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#308 『愛されるために何が大事か』

本日は、活水高等学校吹奏楽部音楽監督の藤重佳久さんの「愛されるために何が大事か」についてのお話です。藤重さんは、武蔵野音楽大学卒業後、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団します。その後、精華女子高等学校吹奏楽部顧問に就任し、全日本吹奏楽コンクールに19回出場、金賞10回を獲得、全日本マーチングコンテストは16回出場ですべて金賞を獲得しました。

"お互いに信頼し合える人間関係が築けていると、できないことができるようになっていきますよね。チーム内の人間関係はもちろんですが、他の部活動との練習場の問題なんかもありますので、先生方と仲良くなっていないと協力してもらえません。保護者や地域の人もそうです。やっぱり周りから愛されるバンドにならないと日本一にはなれないと思います。"
"愛されるためには何が大事か。それはやっぱり日頃の生活態度ですよ。特に上の大会に行けば行くほど、ちょっと悪いことをしたら一斉に文句を言われますからね。だから、レギュラーの子もそうじゃないサポートの子も、一人ひとりがプライドを持って、自分が部の看板、学校の看板だという気持ちを持たせるべきだと思うんです。企業は人なりというように、バンドだって人なんですよ。人が育っていないと、いい音楽はできない。"
"中には下級生のほうがうまい場合もあるわけです。でも、うまいからといって、上級生に対して横柄な態度を取ったり、何か頼まれた時に嫌な顔をする。それじゃあ絶対にいい音楽はつくれません。だから、技術だけでは絶対にダメなんですね。部活動を通じて、人間としてのあり方、根本を身につけさせることがものすごく大事だと思います。"
"私は1990年に初めて全国大会に行ったわけですが、その次の年は全国大会出場を逃しているんです。しかも惜しいとかいうレベルではなくて、九州大会の前の県大会のさらに前にある最初の地区大会で落ちたんです。これはショックでしたね。でも、よく考えてみれば、ダメな時はダメなことをやっているんです。完全に図に乗っていました。去年全国大会に行ったから今年も行けるだろうくらいに思って、なめてかかったんですね。生徒の技術や意識レベルはそんなに差がありませんでした。もう何もかも指導者の責任ですね。私自身にそういう驕りや慢心がある時は、必ずといっていいほど落ちました。やっぱり指導者は常に謙虚でいなくてはならないと感じます。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/11/04 『愛されるために何が大事か』
藤重佳久 活水高等学校吹奏楽部音楽監督
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※Photo by Kelly Sikkema on Unsplash