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交渉術で理解する「評価」:2分類法と3分類法

こんにちは!Takuyaです。
今回は、ハーバード流交渉術を通じて「評価」について解説します。
特に、2分類法と3分類法という評価方法に焦点を当てます。

1. 評価とは?

評価は、何かを判断する過程です。
たとえば、自分の仕事の質や他人との関係、学校での成績、商品やサービスなど、日常生活には評価が溢れています。
ある物を見て「いいな」「好きだな」と思うことも、その反対に「よくないな」「嫌だな」ということも、全てその対象となるものに対して評価をしていることになります。
時には、「AよりBのほうがいいな」「AもBも同じようにいいな」というのも、あるものと比較をした形で評価しています。
そのうち、みなさんが捉えやすい代表的な評価は、学校での成績として“1~5”または“A・B・C”という評価がありますよね。テストでは“最高点100点”とし、“最低点0点”とされ、どれくらいまでできているのか、その間を数値でしめされるものも評価のひとつです。

評価の位置付けと評価基準

そもそも評価とは、評価者(または評価指標を設定したもの)の主観を示すものとなります。
基準というものは定義化されますが基は曖昧なものであり、ものごとを前に進めるためのプロセス段階に過ぎないのです。
テストの問題を例にすると、「ここからここまでテストに出る」という範囲を設定(決定)する人が必ずいます。
そのテストに対し、
 ・1カ月かけ教科書1冊分勉強をして80点をとる人
 ・テスト前日に焦って勉強した範囲が偶然テストに出て80点とる人
どちらの評価も“80/100(正解率80%)評価”なのです。
これだけで“勉強ができるか否か”を判断できるものでしょうか?
しかし、一定の評価基準の設定から評価者の主観に合わせて定義するほかなく、判断するための過程のものと位置付けられます。
世間ではその評価が『判断するための過程のもの』ではなく、『最終結果』として勘違いする人も多いため正しく理解することが重要です。
『テストの点数が高いから頭がいい』と、判断するための過程段階で結論に結びつけるような視点や勘違いが存在するものです。
このような考えを持つ相手の場合、交渉においては段階的に丁寧に進める注意が必要です。

自然現象で示される数値は客観的なものであり、評価は評価者によって異なります。
例えば・・・、“気温35℃”。これをどのように思うのか。
ほとんどの日本人は「今日35℃らしいよ・・・!めっちゃ暑い~~~!」となり、35℃を超えた地域としてニュースになることもあります。
日本では、この気温以上の日を“猛暑日”と言っています。
ほとんどの日本人が“暑くてやりきれない。身体に良くない(危険)。”などの感覚や定義からつけられたネーミングですよね。
一方で、世界的に見たらどうでしょう?
「35℃なんて全然暑いうちに入らない」と感じる人たちもいます。
同じ気温でも評価者次第で大きく変化します。
私が住む東京都内では、雪が降ると交通機関は麻痺し、ニュースになります。
電車のほとんどは運休・遅延などが多発し、1日仕事にならないことや学校が休校になることもあります。
一方で私の出身である北海道では、それが冬の日常で、線路の上に深雪があっても見事に雪を跳ね上げながら電車は豪快に運行しますし、子供達はいつも以上の雪遊びをしながら登校をするのです。
このように、物事の評価とは、環境・文化・条件によって大きく変動するもので、最終的に電車を運行するのか、止めるのか…の意思決定を変化させていきます。
そして、それらが“絶対的なもの”ではないケースが多々存在することを頭に入れておくと、交渉の自由度が高まります。

これらを踏まえ、人間が示すものに対する評価は非常に主観的です。
就職活動の面接なんかはとてもわかりやすいですね。
(面接官や意思決定者の主観的な評価で、その人の年収・人生・生活が変わるんですよ?!)
評価とはそういうものなのです。
意思決定は、決定する人の評価によって行われるものです。
つまり、分析や事前準備で評価を上げていくことを自ら検討したり、交渉術として応用することができます。

・・・・面白くなってきましたか??笑
では、評価者は、“何が好ましくて、何が好ましくないのか”というような分類が必要です。
主観の境界を決める境界線を分類する際によく行われる方法として『2分類法』『3分類法』があるので、ご紹介します。

2. 2分類法

最もシンプルな評価方法で、「良い」か「悪い」か、2つのカテゴリに分けるものです。

簡易例:合格・不合格

試験での合格・不合格も、2分類法の一例です。
成功したか、失敗したか、その二択です。

応用:PPMの図

企業戦略においてPPMの図と呼ばれるものがあります。
会社がおこなっている事業を評価するもので、どの領域にその事業が入るのかで評価が示されることに使えるフレームです。
事業戦略として、図のどの位置に配置するかによって今後の事業運営・戦略を考えるものとなります。
以下の図は典型的な2分類法の例です。

PPMの図

縦軸を『市場成長率』、横軸を『相対的マーケットシェア』という数値で表し、それを意思決定者の判断で分類する方法となります。


3. 3分類法

こちらは、中間の選択肢が追加された評価方法です。「良い」「普通」「悪い」の3つに分けるものです。

簡易例:映画の評価

例えば、映画を「面白い」「普通」「つまらない」の3つで評価するケースがあります。

応用:『強さ-魅力』のマトリックス

評価を“上・中・下”や、“良い・普通・悪い”という形で三つにわけておこなうことが多く、『強さ-魅力』のマトリックスは3分類法の利用となります。
これも企業戦略で用いられるものとなります。

『強さ-魅力』のマトリックス

これは縦軸に『市場の魅力』を、横軸に『自社の事業の強さ』を取り事業の分類をするものです。
市場の魅力や事業の強さは1変数で表現ができない…という理由で複数の変数で考えることがあります。


4. 2分類法と3分類法の使いどころ

  • 2分類法:状況が明確で、はっきりした結論を出したい場合に有用です。

  • 3分類法:細かいニュアンスが重要な場合や、中間の選択肢が必要な状況で使用します。

例:選挙とレストラン

選挙では「賛成」か「反対」の2分類法が主ですが、レストランの評価などでは、中間の「普通」が必要な場合が多いです。


5. ハーバード流交渉術での評価

ハーバード流交渉術では、「BATNA(最良代替案)」というキーワードがあります。
これは、交渉において自分が受け入れられる最低条件を示す専門用語です。
 *以前に、『04』で記事にしたものです。
https://note.com/tky_ngta_skills/n/neec7e898e042

テクニック:BATNAの設定

交渉の前に、自分のBATNAを明確にし、それを基に評価を行います。
2分類法であれば「受け入れられる」「受け入れられない」、3分類法であれば「理想的」「許容範囲」「NG」などと評価できます。


まとめ

評価は日常生活からビジネスまで多用されるスキルです。
その評価を簡潔かつ効果的に行うためには、2分類法と3分類法が有用です。
特に、ハーバード流交渉術を用いることで、より精緻な評価が可能になるため、皆さん是非一緒に学んでいきましょう!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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次回からはもう少し突っ込んで理論の解説や応用版なども書いていこうかな・・・?と考えています。
交渉術は、様々なスキル・理論・心理を複合的に活用することになるため、とてもおすすめです!
これからもよろしくお願いいたします。

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