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#278 『人間がかかる4つの病』

本日は、ユニ・チャーム創業者の高原慶一朗さんの「人間がかかる4つの病」についてのお話です。生理用品や紙オムツの分野でトップシェアを誇る「ユニチャーム」の創業者である高原さんは、創業以来「39勝3敗」の驚異の増収増益記録を更新した経営者です。今回のお話は、「経営」だけ出なく「生き方」について非常に学びの多い内容でした。

"いくら組織を整えても、やはり経営者自身が高い志を持ち続けていないと難しい。これは私の人生観にも繋がるものですが、トップが「一生勉強、一生危機感、一生青春、一生情熱」という4つのスタンスを身につけているか。そういう生き方を貫いて、示していくことが大切です。"
"ただ人間は放っておくと心が病気になるんです。症状には4つあって、一つ目は「自惚れ」、二つ目に「驕り」、三つ目に「マンネリ」、そしてベースにあるのは「甘え」ではないかと思います。失敗している経営者は必ずこの心の生活習慣病にかかっていますから、絶えず自制していかなければならないということです。"
"父親も会社を経営していました。その背中を見て育ったから、小さな頃から自然と経営者になりたいと思っていましたし、そういう資質のようなものを身につけていたのかもしれません。私は昔からスポーツの世界に興味があったのですが、一流のスポーツ選手と創業経営者の資質というのはとても似ているんですよ。"
"彼らは、まずは目標を持ち続ける「目標魔」です。そしてそれに向かって実践していく「実践魔」でもあるし、達成できるまでやり抜く「貫徹魔」でもある。また、サッカーや野球などの団体競技は仲間と一緒に成し遂げる「協働魔」でもあるし、監督やコーチ、先輩は指導する「教育魔」の資質も必要でしょう。"
"そうやって内なる欲求で精神性を高めていくことはとても大事ですが、同時に外なる刺激も求めていかなければなりません。外なる刺激も「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」では困りますので、私は生涯で3人の師を持てばいいと思います。私のモットーは「人生われ以外皆師」で、どんな方からも刺激を受け、勉強させてもらっています。同世代でも第一線でも活躍されていらっしゃる方もたくさんいますし、年下の経営者でも素晴らしい方はたくさんいます。『論語』に「下問を恥じず」という言葉がありますが、年下の人や立場の下の人の意見に謙虚に耳を傾け、学ぶ姿勢はとても大事です。"
"核となるべく存在として、三人の師が必要だと思っているんです。まずは両親。両親の生き様は人間ですから良いところ半分、悪いところ半分ですが、生まれた時から一番身近にいるお手本ですからね。次は教師ではない恩師。つまり知識や勉強だけでなく、生き方を教えてくれる人。そして、社会に出たら職場の優れた先輩。職場でリーダーになるような人はそれだけ優れた生き方をしています。この3人の師を持ったら「守破離」の精神で、まずは師の良いところを真似る、教えを守る。そしてやはり師を乗り越えて、自分なりのものをつくっていくことが、人格形成のためには欠かせないポイントだと思います。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/10/05 『人間がかかる4つの病』
高原慶一朗 ユニ・チャーム会長
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※Photo by ÉMILE SÉGUIN 🇨🇦 on Unsplash