見出し画像

マネージャーに必要な効果的な課題解決の進め方

こんにちは、今日はウェビナーで講演した内容をちょっとまとめてみます。

マネージャーや管理職向けの研修を検討してるお客様とディスカッションをしていると、「マネージャーは常に課題解決をしなければならない場面に直面している」という話になります。

部下育成に業務改善やコスト削減、営業で言えば売上目標の達成、ちょっと前だと働き方改革、今はテレワークetc 想像し易いと思いますがマネージャーには対処すべき課題が多岐にわたって満載です。 

コロナ禍前のものですがこのようなデータもありました。

画像1

※出典:パーソル総合研究所「中間管理職の就業負担に関する定量調査」

そして多くの組織で、人手不足からプレイングマネージャーにならざる負えず、十分な時間が無くじっくり課題解決に向き合えない。また変化の激しい現在のビジネス環境では過去の経験やノウハウが役に立たず、課題解決が上手く行かない、という声も耳にします。

そんなマネージャーの方々に、今回は効果的な課題解決の取り組み方をご紹介させて頂きます。

課題解決に必要な5つのステップ

いざ課題解決をしようと思っても、どう進めて行けば良いかわからず、中々課題解決に向けて一歩目が出せず時間が過ぎてしまうなんてことは無いでしょうか?

マネージャーにおける課題は多岐に渡りますが、それを一つ一つ対処していたら時間もかかってしまいます。ちょっと視座を上げて状況を俯瞰して整理し、直面してる多くの課題を全て対処していく必要があります。

その多くの課題を効率的に対処できる取り組み方を「5つのステップ」としてまとめてみました。

①範囲を定める

②課題を列挙する

③具体化・分解する

④優先順位を決める

➄リソースを配分する

このステップを見るだけでは、「当たり前だろ」「普段からやってるよ」となるかもしれませんが、具体的にどのようにやってるか?は人によって大きく違います。では成果を上げているマネージャーはどの様に進めているのか?一つ一つ見ていきましょう。

➀範囲を定める

課題解決に取り組む時は、漠然と「課題は何かな~」と考え始めるのではなく、まずは対処すべき範囲を決めてきましょう。

範囲を定める時は3つの視点を考えます。

立場:組織の課題なのか?自分の課題なのか?部下?お客様?まずはどの立場に立って課題解決をするのか意識する。

領域:対象とする業務領域はどこなのか?業務全体か、特定の業務なのか?対処すべき領域を決める。

期間:今週1週間にやるべき事なのか?1ヶ月か?1四半期か?1年か?課題解決の対象期間を決める。

まず、立場・領域・期間を定めて、課題解決をする範囲を決めてから取組みましょう。

※少しでも分かり易いように人事部マネージャーを想定したサンプルのスライドを貼っておきます。実話では無く、あくまでもサンプルです。

範囲を定める

②課題を列挙する

範囲を決めたら、その範囲の中にある課題を漏れなく挙げましょう。取り組むべき課題かどうかは余り考えず、どんな小さなことでも構わないので、頭の中にある”気になる事”は全て書き出す事がポイントです。単語のみでも文章にしてもどのような形でも構いません。とにかく挙げる事が大事です。

1人で課題を挙げるのではなく、出来れば関係者すべてを巻き込んでブレーンストーミングの要領で課題を漏れなく上げる事が出来ればベストです。

課題を列挙する

➂具体化・分解する

ここでは②で挙げた課題を深堀していきます。そもそもこの課題を挙げた意図や背景は?その目標やゴールは何か?またどのような行動で課題解決に至るのか?具体化して行動出来るレベルまで分解していきます。

ここは5つのステップの中でも1番時間が掛かり、じっくり考える必要があります。特に、経験したことのないような課題であれば、より時間もかかり、時には先輩などの経験者や専門家に意見を聞きながら進めていく必要があるかもしれません。

具体化

④優先順位付け

➂で分解したタスクに優先順位を付けていきます。

人の思考は出来る事や簡単な事から着手しがちになってしまいますが、本当に重要な課題から取組む為に優先順位を付けていきましょう。②のところではまず挙げる事を意識しましたが、ここで取組むべき課題なのか?先送りして良い課題なのか?振り分けていくことが出来ます。

優先順位の付け方は人それぞれ色々な考え方がありますが、ここではKT法における優先順位の付け方をご紹介します。 

KT法では3つの視点で考えます。

・現在の重要度(CI:Current Impact)→今、既に起きている影響の大きさ

・将来の重要度(FI:Future Impact)→この課題を先延ばしにした場合、将来に起こる影響の大きさ

・緊急度(TF:Time flame)→締切りなどの期限 

この3つの視点それぞれをH(High)・M(Medium)・L(Low)の3段階で評価し、最後に総合評価をします。

優先順位

➄リソースを配分する

マネージャーは課題を一人で抱えようとするのではなく、部下や関係者に上手く振り分けてリソースを配分していきましょう。

ここで大事な事は「いつまでに」「誰が」「何をする」を明確にすることです。当たり前のようなことですが、会議でここまで決めずに終えてしまう事は無いでしょうか?

漏れなく、誰がいつまでに何をするのか?明確にしておきましょう。

これが明確になっていれば、後は行動するのみです。自身もメンバーの方も課題解決に向けた行動に移しやすくなるはずです。

リソースを配分する

5つのステップをホワイトボードや1枚の紙にまとめる、このようなイメージになります。↓↓↓

まとめ

この5つステップはKT法の状況把握(SituationApraisal)のプロセスがベースなっています。

KT法とは↓↓↓


さらに効率的に進める為には…

この5つのステップを効率的に進める為の3つのポイントがあります。

①視覚化する→サンプルのパワポを添付しておきましたが、書きながら進める事が大前提です。視覚化する事で理解を得やすく、間違って伝わる事が減ります。

②合意を取りながら進める→組織で取り組む課題は独り善がりでは上手く行きません。出来れば5つのステップ全てで関係者を巻き込み意見を取り入れながら合意を取って進めましょう。納得感が高い方がパフォーマンスも高くなります。また視覚化させる事で合意を得やすくなります。

➂見直す→変化の激しい現在のビジネス環境では優先順位が変わる事があります。進捗状況も含め定期的に見直しながら優先順位を変えたりリソースを配分を変えたりすることもマネージャーの重要な役割です。

まとめ

以上、マネージャーが課題解決を効率的に進める為の5つのステップと3つのコツをご紹介させて頂きました。

変化が激しくやるべき事も多い忙しいマネージャーの方々にとって、まず的確に現状を把握し、優先順位を付け、行動計画を立てる事が課題解決の第1歩です。

この課題解決の方法が少しでもお役に立てれば嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?