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自炊男女必見? イマドキ心身不調と台所の意外なカンケイ(その1)

高橋照美です。
日本語の「その2」を書こうか、と四郎と相談していたら、「少し生活ベースの話をしてから、日本語その2、という順番で」と、彼が言いまして。
日本語は「省略できないことまで省略する」という仕様のため、言葉に言葉を足して説明すればするほど、読む人に負荷がかかると。

というわけで具体的なことに矢印を向けて、生きるデザイン「食う寝るところに住むところ」(←落語の「寿限無」)の中でも、食を整える「台所」について、少しお話を。後半有料部、あまりにも自炊オタクだぞお前、とのツッコミは勘弁してください(爆)。


カロリー過多のコンディション悪化

現代日本では、飢えて死ぬより、栄養素の偏りと心身不調を伴う肥満が問題になっています。カロリーだけは手軽に満たせるので。
するとまず確認するのは「おいしく、そして健康的に、ごはん食べれてますか」の部分。ということになります。

お客様先で「不調」という自覚のある社員・派遣さんは、73人に聞いたら全員が、「自分または同居家族の、調理の機能が著しく落ちている」という驚きの傾向がありました。

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……ただ実は、
「自炊と好不調と業務とメンタルの四要素は、にわとりと卵のように相関関係があるようです」と、この数字だけで述べることはできません。

同じく73人の《「好調」という自覚のある社員・派遣さんに聞いた結果》が、「調理の機能がほぼ満たされ」ていて、さらに意味のある差を持つかどうかの検定がなされてないといけないため。
定量調査でいう「対照群」と「有為差検定」の部分が、両方ないのですね。
悩ましいのですが「好調!」と答えてくれる人が6人ぐらいしかいないのです。つまりそもそも、対照群を立てられないぐらいみんな不調(!)

したがって、客観的な数的根拠(エビデンス)がない、読み物……とみていただければ。
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もうすこし突っ込んでみると、業務繁忙や人間関係のなやみなどをうまく仕切りなおせない状態では、人はどうやら無意識に「食」の質も落ちる傾向が、少なからず見られます。具体的には……

・カフェインやアルコールを取りすぎる
・甘くてコクのあるミルク・クリーム等、乳製品および油脂類を取りすぎる
・菓子パンや炭水化物などの糖質摂取に偏る
・味にメリハリとうまみのあるスナック類や甘い菓子類がほしくなる
・外食やコンビニ食が増える
 -調理や皿洗いの時間を惜しんだ
 -量が多すぎ、昼過ぎ眠気に襲われ仕事に支障
 -炭水化物と獣魚肉が多く、野菜量が減った

多い「食」の崩れの悪循環は、上記五つほどでしょうか。無意識の習慣で増えていく感じです。
これを総なめしてしまうと、「自炊する気になれない」とこぼす人がほぼ全員になります。

業務や人間関係ストレスで、ビタミンとミネラルが過剰に壊れていくところへ、さらなる食の崩れが重なります。代謝酵素を消化酵素が横取りしていくので回復が追いつかないイメージでしょうか。
それが、コンディションの悪化に拍車をかけることになっています。
「にわとりと卵の相関での悪循環」。仕切り直しがうまくいかないまま、これがぐるぐる回る感じなのです。

母数が少ないうえ、法人規模も業態も違うので、データとしての妥当性がないのですが、次のことも参考までに。異動や休職を打診する事態に至るのは、それでも73人の中の5%以下。広い広いグレーゾーンを、人は「不調」のまま、持ちこたえてしまうわけです。

自分の心身の健康を自衛する必要がある。それは、5%に満たない人事介入や産業医勧告を受け身で待っていては、手遅れのおそれがあるからです。

反対に「自分自身の高パフォーマンス」に対する自衛意識が、いかに薄いか。という観点に立ってみてもいいのかもしれません。
プロのフリーランスと比べては酷なのですが、心身の健康について無自覚・受け身な方は、予想外に多いです。

もしも、こういう傾向が「不安感・閉塞感」をつのらせていることに、今まで気づかなかったとしたら……
食生活をちょっと改善するだけで、仕事と暮らし全体に、気持ちのよさが戻ってくるのかもしれません。


コンディションの拠点、「自宅の台所」

食生活の改善は、たとえば

・冷凍野菜でもいいから根菜類を調理する
・外食やコンビニ食の提供量に惑わされず自分の体の声をきき、ドギーバッグなどによる持ち帰りも視野に入れる
・インスタント食品には(ネギでも白菜でもキャベツでも乾燥わかめでも)なにかひとつかみ、ビタミンとミネラルの足しになるものを投入する

食に関するこういった「小さな自律・能動」が、最初の足がかり。

そうするには、「自宅の台所」が、コンディションづくりの拠点

では、たとえばあなたの「自宅の台所」は使いやすいでしょうか?



《写真1》マンション・アパートによくあるシステムキッチン。

この写真の例ですと……
・五徳は二つ
・シンクはコンロの左側
・冷蔵庫置き場が左側
・食器を干せる吊り棚がつくりつけ(注:ただし皿は高いところに伏せるより、シンク横に干し場をあつらえたほうがいい)


《写真2》分譲マンションや戸建てによくあるシステムキッチン。

この写真の例では、
・五徳は三つ
・シンクはコンロの右側
・冷蔵庫置き場は右側あるいは、システムキッチンに向かって立った背中側
・食洗器(自動皿洗い機)が作りつけ(注:食洗器に入れてはいけない食器は別途どこかに干す必要あり)

ちょっと見だけでも、かなり違います。
(台所なんてみんな同じ、とか思ってた人、絶対いると思う!)

もしかすると、こういうちょっとした違いに阻まれて、「調理がめんどくさ」くなっていないか……?

これが、「動線」の問題です。
小学校の家庭科で習った記憶がある! という方もいらっしゃるでしょう。

脱線ですが、夫も妻も台所に立つ一戸建ての家庭では、案外「食洗器ゲンカ」の話題を聞きます、個人的に。二人の無意識の習慣がガチンコ勝負になっているケースですね。


ここから先の有料記事では、
・個人の「動きグセ」とキッチンが合わないと、どういうことになるのか
・賃貸アパートなど制限のあるつくりつけキッチンをどう使いこなすか
・冷蔵庫が小さく、野菜庫がない = 自炊する気が失せていた!
・なぜ一人暮らしこそ、野菜庫とフリーザーと鍋をつっこめる大きさの冷蔵庫が必要。だと言えるのか?

こんな小さなところから、
調理が楽しくてラクで、ごはんがおいしく食べられるヒント」を見つけてみようと思います。

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「最大値の2割」ぐらいで構わないから、ご機嫌でいたい。いろいろあって、いろいろ重なって、とてもご機嫌でいられない時の「逃げ場」であってほしい。そういう書き物を書けたら幸せです。ありがとう!