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#65 『一番よい会社の条件』

本日は、ファーストリテイリング会長兼社長の柳生正さんの「よい会社の条件」についてのお話です。「ユニクロ」というブランドを知らない人は日本人であればほとんどいないと思いますし、柳井さんのことを知らないビジネスパーソンもほとんどいないと思います。日本を代表するブランドであり、経営者であります。

1日1話、毎日、いろんな人の話に触れて、自分が気になかった箇所は引用して、気づきや自分の考えを書いているのですが、今回の柳井さんのお話、言葉一つ一つが刺さるメッセージでした。

"ドラッカーは企業経営の本質というものを、こんな言葉で表現しています。
「企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である」
ビジネスをやるというのは、結局そういうことですよね。お客様がいない限り、ビジネスは成立しない、という当たり前のこと。"
"近頃、会社は誰のものかということが論じされ、株主のものとか、社員のものとかよく言われるんですが、「お客様のもの」ですよね。お客様に奉仕する集団が会社であり、それをいかにうまく経営して収益を上げるかという競争をしている。ドラッカーはそういう、会社というものの本質を見抜いたんじゃないですか。でもほとんどの場合、表面的なことにばかりとらわれていて、会社は何のためにあって、そこで仕事をする人は何をしないといけないのかを掴まずに仕事をしている人や、会社自体が存在する。"
"僕が考える一番いい会社とは、末端の社員でも自分がトップの経営者だと思っている会社。自分が全部のことを決められるし、この会社を支えている、あるいはコントロールしていると思える社員がたくさんいる会社です。それが大会社になってくると、会社に使われるようになるんですね。自分が会社を使うんじゃなく、会社に使われる。そして自分が下っ端だと思った瞬間にダメになる。"
"我われの会社でいえば、部長級や課長級がそうなんですが、自分の立ち位置にとらわれ過ぎ。それぞれの人が自分の立ち位置で物事を考えるから、ごく限られた範囲内でしか物事が見えない。そして全部見えていなくて失敗している。ですから一度、自分もトップの経営者だと思って、上からいまの仕事を見直したら、すごくよくなるように思います。"
"結局、サラリーマン意識じゃダメだんですよ。自分は会社という場所に、「自営業」をするために来ている。自分は給料を貰っている立場だとかじゃなしに、自分が会社を食わせている、というふうに思わないといけないと思います。仕事が面白いと思うためには、自分がそこに本当に懸けないと、絶対にそう思えない。中途半端な気持ちでやっていたら、面白くも何ともないですよね。"


太字にした箇所は、特に刺さった言葉でした。柳井さんも「お客様がいない限り、ビジネスは成立しない、という当たり前のこと」と当たり前という表現を使いましたが、どの言葉も当たり前のことなんですよね。でも、その当たり前がなかなか実行・実践できないから難しい。

柳井さんは、考え方や姿勢といった人としての基本や土台を大事にしている経営者であると思いますし、テクニックやノウハウみたいなことを言葉にしている印象がありません。どのメディアでも出版している本でも語っていることは、本質的なことや人間性に関すること。

私は昨年、会社員から独立して「自営業」をしている立場。これから「会社」という組織にしていくかどうかはまだ意思決定をしていませんが、どちらにせよ、「顧客の創造のために」「お客様のために」自分が何をすべきかを考え、自分が主体的に行動していきたいと思います!


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/03/06 『一番よい会社の条件』
柳井正 ファーストリテイリング会長兼社長
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※Photo by Hao Wen on Unsplash