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#164 『選手育成の鉄則』

本日は、サッカー指導者・帝京高等学校サッカー部元監督の古沼貞雄さんの「選手育成の鉄則」についてのお話です。古沼さんが率いた帝京高校サッカー部は、就任10年目に初優勝を果たし、その後、高校選手権6回、高校総体3回の計9回の全国制覇を果たしました。

多くのスポーツの指導者である監督・コーチは、その競技で活躍してきた方が多いですが、古沼さんの指導のすごいところが「サッカー未経験」である点です。では、なぜサッカー未経験の指導者が全国優勝を9回も果たすことができたのか。指導者としての姿勢や考え方が今回のお話に凝縮されています。


"期待していないような子でも、目標を持った子は、3年間でかなり熟練してきて想像以上に成長するんです。私が帝京高校で取り組んできたことは、選手たちに「夢」を持たせること。そしてそれを追うための「やる気」。さらにそのやる気を持続させるために不可欠なのが「アイデア」ですね。"
"私はその3つを司るものの中に「基本」というものを置いたんです。トレーニングや技術の習得といったことから、生活習慣に至るまで。言葉で表すと「飯・クソ・風呂」です。これを強化合宿などの際に徹底してやりました。"
"飯の食い方から箸の持ち方、ご飯一膳、米一粒でも作ってくださる方に敬意を示して感謝をする。嫌いなものだろうと何だろうと、出されたものはとにかく全部平らげる。
それから「トイレ」。これは共同で使うものですが、便器を汚したら自分の手で掃除をさせました。生徒は必ず「先生、雑巾を・・」と言いますが、私は「てめぇで汚したものはてめぇの手で拭き取れ」と、有無を言わせずやらせました。
「風呂」の入り方でも、130人の部員のうち、10人か15人ずつ、上級生のほうから入っていくのですが、私が「湯船の湯を使い過ぎたり、垢を浮かせたりしたら、合宿費をおまえらだけ割り増しする」と言ったら、130人が入っても垢一つ浮かさない。"
"すると旅館組合全体で「あそこの学校はすごい」と語り草になったそうです。またそういうことがしっかりできた年には、不思議とチームも優勝するんですね。ところが「先生、今年の生徒はちょっと・・」と宿屋のオヤジが言う時には負けますね。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/06/13『選手育成の鉄則 -飯・クソ・風呂』
古沼貞雄 サッカー指導者・帝京高等学校サッカー部元監督
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※Photo by Ryan Clark on Unsplash