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「小さなチーム、大きな仕事」を読んで・・

アメリカ・シカゴに本社を置くソフトウェア会社「37signals」(2014 年に Basecamp社に社名変更)という企業の創業者のジェイソン・フリード氏と、共同経営者でプログラマーのデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン氏の2名の著書『小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則』を知人の経営者におすすめしていただきました。


「学術的な理論」ではなく「37signalsの経験」として書かれている本ですが、私たちが運営するThinking Design Labにも共通・共感する考え方がたくさんあり、仕事に関する思想や価値観、組織論、働き方などがアップデートされました。簡単ですが、特に気になったキーワードや考え方をメモとして残しています。


成功の10の法則

01.見直す
02.先に進む
03.進展
04.生産性
05.競合相手
06.進化
07.プロモーション
08.人を雇う
09.ダメージ・コントロール
10.文化


共通・共感したキーワード

・計画は予想にすぎない → 今週することを決める

・なぜビジネスを「規模」で測るのか

・誰でも自分のビジネスを始める → 「起業家」ではなく「スターター」になる

・他と違ったことをしている感覚

・自分に必要なものをつくる

・必要なものは思ったより少ない

・身軽でいる(小さく、無駄なく、速い) → Less is good things.

・行動する代わりに会議、実行する代わりに打ち合わせは×

・制約を受け入れる

・中途半端な一つよりもよくできた半分の方が良い

・芯から始める

・これについて「考える」のではなく、これについて「決断する」→ 完璧な解決を目指すのではなく、決断して前進する

・変わらないものに目を向ける(早さ、シンプルさ、使いやすさ、わかりやすさ)

・副産物を売る → 売れるかもしれない何かをつくっているかもしれない

・人も状況も変化するため、全員に対してすべてを提供することはできない

・レシピ、舞台裏を公開・共有する

・ひらめきには賞味期限がある


私たちのLabについて

17の考え方をピックアップして、特に私たちのLabでも実践していることを5つピックアップすると、

①誰でも自分のビジネスを始める

私たちのLabのプログラムの一つに、「自分のプロジェクトをつくる」というのがあります。私たちの場合、必ずしもビジネスにつなげるという文脈ではないですが、「仕事」(特にサラリーマンのような会社に勤めること)とは別に、何か一つ「自分プロジェクト」のような、自分の能力、経験、特性を活かして、自らが能動的に活動するものをつくり、人や社会に還元する社会をスタンダード(当たり前)にしたいと思っています。

②自分に必要なものをつくる

プロジェクトを立ち上げる時の要素として、自分にとってそのプロジェクトは意義や意味があるのか?は大切であると思っています。自分にとって必要のないものを、他の人や社会に提供・還元することはナンセンスであると思っています。そもそもその状態では持続性がない一時的なもので終わってしまいます。一時的に得られるものを否定はしませんが、私たちは持続性のあるもの=普遍性のあるものを探求したいと考えていて、自分にとって必要なものを考える、つくる、伝える、提供する、このプロセスに価値があると思っています。

③芯から始める

プロジェクトを立ち上げる時に、はじめに何を設計するかというと、コンセプトです。上記の自分にとっての意義や意味はもちろんのこと、どのようなミッションで、どのようなパーパスで、どのような人に、何を・・といった設計図となるものを固めていきます。ただし、それは考えるだけで設計できるものではなく、過去の経験の振り返りや現在の行動(フィールドワークやリサーチをするなど)の動きながら設計していくことで、活動の芯の解像度が高くなってくると思っています。

④副産物を売る

私たちのLabが提供したいのは、「成果物」ではなく「プロセス」です。プロジェクトを提供したいわけでも、プロジェクトに必要なツールを提供したいわけでもなく、プロジェクトを立ち上げ、育てていく過程で発見した知見やノウハウなどを提供したいと思っています。もしかすると、その過程で必要となったソフトを開発し、提供する可能性もあるかもしれないですが、それもソフトを開発しようと思ってつくるのではなく、プロセスの中で生まれた副産物であると思っています。

⑤レシピ、舞台裏を公開・共有する

過程そのものを提供するとは、何かしら言語化やビジュアル化しないと見えないものを見えるようにすることであると考えていて、その考え方は私たちのミッション「見えないものを見えるようにする」につながっています。思考設計に必要な考え方、プロジェクトそのものの過程、その過程での気づきや学びなどを今後も共有しながら、一人ひとりが自分の個性を設計するためのプログラムを研究・開発し、自分らしい音色を奏でるためのプロジェクトを一緒に伴奏することで、一人でも多くのクリエイティビティ(創造性)が発揮できる社会を醸成していきたいと思っています。


最後に・・

私たちのLabは組織体ではなく、有機体です。ピラミッドのような組織でトップダウン型で活動するのではなく、有機的につながって各々の特性と感性を最大限に活かしながら活動する集合体です。

「自分のプロジェクトを立ち上げて活動したい」「考えることや行動することを研究したい」「Thinking Design Labの考え方に共感して何か一緒にやりたい」という方はぜひお気軽にお声かけください。

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