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社内を本気でマーケティングするということ

日々、マーケターは何をしているのか?マーケターの仕事とは何か?これからのマーケターの姿とは?
僕は今、マーケティングの仕事をしていて、いろんな企業のマーケティングの部署の方やマーケターと言われる人と会うけど、自身と本質的に価値観が合う人とまだ出会えていない感覚があって。だから、自分ってマーケターなのかな?ってたまに思うことがあるんですよ。
ということで、今回はそんな違和感があるマーケターについて考えてみたいと思います。

●マーケティングとは何か?

・日本マーケティング協会
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。
・米国マーケティング協会
マーケティングとは、組織と利害関係者にとって有益となるように、顧客にたいして価値を創造・伝達・提供し、顧客との関係性を管理したりするために行われる組織的な活動とその一連の過程である。
・ピーター・ドラッガー
マーケティングの究極の目標は、セリング(売り込み)を不要にすることだ
・フィリップ・コトラー
マーケティングは、まだ満たされないニーズとウォンツを発見し、定義し、その程度を測定し、どのターゲット市場を対象とするべきか選定し、それらの市場に適合する製品、サービスそしてプログラムを開発し、組織全体に顧客視点に立つことを要請するビジネス機能である。
・三省堂大辞林
消費者の求めている商品・サービスを調査し,供給する商品や販売活動の方法などを決定することで,生産者から消費者への流通を円滑にする活動。
・wikipedia
マーケティング(英: marketing)とは、企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である。

いくつか外部から定義を列挙してみましたが、
「顧客」「創造」「価値」「活動」「過程」のような言葉が使われていることに気がつきますね。

そもそも、マーケット(market)という言葉の意味は、
(名)市場
(自動)市場に出す、売る
(他動)売り込む
といった意味があります。

上記の単語も踏まえると、
"顧客に対して価値を創造し、市場(=何かしらの買い場)に出すもしくは売る活動のこと"
と言うのでしょうか。そこに現在進行形のingがつくからそれらが過程となるわけなんですね。

そのため、マーケティングの定義はそれぞれ言い方は違う(というより、プラスで手段の話もしている定義もある)が、結局は同じことを指しているように思えますね。
ここで、僕のマーケティングの定義も最後にしておきます。

マーケティングとは、人が人に対して世の中にある物事から新たな価値を発見し、その価値を証明するために行動する全てのこと

ここの定義の意味はこの後記述していきます。

●マーケターの役割とは何か?

では、そのマーケティング活動をする人のことを一般的にはマーケターと呼ぶが、以下の2つ

・デジタル大辞泉(出典:小学館)
1 市場で売買する人。
2 市場調査に基づいて商品開発・販売促進を行う人。
・マイナビ(MFCコラム)
「売れる仕組み」を作り、顧客・潜在顧客に対して、自社やクライアントの商品をいかに魅力的にみせ、購買意欲を掻き立て、購入や契約に繋げられるかということを考え、実行すること

と定義しています。
ここでマーケティングとの定義に違和感を感じたのですが、「創造」「価値」という言葉が使われていなく、「調査」「魅力」といった言葉が新たにでてきましたね。

僕がマーケターという言葉もしくは現場レベルの人たちの役割に対して違和感を感じているのがまさにここの部分なんです。
・市場調査や分析をする人
・かっこいい、イケてる企画をする人
・営業をしないで、インバウンドで売れる仕組みをつくる人
などが僕の周りではよく言われているんです。

"顧客に対して価値を創造し、市場(=何かしらの買い場)に出すもしくは売る活動のこと"
先ほど記述したことと少しずれてませんか?ずれてる理由は目的から手段になっていることなんです。マーケターの多くは手段先行型になりつつある職業なんです。

●これからのマーケティングのかたち

おそらく手段に捉われているマーケターは今後消えます!はっきり断言します。もうすでに消されているのかもしれないですね。(笑)

・市場調査や分析をする人→AIやツールの方が優秀な話。※その時間があるなら、現場を見に行くべき!
・かっこいい、イケてる企画をする人→そもそも何をもってイケてるのか?って話。
・営業をしないで、インバウンドで売れる仕組みをつくる人→MAやツールで補える話。

マーケティングとは、人が人に対して世の中にある物事から新たな価値を発見し、その価値を証明するために行動する全てのこと

先ほど僕が定義したマーケティングです。今後求められるマーケターは、3つです。
1 人と人をつなぐ存在であること
2 価値を創造するのではなく"発見"すること
3 価値を証明すること

の3つです。

人と人をつなぐ存在であることは、前回の記事のコンテンツ4.0にも通じるのですが、よりリアルが重要な時代になっていくという観点がポイントです。リアルの最大の強みは人と人が交流するということです。
※前回記事はこちら→コンテンツ4.0について考えてみた

2つ目は僕のnoteのカバー写真を見てもらえればわかるのですが、スペイン・バルセロナの有名な建築家 アントニ・ガウディの名言である"世の中に新しい創造などない、あるのはただ発見である。"の言葉の通りです。
僕は"創造"というものはないと思っており、基本我々人類は過去の出来事や物事からの体験や経験から今後の将来を予測したり、その体験をアップデート、つまり"発見"しているにしか過ぎないのです。
そのため、マーケターに必要なことは過去や歴史をしっかり見て、将来を予測する力と言えるでしょう。そして、先ほども少し記載しましたが、その時に一番必要なのだが、意外と時間をかけていない今・現場を見ることです。
データが増えたおかげでいろんな意味で効率化や最適化されましたが、真のマーケティングの答えは現場にしかないと思っています。
現場にどんどん足を運ぶ、実際に体験する。その行動が大事です。

3つ目は説明する必要もありません。いろいろ調べて、体験して、発見したなら、あとはそれを証明するだけです。発見するだけならマーケターとは言えませんね。
価値を発見し、その価値を現実として証明すること。それがこれからのマーケティングのかたちになるのです。

●社内マーケができるマーケターが必要

その証明ができることこそ、マーケターであるとした場合、マーケターはまず何をすべきでしょう?
僕はまさに今それを実践しているのですが、社内をマーケティングすることです。

マーケティングとは、人が人に対して世の中にある物事から新たな価値を発見し、その価値を証明するために行動する全てのこと

僕の定義で言えば、これは別に顧客に対して行うものとは限りません。社内の人に対しても同じです。むしろ社内のマーケティングを制していないものがどうやって社外やお客様に対してマーケティングをするのだということです。
自分の部屋の掃除もしていない、できてない人が、他人に部屋を掃除をしなさい!とは言えませんよね。マーケターの良くない点の一つかもしれませんね。自身ができていないことや証明できていないことを相手にするべきだ、なんて。(笑)

僕は今、メディアと広告主とお客様の3者をコンテンツでつなぐために社内に対して、その価値を発見し証明している最中です。その価値を証明してこそ、初めて本当に証明したいこともできると思っています。つまり、過程の中の序章の序章に過ぎない、まだ目次にもいってない段階です。(笑)

ですが、この社内をマーケティングすることこそ、これからマーケターが世の中に対して価値を発見し、証明していくのに必要な過程であると、僕自身が証明をしていきたいと思います。

マーケターの皆さん、今一度自身のマーケター像や今後自身が何をするべきかを考えてみてください。一人でも手段先行型から価値証明型のマーケターが生まれることを期待したいのと、そういうマーケターと一緒に世の中に、たくさんの人たちに価値あるコンテンツを提供していければと思います!!

※写真は2012年に行った、スペイン・バルセロナのサグラダファミリアです。僕のマーケターとしての考えはこのガウディ作品に影響されています。