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あと少しの厳しい冬を乗り切る3つの栄養素をサクッと解説

今年は、例年以上に厳しい寒さのように感じます。
この厳冬のなか、ただでさえ冷えが強い人は、何らかの冷え性対策を積極的に行う必要があります。

「冷えは万病の元」という言葉があります。

体に冷えがあると、肩コリや便秘、不眠をはじめとして、さまざまな不調の原因になります。
さらに、免疫の要である白血球が活性化しないので、免疫力低下を引き起こしてあらゆる病気に罹りやすくなります。

冷えの解消はいつ何時でも予防、健康維持のテーマです。
今はやりにウイルスにしても、万が一感染した時に、軽症で済むのか重症化してしまうのかという分岐点は、免疫力のレベル如何です。

この点でも、やはり冷え性は無関係ではありません。
そこで、冷えを和らげる3つの栄養素について解説します。
(文末に動画を貼付しています)

タンパク質

 冷え性に強い栄養素、一つ目はタンパク質です。

人体でもっとも多く熱を作り出しているのは、何と言っても筋肉であり、その筋肉の材料がタンパク質にほかならないからです。
熱の産生量の約60%が筋肉によるものです。

あくまでも一般論ですが、男性よりも女性の方が冷え性に悩む人が多い傾向にあるのは、筋肉量の違いが大きいと言われています。
ダイエットによるタンパク質不足もあるのかもしれません。

ちなみに、筋肉の次に熱を多く作り出すのは肝臓です。
残り40%の半分くらいだったと記憶しています。

つまり、筋肉と肝臓で人体は大半の熱を作っていることになります。

もちろん肝臓だってタンパク質が材料なので、タンパク質不足だと熱不足になることは容易に想像がつきます。

 タンパク質は肉類、魚介類、卵、大豆商品を中心に摂取してください。毎日意識して食べることが大切です。
3食意識して食べていれば、プロテインなどのサプリメントは必要がないと私は考えます。

タンパク質に関しては、以下の記事も参考にしてください。

鉄(鉄分) 

 冷え性に強い栄養素、2つ目はミネラルの一つ、鉄です。

筋肉や肝臓で熱が産生されますが、熱は細胞でエネルギーを生み出す際に発生します。 
エネルギー代謝は糖質や脂質を材料にして、細胞内のミトコンドリアという器官で行われます。

エネルギー代謝のプロセスで必要となる栄養素にビタミンB群やマグネシウム、コエンザイムQ10等があります。
が、それにも増して重要なのが酸素です。

酸素なしではエネルギーは作れず、私たちが呼吸で酸素を取り入れているのも、そのためです。
吸い込まれた酸素は、赤血球の中にあるヘモグロビンによって全身に運ばれますが、ヘモグロビンに酸素を結合する時に鉄が必要です。

鉄が不足していては、運搬できる酸素量が少なくなってしまいます。
引いてはエネルギー不足、熱不足を招きます。

とくに閉経前女性は月経時の出血で鉄が失われてしまうため、ほとんどの人が鉄不足だと言われています。
冷え性以外にも鉄不足はあらゆる不調の原因となりますので、積極的な鉄の摂取が必要です。

鉄を多く含む食品は、ダントツで鳥、豚のレバー。それに次ぐのが赤肉。
玉子やほうれん草、小松菜などにも含まれます。

 ビタミンE

冷え性に強い栄養素、3つ目はビタミンEです。

ヘモグロビン中の鉄に酸素を結合しても、そのヘモグロビンを含む赤血球が末端の細胞まで行き渡らなければ、やはりエネルギー不足、熱不足は解消されません。

赤血球を末端の細胞まで導くのは毛細血管です。
毛細血管の内径は2、5μm。それに対して、赤血球の直径は7〜8μmです。

普通に考えたら通過できませんが、赤血球にはアメーバのように形を変える変形能があり、スルスルっと通り抜けます。

それでも、冷えや心理的なものも含めて体がストレス状態にあると、交感神経の働きで毛細血管が収縮しますので、赤血球の通りが悪くなります。

そこで毛細血管の拡張に働くのがビタミンEです。

ビタミンEは神経系を正常に保つ役割があります。
血流が低下している場面では、血管の収縮を促す交感神経を抑えて、毛細血管を広げる働きをします。

それによって、冷え性の緩和のみならず、美肌効果や生理不調の改善なども期待できます。
とくに冷え性に悩む女性には、ビタミンEをしっかり摂っていただきたいと思います。

運動も大切

冷え性の緩和解消には、運動も大切です。

前半で、筋肉の材料はタンパク質だと話しましたが、材料だけ入れても自動的に筋肉量が増えるわけではありません。
やはり鍛えることによって筋肉が発達します。ですから、適度な筋トレが必要です。

ジムで筋トレの直後にプロテインを飲むのは理に叶っています。
筋トレ後(筋肉が壊れている時)はタンパク質の吸収が促進されること、体の中に蓄えている筋肉の材料(アミノ酸)が筋肉の合成に使われやすいことから、続けていると確実に筋肉量が増えてきます。

運動が大切であるもう一つの理由は、血流促進のためです。
ビタミンEで毛細血管を拡げて血液の流れをよくするという話をしましたが、そこに適度な運動が加われば鬼に金棒です。

一つ専門用語になりますが、運動すると心拍数が増えて血流が増加します。
すると、血液と血管の摩擦が増え、血管の内膜から一酸化窒素「NO」が分泌されます。

NOが血管の平滑筋という筋肉に作用すると、筋肉がゆるんで血管が広がります。このような理屈で血管がさらに拡がります。

この場合は、筋トレというよりは有酸素運動です。
もちろん家の中でこまめに体を動かす、エスカレーターを使わずに階段を上る、といったことでも大いに意味があります。

まとめ

冷え性に強い栄養素、1つ目はタンパク質。
人体でつくる熱の約60%が筋肉によるもので、その筋肉の材料がタンパク質だからです。

2つ目は鉄です。酸素なしではエネルギーは作れず、その酸素を赤血球中のヘモグロビンに結合する時に鉄が必要です。
鉄が不足していては運搬できる酸素量が少なくなりますので、引いてはエネルギー不足、熱不足を招きます。   

3つ目はビタミンEです。
ビタミンEは神経系を正常に保つ役割があり、血流低下の場面では、血管の収縮促す交感神経を抑えて毛細血管を広げる働きをします。

これらの栄養素を摂取することに加えて、筋トレと有酸素運動を組み合わせて、より効果を高めることが大切です。
 
 なお、記事内容については動画もアップしていますので、合わせてご覧ください。


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