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#284 『経営と仕事の違い』

本日は、京セラオプテック元社長の福永正三さんの「経営と仕事の違い」についてのお話です。福永さんは京セラ創業者の稲盛和夫さんから月1億円の赤字を出す会社の再建を任されました。「心を治せば、改革ができる」という信条のもと、京セラフィロソフィーを持って再建に成功します。その当時のお話です。

"関東の労働組合全体を牛耳っている人の元へ直談判へ行きました。その時も''ド真剣''に稲盛和夫会長から教わったことを相手に訴えたんです。「経営者の足を引っ張って、権利ばかりを主張しても幸せになんかなれん。本当に幸せになりたいのなら、いい仕事をいっぱいして、誰にも負けない努力をすることだ!」...一瞬の沈黙の後、「よし、気に入った。委員長や書記長にわしから通達してやる」と言われました。「話せば分かる」と実感した瞬間でした。"
"挨拶や掃除を通して社員さんとコミュニケーションを取ってきた、管理者に京セラフィロソフィーを語り、協力してくれる者が30人をこえた、組合にも話を通した。そういう下準備を終え、一気に全社員のベクトルを合わせる時が来たとにらみました。私は全部の業務を停止させ、全社員を食堂を集めました。彼らの心に向かって語り掛けたんです。"
"全社員ととことん話し合った末、なかにはどうしても私の考えに合わないという人が3分の1いました。残念でしたが、その方々にはお辞めいただきました。3分の1いうたら100人ですから、普通やったらそんな一度に辞めたらびっくりするでしょう。でも、違う。やる気がある人たちのベクトルが合ったら、そのくらいカバーできる。これが3分の2だったら会社をつぶそうと思っていました。"
"この読みができるかどうか。それが経営です。経営と仕事は違います。誰かがつくった道を歩くのではなく、自らが生きる道をつくり出していくことが経営なんです。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/10/11 『経営と仕事の違い』
福永正三 京セラオプテック元社長
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※Photo by Nastuh Abootalebi on Unsplash