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キャリアパスとしてのジンジニア(採用担当)

Sansan株式会社の高橋です。

ジンジニア マガジン の記事として書いています。

「組織としてジンジニア(採用担当)がいるとどう嬉しいか?」ではなく、「エンジニアが採用担当にジョブチェンジするとどうなるか?」という観点で、私の経験をもとに述べていきます。

ソフトウェアエンジニア (以下、エンジニア) としてキャリアを積んでいるが、将来的にはほかの可能性も考えてみたい。という方に読んでいただけたら嬉しいです!

簡単にバックグラウンド

・一社目: 中堅SIerでパッケージ開発 & 導入
・二社目: B2B事業会社でWebアプリケーション開発
・スキルセット: C# .NET / Node.js / Vue.js / Elasticsearch / SQL Server / Azure (WebApps / App Service / Azure Functions / Service Bus / Queue Storage / Table Storage など)
・エンジニアとしての経験は6年弱ほど
・社内の異動で人事部エンジニア採用担当へ (異動の経緯は省略)

採用担当としての業務内容

中途採用におけるリクルーターと呼ばれる職種です。社内のニーズに対し、エンジニアを集めて、採用につなげる。そのために色んなアクションを取り組みます。
・新規求人オープン時の社内メンバーとのコミュニケーション
・候補者さんへの会社説明、選考でのコミュニケーション
・転職エージェントさんとのコミュニケーション
・スカウトのターゲッティング、スカウト文作成
・求人に対する応募や通過率などのメトリクス管理
・メトリクスや定性面に基づく選考プロセスの改善
登場人物についてはこちらの記事をご参照ください。

採用担当として得られた経験

社内を俯瞰で見られる
現職はエンジニア組織が複数に分かれています。またエンジニア以外も営業やマーケティング、そのほかバックオフィスなど多様な職種の方が働いています。どこがどう有機的に連帯しているのか、俯瞰で感じられます。また、「こういう人が欲しい」という現場からのニーズに対して、全社の人的、金銭的リソースから課題に向き合うことができます。これは経営に直結することです

プロダクトを使う側 (業務を執行する側) を体験できる
エンジニア時代は、B2Bだったこともあり「誰かの業務を改善するものを作る」でした。それら業務は机上ではシンプルに抽象化されたものでしたが、実際に業務を進めることで、シンプルにできそうに思えていたこともメチャクチャ複雑なことに気づきました(人事向けのシステムを開発していたことはありませんが、業務を回すというのはこういうことかと思いました。もしかすると、採用業務がとりわけ抽象化しづらいものなのかもしれません)。一見「こう変えたらシンプルじゃん」と思えることも、いざやろうとすると色んなものが抜け落ちる。 選考プロセスは何度もフローチャート化しようとしましたが、挫折しました。

「業務アプリケーションは細かくカスタマイズするのではなく、既存のパッケージに合わせるべき」という主張は昔からありますが、解像度を下げずに抽象化するのは非常に難しいことです。

もしまたプロダクトを作る側に回った際も、必ず役に立つ観点だと思います。

エンジニアリングで細かい課題を解決できる
業務側では、ちょっとした技術で解決できる課題がたくさんあります。GASで自動化スクリプトを作っただけで、まるで魔法使いのように崇められます。

ちょっと尖った(変わった?)人として認知される
社内外問わず「エンジニアから人事になったんですね!」とは色んな方から言われます。これは個人的な趣味ですが、私は興味深い人だと思われることが好きなので、自分を特徴づける要素としてのジンジニアというキャリアは快感です。

会社の面白さを語れる
これも趣味なのですが、私は自分が面白いと思っているものを語ることが好きです。私は現職が日本でトップクラスに面白い会社だと思っていて(なので在籍しています)、その面白さをたくさんの方に語ることができ、共鳴してもらえるのは気持ち良いですね。

会社のことを正しく伝えるのも難しいことです。それが候補者の方が魅力的に感じるように伝えられ、入社を決めてくれて、自社で活躍してくれたら、まー嬉しい。

どんなことが大変か

個人と対峙する
採用側からすれば多くの候補者の中の一人、しかし一人の人間です。ちょっとした雑なオペレーションが相手を傷つけたり、失礼に当たることになってしまいます。この事実にしっかり向き合い、コミュニケーションには常に気を張る必要があります。

細かい業務が多い
単純だが自動化しきれない業務がたくさんあります。私はそこまで苦ではないタイプですが、とくにエンジニアだと耐えられない方もいるかもしれません。

努力が報われないことがある
めちゃくちゃリソースかけて魅力づけした候補者が入社に至らなかった......なんて場面が数え切れないほど訪れます。もう少し細かいレベルでは、頑張ってスカウトを送ってるのに全然返信が来ない、なんてこともザラです。

エンジニアであれば、手を動かしたら何かしら成果物が生まれることが大半です (ソースコードを減らした場合でもコミットログが残ります; 成果が価値につながるかは置いておいて) 。しかし、努力したのに本当に何も残らないことが結構あります。それも、多くは自分の力ではどうしようもできないことです。

終わりに

と書いてきましたが、私は採用担当を生涯の生業にするかというとそれもまた違うかなと思ってます。採用担当の業務を残すのか、あるいはその観点だけを持って全く異なることに取り組むのかわかりませんが、いずれにせよ、いちエンジニアとしてでは得られない、かつ次に生かせる経験を積めていると実感してます。

というわけでマッチする方は多くはないと思いますが、ちょっとでも面白そうだなーと感じてもらえたら嬉しいです!

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