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鮭は魚の中でもトップクラスの栄養価を誇ります

私たちにとって非常に身近な鮭は、魚の中でもトップクラスの栄養価を誇る、と言っても過言ではありません。

今回は、鮭に含まれるすぐれた栄養素の中から、3つに絞って重点的に解説します。

合わせて、鮭の選び方、そのポイントについても補足します。
(記事の文末に動画を添付しています)

鮭に含まれる7つの栄養素

鮭の代表的な栄養素を挙げると、こんな所です。
タンパク質
アスタキサンチン
ビタミンB群
ビタミンD
マグネシウム
セレン
EPA/DHA

どれも大事な栄養素ばかりですが、7つ全部を説明していると長くなってしまいます。
そこで、この記事ではアスタキサンチン、ビタミンD、EPA/DHA、この3つにスポットを当ててみます。

が、その前に、それ以外の4つを簡単に説明させてください。

[タンパク質]
鮭の切り身1枚(80g)当たり、タンパク質が19g。
これは玉子3個分に当たります。

体重50kgの人の場合、鮭の切り身1枚で、1日に必要なタンパク質の3分の1が摂れます。

[ビタミンB6]
ビタミンB群では、タンパク質の代謝に欠かせないビタミンB6に注目です。
下の表の通り、ビタミンB6を含む食品の上位に顔を出しています。

[マグネシウム]
最重要ミネラルであるマグネシウムは、切り身1枚で25mg。
海藻類や大豆食品に比べれば、必ずしも多くはありません。

しかし、マグネシウムはいろんな食品で積み上げることが大切です。
その意味では、25mgも侮っていい数字ではありません。

[セレン]
下の表では、鮭のセレンは約30μg。

ただ、鮭より上位の食品を見ると、日常的に食べるものは、3種類あるマグロのいずれかとカツオとサンマくらいです。

やはり、鮭から摂れるセレンは貴重です。 

アスタキサンチンは最強の抗酸化物質

アスタキサンチンと言えば、カニやエビで知られています。
けれども、同じ赤である鮭にも、アスタキサンチンが豊富です。

アスタキサンチンの働きは、何と言っても超強力な抗酸化作用です。

アスタキサンチンは、βカロテンやリコピン、ルテインと同じカロテノイドの一種です。
見て分かるように、アスタキサンチンの抗酸化力は抜きん出ています。

アスタキサンチンは、超強力な抗酸化作用で活性酸素を撃退します。

アスタキサンチンの仕事はそれ以外にも、

抗炎症作用、抗ガン作用、
心疾患や脳血管疾患の予防、
筋肉疲労の解消、眼精疲労の緩和、
眼のピント調整、認知機能の維持、

これだけ幅広い効果があります。 

アスタキサンチンを解説した2本の記事をまだ読んでいない方は、ぜひご覧になってください。

抗ウイルス効果で注目されるビタミンD

ビタミンDのおもな効果は、下の図の通りです。

よく知られているのは、カルシウムの吸収を助けて、丈夫な骨を維持することです。

近年注目されているのは、
ガン予防と免疫力の強化
とりわけ抗ウイルス効果です。

栄養学を勉強している人の間では、この2〜3年、もっとも注目されているビタミンです。 

ビタミンDが多い食べ物はお魚で、干し椎茸やキクラゲよりも勝ります。

そして、上の図の中でもっとも多いのが、鮭です。

数字が小さいので、表をご覧いただきます。

鮭は一番上です。
サンマの2倍以上、ブリやアジの約4倍です。

25、6μgという量は、厚生労働省の1日当たり目安量(8、5μg)の3倍、私が推奨する積極的な摂取量(50μg)の半分に相当します。

鮭は、自然の食品から摂れるビタミンDサプリでもあります。

EPA/DHA

「EPA/DHAって、青魚に含まれるんじゃないの?」と思われるかもしれません。

確かに、鮭より上の青魚に比べるとEPA/DHAの含有量は劣ります。
が、それに次ぐ量のEPA/DHAを含んでいます。

鮭だけのグラフです。

一番下、生の状態ではEPA/DHA合わせて1000mg、1gを超えるEPA/DHAが含まれています。 
1gという量は、1日に摂りたいEPA/DHAの目標量に相当します。

加熱調理をすると、一定量のEPA/DHA失われます。
それでも、焼鮭で概ね800mgのEPA/DHAを摂取することができます。

鮭はEPA/DHAの欠かせない供給源でもあります。

鮭の選び方

鮮魚売場を見ると養殖のものが目立ちますが、極力、天然のものを選んでください。

理由は、
①(養殖は)抗生物質を使用している
②EPA/DHAやアスタキサンチンが確実に摂取できる

②は、どういうことかと言うと、
天然の鮭にEPA/DHAが含まれるのは、海の食物連鎖の中でプランクトンや小さな魚を食べているからです。

養殖の場合は、ドライペレットという人工的な餌が主流です。
ドライペレットには、魚粉も使われていますが、小麦粉や大豆油のカスが多くを占めます。

このような餌で育てられても、EPA/DHAはほとんど含まれません。 

アスタキサンチンも同様です。
海の中でヘマトコッカス藻という藻を鮭が食べて体が赤くなり、アスタキサンチンが体に入ります。

養殖の場合は、自然な餌であのような赤を出すのは難しく、多くは合成アスタキサンチン(人工着色料)を使用するようです。
合成アスタキサンチンに、どの程度の抗酸化力や健康効果があるのかどうかは、全く分かりません。

ですから、確実に有効な栄養素を摂りたいのであれば、天然の鮭を選ぶことを推奨します。      

まとめ

鮭の主な栄養素は、
タンパク質
アスタキサンチン
ビタミンB群
ビタミンD
マグネシウム
セレン
EPA/DHA

です。  

アスタキサンチンは、超強力な抗酸化作用で活性酸素を撃退します。

アスタキサンチンはそれ以外にも、
抗炎症作用、抗ガン作用、
心疾患や脳血管疾患の予防、
眼精疲労の緩和、眼のピント調整

などの効果があります。

ビタミンDは丈夫な骨を維持すること以外にも、
ガン予防と免疫力の強化、とりわけ抗ウイルス効果で注目されています。 

鮭の切り身1枚(80g)で、厚生労働省の目安量の3倍に相当するビタミンDを摂れます。 

鮭は、青魚に次ぐ量のEPA/DHAを含んでいます。
鮭の切り身1枚の中(生)に、EPA/DHA合わせて1000mgが含まれています。
これは、1日に摂りたいEPA/DHAの目標量に相当します。

鮭を購入する時には、天然のものを極力選ぶように心がけてください。  
理由は、
①養殖は抗生物質を使用している
②EPA/DHAやアスタキサンチンが確実に摂取できる

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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