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誕生日&結婚記念日のドタバタ旅行記

6月初頭には連続でイベントがある。それがわたしの誕生日、そして翌日の結婚記念日である。パートナーの体調もあるので、毎年この時期はケーキを買って、結婚記念日の写真を撮影して終わり。ところが、今年は旅行に行こうという話になった。「行けばいーじゃん」と思うでしょう?病気と障害を持った電動車椅子で生活をしているパートナーにとって、長距離の移動というものは楽しさとともに体調悪化という二律背反のものなのだ。ケアするわたしも気苦労が絶えないしね。

でも、そんなパートナーからの申し出。そして、それはわたしにくれるプレゼント。それを無碍にできない。

「ヨシ、行こうか」

腹を括って、そして道中を楽しむべく私たちは旅に出た。行き先は静岡県下田、2泊3日の旅だ。まず向かうは東京駅。ところが初っ端から問題がある。パートナーの電動車椅子は特注で、折りたためると言えどちょっとデカいのである。50kgはある電動車椅子をタクシーに乗せるだけで一苦労なのである。そして、ときには乗車拒否を喰らう。2台目のタクシーで、やっと東京駅に着く。

東京駅に着くと、SNSで軽くバズった人が大勢で歓迎してくれた。それは、空也上人である。

空也上人たち
正体はJR京都のプロモーション活動

さて、次に行うこと。それは伊豆急下田駅まで電車に乗ること。これまた電動車椅子のデカさが問題になる。そして、長距離・長時間の移動はパートナーの体力をゴッソリ削る。楽しみが苦悶の表情になるかの第一関門である。まだまだバリアフリーが普及したとは言えない日本の電車。早く電動車椅子の人が気楽に旅行を楽しめる環境ができると嬉しいなぁ。旅行するのは健常者だけではない。多様性をもった人たちがいる。それをサポート・ケアできる環境ってどんな環境か想像して欲しい。それがバリアフリーの最初の一歩なのだから。という訳で、どうにか電車に乗車。乗るのは有名な「踊り子」。ついに本格的な旅が始まった。約3時間半の列車の旅である。

車内ではわたしが居眠りしたり、パートナーが楽しそうにこれからの話をしながら、愉快な時間が過ぎる。あっという間に伊豆急下田駅に着いた。

踊り子号
紫陽花が到着を歓迎してくれる
大ぶりな紫陽花

さて、下田駅についてまず行うのはレンタカーを借りること。ふふふ、自慢じゃないけどゴールド免許のペーパードライバーだぜ!6年ぶりぐらいの運転だぜ!不安しかないぜ!ということで、レンタカーで海へGO!目指すは白浜海岸。ここはパートナーが綺麗な砂浜と海を見たいというので、ノロノロ運転で向かいます。そして、海岸前のコンビニの駐車場に車をパーキングして海へ。

白い砂浜
青い海

コンビニで買ったコカコーラを手に海と砂浜を眺める。まるで夏のような日差しに目を細めながら。隣を見ると満足そうなパートナーの笑顔。来てよかった。運転は怖かったけど。あまりの太陽の熱さに30分ほどで、早々に退散。それでも潮風が気持ちの良い素敵なビーチだった。

次に向かう昼食を取るために道の駅へ。下田といえば魚、それも金目鯛。うまい金目鯛を食うぞーと一路、漁港に併設されている道の駅へ。そこで頼んだのが、こちら。

食券には「脂金目づけ丼」の文字が。
脂金目づけ丼が着丼!
たっぷり金目鯛が載っている。

プリっと食感、甘みのある身、程よいしょっぱさの漬けダレ。パーフェクトな脂金目づけ丼でした。海を見て、海鮮丼を食べて初日は終了。レンタカーを返して、ホテルの送迎バスに乗ることに。

ただ、話の食い違いがあった。マイクロバスの送迎で、バスの下にあるトランクに荷物と電動車椅子を入れるはずが、そのタイプのマイクロバスではない普通のマイクロバスが来た。これ、電動車椅子を載せられる?不安は的中。そう簡単には乗らない。それどころか無理矢理載せたもんだから、これが後々のトラブルの元になる。そうこうしているうちに宿に到着。車椅子を降ろして、組み立てている宿の人たちが困惑してるではないか。なんだなんだと近寄ってみると座面の下にある金属の筋交いが折れてしまっているではないか。あ〜あ、壊しちゃった。

宿の人が応急処置するが、これは乗れない
折れた筋交い

電動車椅子が壊れたとなると、パートナーは移動できないし、翌日からの観光ができない。その上、修理もしなくちゃいけないし、東京までどう運ぶんだとパニック状態。わたしもパートナーも宿の人も、みんなでパニック。とにかくチェックインだけして、ホテルのお偉いさんと協議。館内用の手押しの車椅子の貸し出しと、修理代はホテル側が持つことに。どうやら所属している保険組合がお金を出すことにOKを出したらしい。あとは、東京までどうやって帰るかが問題だが一旦ブレイク。大浴場で身体をほぐし、サービスのコーヒー牛乳でリフレッシュ。

サービスで牛乳かコーヒー牛乳が飲める

そして、夕食の時間である。なんかコースでいっぱい出てくる。なんかもうトラブルもあったし、夕飯もいっぱい食べたし、おなかいっぱいである。

お品書き
一口サイズながらも味わい深い前菜
いーせーえーびー
金目鯛の煮付け ホロッホロッの口溶け
デザート

そして、寝込むパートナー。彼女はもう限界である。おやすみ。良い夢見ろよ!

スマホのコードが点滴の管のように見える(笑)

そして、日が明けてやってきたのが誕生日。ありがたいことに皆さんから暖かいお祝いメッセージをたくさんいただきました。厚く御礼申し上げます。

みんなからお祝いされて嬉しかったです!

さて、誕生日を迎え、旅も2日目。水族館に行くぞー!と張り切ってみたものの、まず車椅子がない。そして、パートナーの体調が絶不調。朝飯ブッフェも食べに行けないぐらい、歩くことすらままならない状態。急遽、水族館行きは取りやめ。ホテルに交渉し、次の部屋に移るギリギリの時間まで部屋で休むことに。その間に電動車椅子の修理業者と連絡をとったり、パートナーの看病をしたり。

窓から見える風景

バタバタしながらも、ホテルのサービスを活用させてもらいコーヒータイム。何度コーヒータイムをとったかわからないぐらいコーヒータイム☕️

充実したフリードリンクのコーヒー類

まぁ、出かけなくても時間は過ぎるもの。あっという間に夕方。ロビーでホテルのお偉いさんと今後の話し合いをしていると目に飛び込んできたのが、ハッピーアワーの格安で生ビール。500円。もうこれは飲むっきゃないと話し合いが終わった後、部屋に戻るやいなや財布から千円札一枚だけ取り出し、それを握りしめてラウンジへ。

おつまみ三種付きで500円と格安
静岡の樽生、美味い

静岡産生ビールを一気に飲み干す。うまい。喉が潤う。ビール一杯ではちょっと足らず、何かないかと探しているとエスプレッソが飲めるではありませんか。エスプレッソをトリプルにして、部屋から見える小さな庭園でまたコーヒータイム。本当にどれほどこの日はコーヒーを飲んだかわからない。

濃ゆいエスプレッソがまた美味いことこの上ない

2日目の部屋は、露天風呂がついてるちょっとお高めのお部屋。パートナーも少し回復したので、交互に入浴。面白いことにこのホテルは、モチーフがカエルで、どこにでもカエルがいる。露天風呂の脇にもカエルがいた。

露天風呂
カエル様

ということで、2日目も夕食の時間に。これまたいろいろ出てくる。ただ、このいろいろ腹いっぱいになるのが、このあと重要なトラブルを巻き起こすことを私とパートナーは知らない。

なんか大層なお品書き
前菜 複雑な味がまた美味い
静岡の熱海地方と言えば本山葵
うし肉
金目鯛の揚げおろし
ご飯もミニお釜で。

しこたま食べた。食べに食べた。ところが途中からパートナーの様子がおかしい。明らかな体調悪化である。そして、デザートも食べ終わり15分ほど経ったころにパートナーが一言。

「限界、吐く…」

その言葉通り、パートナーは食べたものを戻してしまった。もうパートナーの体調はボロボロだ。

そして、不思議なことが。パートナーが使用している杖にはお守り鈴を付けている。吐いた後に気がついたのだが、その内の東京大神宮のお守り鈴の鈴の付け根の紐部分が刃物でスパッと切れて鈴がなくなっていたのだ。実は年始に東京大神宮に正月詣でしたときも、解けるはずのないお守りの紐がスルリと解けたことがあるのだ。厄落としなのかもしれないねぇなんて言いながら、2日目の夜はこうして、パートナーの体調不良と不思議なお守り紛失事件とともに更けていくのであった。

明けて3日目。わたしの誕生日の翌日は、結婚記念日なのである。ちょっと良いお宿に泊まったのも誕生日&結婚記念日という連続記念日だからである。そして、朝焼けもキレイに撮影できた。朝一のコーヒーも美味い。今日が旅行最終日。自然とチカラが入る。

山の間から太陽が顔を出す

朝食前にかなり時間があったので、最後の露天風呂を堪能。そして、朝ごはん。

たっぷり和定食

朝からボリューミーな量。お昼が食べられるか心配なくらい。しっかりと朝ごはんも食べ、パッキングも終わり、荷物の配送手配も完了しました。最後のコーヒーを飲んで、出発の時間を待ちます。

そして、ここから先はリアルタイム更新となります。イベントが起きるたびに写真と共に更新していきます。まずはチェックアウトの時間なので、最終日、気合いを入れて行ってきます!Live感をお楽しみください。

カエルがモチーフの良いお宿でした

ホテルを出発した送迎バスが駅に到着。さて、これからどうしようかな、と。本来の予定なら徒歩でもう一度、道の駅に行く予定だったけど手押しの車椅子で行くのは辛い。わたしも辛いが、パートナーは身体の痛みとダルさが酷すぎて行ってる場合でもない。ということで、道の駅は諦めて、下田駅周りで昼飯でも食べながらブラブラしようという話になりました。

しかし、朝食が多すぎて、昼飯がお腹に入らないことが判明。そこでカフェでコーヒータイムをとることに。

60年以上の歴史があるカフェ フロント
メニューの表面とロゴ
チョコレートパフェとアイスコーヒーのセット


カフェ フロントにはお土産屋さんも併設されているので、そこで山葵とお菓子を購入。そのあとにちょっとiQOS休憩をしていると、雨がパラパラと。しかし、あっという間に強い風を伴った本降りに。ギリギリセーフで伊豆急下田駅に滑り込み。

ということで、踊り子号に乗り込み一路、東京へ。美味しいご飯、涼しい風、最高の温泉。トラブルはたくさんあったけど、最高だったよ、静岡県下田。山も海もある良いところ。ありがとう、ホテルの人たち。

踊り子16号 15:08発 東京行き
なんかかっこいいから撮影した踊り子のロゴ

さて、あとは東京駅に到着するのを待つだけ。その間にどれだけパートナーの体調が悪化するか、それによって東京駅での立ち振る舞いが変わってくる。車椅子に痛みが少なく乗れるような体調ぐらいだと嬉しいなぁ。

というわけで、3時間半の電車旅が終了して東京駅に到着しました。気が付かなかったけど、座席の後部にこんな広告がありました。

静岡県下田市PRの広告ポスター

そして、今は喫煙所で一服中🚬

健康に悪いのは分かってるけどやめられない

さぁ、最後の難関。お家までのタクシー探しだ。突然の雨と退勤ラッシュの時間にぶち当たり、タクシーを待つ列はこんな感じ。

長蛇の列

30分ほどの待ち時間で、タクシーに乗れました。予想より早めに乗れたのでラッキーかな?あとはお家へ一直線です。

雨風で寒いというので、パートナーに着ていたシャツを渡す。意外と派手に風神雷神が踊り狂ってるシャツを私は着ていたんなぁ。

ということで、家に着きましたー♪誕生日&結婚記念日祝いの静岡県下田市への2泊3日の旅が終了しました。旅の間、トラブルがあったり、皆さんにお祝いしていただりして、とても記念になりました。また、この長い記事にもお付き合いくださり、ありがとうございました。また、トラブルがあってもパートナーと旅がしたいなぁ。

さて、旅行記は終了ですがまだやり残していることがありますね。そう、プチ・フランス語講座だね。今回は有名な愛の言葉「ジュテーム」を使った内容です。

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「ジュテーム」(愛してる)。有名なフレーズですね。今回からこの「ジュテーム」というフレーズを使いながら、「人称代名詞」を勉強していきます。まず、フランス語では「ジュテーム」をどう書くか見てみましょう。

Je t’aime.(ジュ テム)

Jeは「私は」という主語ですね。問題は、t’aime。これはte(君を)という代名詞で、目的語として使われます。この te は、あとに母音がくると t’ という形になって母音の e が省略され、後ろの単語とくっつくエリジオン(母音字省略)が起きています。

では、aimeは何かというとer動詞であるaimer(エメ 〜が好き/愛してる)というの一人称単数の活用されたものです。aimerの活用を見ておきましょう。

j’aime(ジェム)
tu aimes(テュ エム)
il aime(イレム)
elle aime(エレム)
nous aimons(ヌ・ゼモン)
vous aimez(ヴ・ゼメ)
ils aiment(イル・ゼム)
elles aiment(エル・ゼム)

er動詞の活用が基本なのですが、aimerという単語は母音から始まっているので発音がちょっと面倒くさくなっています。er動詞の簡易的な活用表もチェックしておくと良いですね。

er動詞の簡易的な活用表

まず、j’aimeですが、「ju aime」としたいところですが、エリジオン(母音字省略)が起きています。

そして、il aimeも「イル・エム」としたい所です。しかし、ilの語尾の l が、後にくるaimeの最初の母音と繋がって「イレム」となります。そう、「アンシェヌマン(つながり)」というやつが起きているのです。

さらに主語が複数になるnous, vous, ils, ellesの語尾の s は普通なら発音されないのですが、後ろに母音で始まる単語がくると、それとくっつき、しかも z の音になって発音されます。本来なら発音されない子音があとの母音とくっついて発音されてしまうことを「リエゾン(連係)」と言います。

ちょっと発音が大変でしたね。
でもこれで、je t’aimeの言葉の成り立ちがわかりました。主語のje + 目的語のte + 動詞のaimeという構成で「私は君を愛してる」という意味になるのです。

ということで文法的には簡単だけど、発音が面倒くさいer動詞のaimerでした。今回はここまで。それでは〜。

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