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#343 『心の養生・食の養生・気の養生』

本日は、帯津三敬病院名誉院長の帯津良一さんの「心の養生・食の養生・気の養生」についてのお話です。帯津さんは身体だけではなく、目に見えない心といったマインドや環境といった全体的な視点で健康を捉えるホリスティック医学の第一人者です。人生100年時代と言われている中で、今回のテーマである3つの養生は参考になる考え方だと思います。

"私は生命場を高めるには3つの要素が必要だと考えます。「心の養生」「食の養生」「気の養生」です。「心の養生」は一言でいえば、常に向上心を持って取り組んでいくことです。どこまでも生命のエネルギーを高め続けることです。ただ、ここで念を押しておきたいのは、いわゆる「明るく前向き」という言葉についてです。意外でしょうが、実は明るく前向きな人ほど、エネルギーを失いやすいのです。"
"私も最初は人間は明るく前向きなのがよいと思っていました。そのために開業当初、患者さんを明るく前向きにする心理療法チームを立ち上げたりもしましたが、ある時、気づかされました。明るく前向きな人が経過がいいのではなく、経過がいいから明るく前向きになれるのだ、と。経過が思わしくなければ、奈落の底に落ちて立ち直れなくなる人が多いのです。"
"ではどうしたらいいのか。私は多くの人を観察する中で、人間は本来哀しくて寂しい存在であり、明るく前向きにだけでは生きていけないと考えるに至りました。元気な状態でも常に悲しみや不安が襲ってきます。ましてや重病ともなれば、尚更でしょう。作家の水上勉さんは「我々は虚空より来たりて虚空へ帰る孤独なる旅人である」とおっしゃっていますが、まさに、そのとおりだと思います。"
"人間は哀しく寂しい存在という考え方にどっしり腰を下ろした時、「人生は所詮そういうものなのだ」という一種の安心感が生まれます。それが分かると、日々のちょっとした出来事にも「ときめき」を感じるようになります。...どんな小さなことでもいいのです。「ときめき」という希望の種を播いていれば、心は自然と明るく前向きになります。この前向きは哀しみや寂しさから出発していますから、たとえ壁にぶつかってもいつまでも落ち込むことはありません。"
"悲しみ→希望→ときめき→明るく前向き→悲しみ→希望→ときめき→明るく前向き・・。この循環を繰り返す中で、「死後の世界」に向かって生命場のエネルギーは高まっていくのです。"
"次に「食の養生」です。食の養生というと、どうしても食事制限や玄米菜食という言葉を連想します。もちろんそれも大切なことだと思います。しかし、ステーキが食べたいと思った時には思いきって食べて自然治癒力を高め、翌日には再び玄米菜食に戻るといった「攻めの養生」も大切なのではないでしょうか。私は、大地のエネルギーを含んだ旬のもの、地場のものを食べること、好きなものをときめきながら少量食べることは、とてもいいと考えています。ちなみに、私はお酒も養生という持論があって、晩酌は欠かしません。"
"3つめの「気の養生」。これは大宇宙の気を体に取り入れることです。気功、ヨガ、神道の呼吸法など自分に合った健康法を実践していただきたいものだと思います。 "


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/12/09 『心の養生・食の養生・気の養生』
帯津良一 帯津三敬病院名誉院長
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※Photo by Kunal Shinde on Unsplash