自分について⑵

 今回は銀行員時代の振り返り、仕事と本を通して定めた生き方について

思い出しながら綴っていきたいと思います。


銀行員時代


 約2年間の銀行員時代では、初めの半年は雑用ばかりでやりがいを見出せ

ず、一時期は意味も分からず営業地区の巨大地図を会議室で一日中作成して

いたこともあり、正社員でありながら耐えきれずに本気で飛んでやろうと思

ったこともありました。本当に運良く今日出勤したら完全に飛んでやろうと

思った日に、本部での新入社員研修が大幅に増えるという通達が出たこと

と、雑用以外の仕事らしい業務を任せてもらえたことでとんでもない行動に

出る前に済みました。

 2年目から担当地区を任せられる営業となってからは、ノルマに追われ、

顧客のためにならない内容をお願いしてやってもらわなければならない状況

に心を痛めて、たまに泣きながら帰っていたことを覚えています。

 毎月安定して得られる収入に加えて年2回のボーナスという金銭的には困る

ことない働き方をしていてもノルマの中に一部存在した、組織のためのエゴ

を孕む仕事があるだけで何のために自分が働いているのか分からなくなって

おり、それは想像していたよりも自分には耐え難いのだと実感しました。

それに加えて、自分は元来人の下について働くという働き方も長期的には

耐えられないという性質なのも大きく影響していました。

 色々書きましたが、銀行業務そのものを否定する意図はなく、こうなった

のは自分が就職活動の時に、企業研究や自己分析を怠ったことが原因である

と思ってます。そして、辞めてからですが新卒というカードを銀行員という

職種に切った事に関しては、社会を知り、自分の生き方・働き方を考えると

いう意味で非常に良い選択だったとも感じています。

 また、前述した通り、序盤で飛ぶなんて行為を選択肢に入れている自分と

いう人間の日々の言動も社会人としてはかなり問題児であったのにも関わら

ず、辞める最後の日まで大事に育ててくれた多くの上司・先輩方には今も感

謝しかありません。
 
 

読書と人生の目標設定と矛盾


 前回書いた通り、銀行員として働いている最中は自分の人生の中で一番本

を読んでいた時期ということもあり、そこから得た知識と働きながら感じた

ことをもとに人生の生き方についても定めました。

 名著でも挙げた「7つの習慣」の教えの1つである「終わりを思い描くこ

とから始める」という項目を参考に、自分がどういった人間として生を追え

たいのかと考え、思いついたのが莫大なお金を稼ぎ、貧困で苦しむ人をでき

るだけ多く助けられるような人間というビジョンでした。しかし、実際に自

分の中に1番強くあった欲求は、自分が組織の上に立って好きに色々やれるよ

うな状態を作りたいというもので、その上で弱者とされる人達を救う行為に

力を使いたいというのが本音だったなと振り返っています。恵まれた環境で

生きてこれたことを理解してないからこそ思いつく浅ましい本音でした。

 そして資本主義について学んだことで、この世界が資本主義を採用してい

る以上、どこかが栄えればどこかは貧困になるという構図が決定してしまっ

ている以上、自分の掲げた理想である「お金を稼ぎ、貧困で苦しむ人を助け

る」というものが矛盾なのではないかと感じてしまっています。だからと言

って誰かを助けたいという思い自体は自分の本質であり、その行為そのもの

のは無意味なのかと問われると意味はあるとも思います。いやそもそも人が

する行為に意味や無意味などを考えることこそ意味がないのかもしれませ

ん。まあこれは実存主義側に立って考えるという前提のもと成り立つので、

生まれてきたことに意味を見出し、そこから生きて何かを成すことに意味を

見出すことも人の性質として間違ってはないですね。というより自分自身も

どちらかというと今まで何から何まで意味を見出そうという思考だったの

で、「実存は本質に先立つ」というサルトルの言葉にある通り、何のために

生まれたのかではなく生まれたので何を為していくかという考えは自分には

なかった考え方だったので少なからず衝撃を受けました。




 書いているうちに何やら哲学的な内容になってしまったので今回の振り返

りはここまでにします。

自分で書いていて読み返すと、自分について否定的な書き方を多々している

ことに気が付きましたが、ネガティブな性格というわけではなく、単純に事

実だと思ったので書いてるだけです。自分自身はどちらかというと今も昔も

そこまで変わらずポジティブで楽観的な人間です。ただ振り返ることで、過

去の意思決定や行動の問題点を見つけるために書いているので、今後の生き

方に活かせたらと思っています。

 次回は、これまでではなく、これからについて書こうと思います。

 

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