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問いは行動するためのコンパスとなる

先週もThinking Design Labの定例会でメンバーと話をしている中で、思考するネタが生まれました。前回は『働きがい』について、4つのアプローチを考えました。


今回は、Labのバリューである「思考と行動の両方をアップデートする」において、重要なファクターである『問いをつくる』について考えました。

『問い』は英語で"Question"で、普通に略すと「質問」になります。自分から相手へ何かを聞くというのが一般的な「質問」です。

今回の『問い』の対象は、相手ではなく「自分」であり、自分から自分へ「質問」することと定義します。表現を変えると、「自分へ質問をする」とは「内省」することであり、自分と「対話」することです。

では、どのような『問い』を自分にするのか、どのような「内省」をするのか、自分とどのような「対話」を行うのか、今回も4つのアプローチで整理しました。

その前に、「どのように」の『How』を整理する前提として、「なぜ」問いをするのかの『Why』と何を問うのかの『What』を整理しておきます。

Why : 自分が次に行動する理由や動機を言語化する
What : これまでの自分の行動・経験

ここでポイントは「行動」です。自分自身が実際に体験・体感、実行・実践したことが問う対象=Whatであり、それによって次の行動をする目的・目標、理由・動機の言語化=Whyであるということです。

この前提をおさえた上で、どのように問うかの『How』を4つのアプローチで整理します。

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①時間軸で分ける

上記のWhyに「次に」、Whatに「これまで」と書いたのでなんとなく想像がつくと思いますが、自分の行動(体験・体感、実行・実践など)を過去と現在と未来の3つの時間軸で考えるアプローチです。基本的には過去から現在(現在から行動でも可)の行動を振り返り、未来にどのような行動をするかの思考です。

このアプローチのポイントは、「点」を「線」にすることです。とある時の行動の点を問うのではなく、その前後や現在までの流れまでを問うことで自分の変化や不変、学びや気づき、こだわりや価値観といったものを見つけて線にすることが大切であるという考え方です。

②フェーズで分ける

2つ目は先ほどの「点」をさらに細分化して考えるアプローチです。とある時の行動の背景(そもそも「なぜ」その行動が起こったのかという理由・動機)と過程(行動するプロセスの中でやったことや感じたこと)と成果(その行動によってもたらされた数字や学び)の3つのフェーズで分けて考える思考です。

このアプローチのポイントは、その行動の「目的・目標」を明確にすることです。背景フェーズでは人から誘われた、偶然出会ったなどの外部要因があるので目的・目標がなかった場合もありますが、とはいえその行動を起こしたということは、自分の中に何かしらの目的・目標があったはずです。それが何だったのか、それに対してどのような行動を選択して過程を経たのか、それがどのくらい・どの程度達成や成果が出たのかという、すべては「目的・目標」という基準があるという考え方です。

③CanとCan'tの学びで分ける

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3つ目は先ほどの「成果」を、「できた」(Can)と「できなかった」(Can't)で分けて考えるアプローチです。行動をすると何かしらの結果が出ます。その結果をどのように捉えるかは先ほどの基準がありますが、その基準の分け目(基準を上回る=できた、基準を下回る=できなかった)にもなり、できた・できなかったが基準そのものにもなる思考です。

このアプローチのポイントは、できた・できなかったを「学び」に変えるということです。できた・できなかったで一喜一憂するのは誰しもあると思いますが、それで終わってしまうと次に活かす材料となりません。できたことは「なぜ」できたのか、できたことは自分の「武器」となるのか、次の行動にも活かすことができるのかと考えること。同じく、できなかったことも「なぜ」できなかったのか、できるためには何が必要なのか、できなかった中にも学びやプラスになる材料はあるのかと考えること。自分に問いをして考えた上で、新たに自分に問いをつくることで学びの質も良くなるのだという考え方です。

④KPTで分ける

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4つ目は先ほどの「フェーズ」や「学び」を振り返った後に未来に対して考えるアプローチです。とある行動の背景・過程・成果を言語化した後に、それらを次の行動にどのようにつなげるかを思考です。背景・過程・成果を点とした時に、それを継続(Keep)・問題(Problem)・挑戦(Try)の点とつなげて、こちらも線にするイメージです。

このアプローチのポイントは、「事実に基づいていること」と「優先順位を明確にすること」の2つです。KPTをするための材料となる過去の行動の過程や成果が事実であることで、続けることと改善することが明確となる、また、自分のできたことやできなかったことの事実があることで、次に何に挑戦するべきかが明確となる考え方です。その上で、いろんなタスクやアクションが出てくる場合、どの順番で実行をするか優先順位を明確にする考え方です。

※KPTは仕事やプロジェクトの振り返りのフレームワークでもよく使われていますので、初めて知ったという方はググって検索してみてください。

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分けると分かる

4つのアプローチをおさらいをすると、

①時間軸で分ける:過去・現在・未来
②フェーズで分ける:背景・過程・成果
③CanとCan'tの学びで分ける:できたこと・できなかったこと
④KPTで分ける:継続・問題・挑戦

4つのアプローチに共通しているのが「分ける」ことです。なぜ「分ける」ことが重要なのかというと、『分けると分かる』からです。

ここでいう分かるとは、「これまでの自分の行動・経験を(4つのアプローチなどを活用しながら)振り返ることで、自分が次に行動する理由や動機を言語化すること」であると言えます。

自分のことを分かるために、自分に問いかける質問を分ける。
分けた問いを考えることで、自分が次に何をするかが分かる。

『問い』というのは、行動するためのコンパスそのものなのだと思います。どこに向かうのか、どこに進むのかを明確にしてくれるのだと思います。

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新たな発見

最後に余談ですが、4つのアプローチを整理しながら、ふと以下のキーワードが浮かんできました。まだ深堀りはできていないですが、参考までに。

①「応用」と「展開」→自分の行動の"幅"が増える
②「復習」と「継続」→自分の経験の"数"を増やす
③「改善」と「再開」→自分の求める成果の"率"を高める

①は自分の行動を振り返った上で、経験したことや学んだことを違う領域や分野に応用して展開することで、自分の行動やできることの「幅」が増えるという考え方です。

②は自分の行動を何度も何度も「復習」して「継続」することで、人より何倍も何十倍も多くの経験値を増やすことができ、その道のプロフェッショナルに進むという考え方です。

③は自分の行動を振り返った上で、特にできなかったことや問題となったことの原因を分析して、改善することや再開することで成果を出す確率を高めるという考え方です。

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前回のnoteにも書きましたが、私たちのLabは対話がスタートであり、思考設計するにおいての重要なファクターと捉えています。定例会では主に、対話で生まれたキーワードを一つ一つ深堀りしていくことや、その過程で新しい発想が生まれることを目指しています。このような時間とプロセスをより共有できる仲間を増やしていけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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