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#226 『一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数』

本日は、数学者の藤原正彦さんの「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数」についてのお話です。

"まずは母国語である国語を、強制的でも画一面でもしっかり叩き込むこと。漢字を覚えさせることです。小学校の英語、パソコン教室は直ちにやめないといけませんね。小学校から英語なんかやっていたら、日本から真の国際人がいなくなります。国家的損失です。私が数年の海外生活を通して痛感したのは、東西の名作名著や日本の文化や伝統に精通していることが、流暢な英語を話すこととは比べものにならないほど重要ということでした。"
"子供たちが新聞の経済欄、株価欄に目を通す必要な全くないんです。本音を言うと社会に目を通す必要すらないと私は思っています。そういうことよりも、とにかく日本人の魂の中心である国語を身につけさせること、読書を好きにさせること、その次には算数の九九をきちんと覚えさせること。それを抜きにして創造性だ、独創性だ、自ら考える力だといくら叫んだところで、そんなものは生まれるはずがない。"
"私はいつも一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数。あとは十以下と言っています。初等教育における国語の占める割合は、それくらい圧倒的なんですね。江戸時代の初等教育は寺子屋によって行われていました。寺子屋の先生たちの偉さは、教育にとって最も大事な3つを読み、書き、算盤(計算)と順序立てて捉えていた点ですね。いまの世界の教育学者たちが見失っていたものを、寺子屋の先生たちは見抜いていたわけです。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/08/14『一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数』
藤原正彦 数学者
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※Photo by CHUTTERSNAP on Unsplash