見出し画像

#276 『人生の五計』

本日は、作家の小島直記さんの「人生の五計」についてのお話です。小島さんは、東京大学経済学部卒業後に海軍に入り太平洋戦争を経験します。戦後、高校の社会科教師、ブリヂストンタイヤでの勤務を経て、文筆活動に入ります。主に、明治以降の政財界人を取り上げた独自の伝記文学の世界を築いてきました。

"人間の弱さは、恒常的なものを持っていないということです。「生老病死」といいまして、いつ病気をするか分からない。誰でも年も取る。そしていつ死ぬか分からない。人間はそういう予測できない変化に翻弄され、悩み苦しむ。それを克服するには、自分の生きる座標軸、生きる支えのようなものが必要になってきます。"
"僕がよく生き方の指針として紹介しているのが、朱新仲という人が説いた「人生の五計」という教えです。

五計の第一は生計です。いかに健康な毎日を過ごすかという意味での計画です。第二の身計は、立身出世という言葉に近い。何をもって世に立つか、いかなる職業で、いかなる価値観の上で生きていくかという計画が身計です。第三の家計は文字通り家計簿の家計です。どういう毎日の出し入れで生活するかという問題です。第四の老計、第五の死計は文字通りの意味です。どういう老年を迎えるか、どういう死に方をするかという計画です。この五つが「人生の五計」で、僕の人生の指針にしてきました。"


============
書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/10/03 『人生の五計』
小島直記 作家
============

※Photo by Bernard Hermant on Unsplash