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【ベスト16敗退国その1】曖昧な記憶で振り返るカタールW杯2022

ようやくグループリーグが終わりましたが、寝れないのは変わらないですな。やはり仕事を辞めるべきだったと思わずにはいられません。

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アメリカ

グループステージからクオリティの高いサッカーを続けるも、オランダのファン・ハールの罠にハメられて轟沈しました。ただ、参加チームで2番めに若い陣容(1位はガーナ)の勢いそのままに、能動的にボールを握って勝負し続けるチームは非常に好印象でしたね。特に印象に残ったのは中央の3センター。中盤の底で相手を潰して機動力を生かして軽快にゲームメイクをするアダムス、テクニックと推進力でごりごりと前進していくムサ、縦横無尽の運動量と髪を星条旗色に染めたらフランス代表みたいになってしまったマッケニーの三連星は、誰がどこの位置にいても相互に補完できる能力の持ち主で、世界のどこを相手にしても五分にやれそうな感じでした。守備もリーム、ジマーマン、デスト、ロビンソンは相応に固く、特に左サイドのロビンソンは積極的な攻撃参加からUSAしていました。前線もプリシッチとウェア中心となり、スピードのある攻撃を続けて、相手DFをUSAさせましたね。ただ、センターフォワードがちょっと弱い感がありますな。オランダ戦で先発したフェレイラは存在感があまりなく、途中から出てきたライトは点を取ったもののあまり効果的な動きはできず。最後に出てきたモリスは3Aで37本塁打してそうな感はありますが、USAできそうな雰囲気はなし。怪我でオランダ戦は出られませんでしたが、周りを活かせていた万能型のサージェントも含めて、ここのポジションがよりグレードアップできると、4年後の自国開催でUSAできるんじゃないでしょうか。具体的に言うとバッカニアーズにいたグロンコウスキーのようにボールを受けた後に相手を引きずってでも前進できるTEが必要であり、先ごろ引退した彼をアメリカ代表に復帰させるためにトム・ブレイディが電話をかけてUSAさせるといいと思います。

・気になった選手 ジョバンニ・レイナ
今大会、前線の軸はプリシッチ、ウェアだったので、先発の機会はゼロでした。絶対的なキャプテンのプリシッチと、爆発的スピードを持つウェアがかなりいいので、出番はほとんどなし。怪我もしていたんですかね。ただ、ビハインドを背負ったオランダ戦では後半から登場。初見だったのですが、びっくりするくらいのチャカツキ系ドリブラーでした。親父のクラウディオは堅実なゲームメーカーだったのですが、ジョバンニはボールを持つと細かいタッチを繰り返して相手に突っ込んでいく特化型兵器として爆誕。ティモシーとジョージのウェア親子がパワーの違いはあれどスピードを生かしたアタッカーという同じ枠だったのと対象的に、親子でここまでスタイルが違うのも珍しいです。ただ、論理的なアメリカにおいてほぼ唯一カオスを生む選手ということもあり、次回W杯においても膠着状態ではジョバンニ・レイナサイコロを振り続けて当たりが出るのを待つことになりそうですね。たぶんそのサイコロ16面体とかですけど。

それはどう考えてもフランスのトリコロールだろ

オーストラリア

大陸間プレーオフを経て出場した今大会はデンマーク、チュニジアを連覇し、決勝トーナメント進出を決めるという快挙を成し遂げました。フランスにはエムバペ大先生にワンパンでボコられましたが、目立ったのは守備の強さ。ソウター、ロールズのCBコンビを中心に跳ね返し続け、アルゼンチン戦でもメッシパイセンの一撃にやられるまではよく守っていました。ほとんどの試合が劣勢で、うまく攻撃までビルドアップできることはなかなか難しかったが、それでも予選を通して鍛えたポゼッションをすることで一息つくことができて一方的なサンドバッグにならずに済んだのも大きかったです。その中心にいたのがアーロン・ムーイとジャクソン・アーバインという、見た感じはヤクの売人と常客という感じの、日本にはお馴染みの二人でした。ムーイは質のいいブツを用意してくれそうです。あとは、やはり日本にとっては今大会唯一J2に所属している選手であるミッチェル・デュークが得点を取ったのは非常に喜ばしいですね。清水、岡山で長くプレーしていて、もはや桐生第一卒業だと言ってもおかしくないくらいに日本に馴染んでいますが、馬力だけでサッカーやってたデュークがあんな技巧派ヘディングを決めるとは驚きの成長でした。やはり清水で枝村右WB、デューク左WBというファイヤーフォーメーションで鍛えた成果がありましたね。町田に移籍するという噂がありますが、ここはなんとかジェフユナイテッド千葉で夢を叶えて欲しいものです。

・気になった選手 クレイグ・グッドウィン
誰なんですか。アジア予選ではほとんど呼ばれてなかったのに(プレーオフのUAE戦では先発)、ワールドカップが始まると当然のように左サイドのMFとして3戦連続先発。エネルギッシュに守備に攻撃に走り回り、劣勢に陥りやすかったオーストラリアのサイドを活性化させました。それだけでなく、フランス戦ではクロスに合わせて、まさかの先制点。チュニジア戦では上げたクロスがDFに当たってバウンドし、それがデュークへのアシストとなるという幸運。さらには、アルゼンチン戦で途中から出てきて、やけっぱちで撃ったシュートがDFに当たってゴールに吸い込まれます。シュートって撃ってみるもんですね。ただ、それもこれも攻守に走り回ってサポートを続けたご褒美だったような気もします。爆発的なスピードがあるわけでもなく、特に目立ったテクニックがあるわけでもないですが、とにかく運動量豊富でした。本戦で先発になったのもそういうところを買われたのかもしれませんし、それは当たりましたね。今大会のラッキーボーイでした。でも、誰なんですか。

フランス相手にゴール絶頂ニキ

ポーランド

ベスト16まで行きましたが、ここが限界感がすごかったですね。グループリーグは苦戦の連続。メキシコには押されながらもレバンドフスキのPK失敗などもあって引き分け。次のサウジ戦ではレバンドフスキのW杯初得点を含む2点を取って一蹴します。アルゼンチン戦は0-2で負けている最中、フェアプレーポイントでメキシコを上回って勝ち抜けの状態が続きますが、途中でクリホヴィアクがイエローを貰うなど余計なことをしながら、最終的にサウジが点を決めて得失点差で勝ち抜け。ただ、次のフランス戦では攻め込む場面がありながらも一蹴されてしまい、ゲームオーバーとなりました。ともかく、ボールが前に中々行きません。世界最強FWレバンドフスキがいるのですが、個人の能力もそれほど高くなく、ビルドアップが整備されているわけでもないので、レバンドフスキにボールがいい感じで届くことは稀。なので、レバンドフスキがめっちゃ下がってボールを受けたり、単騎ドリブルで突っ込んでファウルをもらったり、めちゃくちゃ守備をしたりしなきゃいけないんですね。事情が事情なので仕方がないですが、一流画家に社内報のイラストを描かせているようなもので、もったいない感が半端なかったです。それでも文句も言わずに働いていたレバンドフスキはさすがですね。内心どう思ってるか知りませんが。彼も代表はおそらく最後なので、しばらくはポーランドは中々厳しい状況になりそうですな。

・気になった選手 ヴォイチェフ・シュチェスニー
とにかくシュートを撃たれまくるポーランド代表において、ひたすらゴールを守ったユヴェントスの守護神です。結果的にはけっこう点を入れられていますが、それ以上に止めまくっていて、シュチェスニーじゃなかったらもっとひどいことになっていたことは疑いありません。特にすごかったのはPKストップ。サウジアラビア戦ではPKをストップした上に、その後のシュートも弾き出し、アルゼンチン戦ではメッシのPKを止めます。ユヴェントス移籍後のPK阻止率は驚異の30%を超えるらしく、PKを3割止めてたらもはやそれはPKではないという感じですね。すごい記録です。シュチェスニーはプレー中、なぜかにやにやしてたりしてることが多いので、これでPKまで止められたりしたら、敵としては余計にムカつきますよね。そのにやにやスタイルが、パンチングして勢い余った手がメッシに当たってたのでPKを取られた理由かもしれません。めげずにこれからもにやにやしていて欲しいものです。

メッシ加害罪

セネガル

エクアドルとの死闘を制して決勝トーナメントに出たものの、そこにはイングランドが待ち構えており、爆死しました。そんなにたくさんは見れなかったですけど、いいチームでしたね。守備はクリヴァリが締め、攻撃は早めにFWを走らせる展開をメインにして、撃ち合いに巻き込むのが得意でした。しかし、イングランドには普通に対応されてしまいましたね。ゲームメイクらしいゲームメイクも特にないので、普段からプレミアリーグでそういうハイスピード攻撃に慣れてるイングランドにはお得意様だったかもしれません。また、中盤で、クヤテが怪我で初戦しか出れず、イドリッサ・ゲイェが累積でイングランド戦に出れなかったのは大きな影響があったと思います。そして何よりも、攻撃でマネがいないのはやはりクオリティを一段落としましたね。サールは頑張ってエースの役割を全うしていましたが、マネがいればもうちょっとやりようがあったのかもな、と思わざるを得ません。でもまあイングランドにはそれでも勝てなかったかなー。また、今回シセ監督はひたすら帽子をかぶっていましたが、日本との対戦がなかったのでそれほど弄られませんでした。次回のW杯ではもっと全面的にみなさんでイジってもらいたいものです。

ごはん、これくらいでいい?もうちょい盛る?

・気になった選手 シェイフ・クヤテ
特にプレーの面ではそれほど見てないんですが、初戦でフレンキー・デ・ヨングにアレをソレされて負傷退場してからずっと出てないんですけど大丈夫ですか。クヤテのクヤテ自身の無事を祈ります。

フレンキー・”ザ・タッチ”・デ・ヨング

その2はこちら!



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