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#255 『平生の心の持ち方により芸術の高低が出る』

本日は、哲学者の谷川徹三さんの「平生の心の持ち方により芸術の高低が出る」についてのお話です。同じ哲学者であるジンメルやカントの翻訳、宮沢賢治の研究を行ったり、文芸や美術など幅広い領域で評論活動を続けた谷川さん。「平生」=普段という意味がありますが、常日頃の心の持ち方で、芸術に差が出るということを語っています。

"正法眼蔵を読んでいるとね、度々出てくる言葉に''修証一如''って言葉がある。これ悟りって意味なんだ。修行と悟りは一つのものだ。修行を重ねることによって悟りができるんだけれど、悟りを開いたからといって修行を怠ったらダメだってことをいっている。だから、修行と悟りというものは、しょっちゅう輪のように流れて行くもんだと。"
"それが本当の禅宗の僧としての生き方だってことを、道元禅師はいってるんだ。...悟っても、なおその上修行を積む。そうすれば、また悟りが一層深まる。一層深まってもなお修行を積まなければ・・。そういう「修証一如」ってことは好きですね。"
"芸術でも根本は心だ。小林古径にしても安田靫彦なんかにしてもね、絵を見ると、絵は全く心だったと思われる。人間として立派な人だったからああいう絵が描けたと。...平生の心の持ち方によって、その人の芸術の高低、高いか低いかが、出る。"

谷川さんの他のお話はこちら


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/09/12『平生の心の持ち方により芸術の高低が出る』
谷川徹三 哲学者
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※Image by Free-Photos from Pixabay