーヒーだからです。この考えを持つ消費者は少なくないと思います。では、なぜ、コーヒー屋はグッズを出すのでしょうか。正解はわかりませんが、想像で考えてみます。1つは、宣伝効果です。Tシャツ、トートバッグ、ステッカーなど、不特定多数の人に見てもらえるものを作ることで、お店の宣伝を期待しているのではないでしょうか。この理由が一番大きいのではないかと予想します。2つは、経営面の利点です。これも予想ですが、原価が安く、また作りやすいのではないでしょうか。そして食品と異なり期限がないため、作ってしまえば売れるまで待てばいいという利点があります。在庫管理の面でネガティブ要素になる可能性もありますが、ステッカーなど在庫管理にそれほど困らないものもあります。3つ目は、ブランディングです。コーヒー豆や器具は、コーヒーをライトに楽しむ層からは少し近寄り難い雰囲気が出てしまいます。しかし、グッズであれば気軽に手に取ることができ、また商品棚への導入材料となることで他の商品へ目を向けさせることもできるでしょう。
どんなものが売れるのか
Matsumoto Hiroki氏は、クスッと笑えるマグカップや、ボードゲームなどを考えているそうです。その根底には、コーヒーや、コーヒーを飲む時間を楽しくするというメッセージが読み取れます。確かに、コーヒーと直接交われる商品の方が目を引くような気がします。そこにお店のブランドやストーリーを乗せて伝えることができれば、消費者は目を引かれるのではないかと思います。以前、お店のブランドを活かした手回しミルのグッズを見た時は、いいなと思いました。大事なのは、自分達が何を伝えたいのか考え、消費者は何を求めているのか考えること。至極当然ではありますが、これを怠ってはいけないということを、心に留めておきたいです。
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