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クラスの「優等生」と「おちこぼれ」が11年ぶりに再会したら、泣きそうになった話

専門学校時代の僕は紛れもなく「非リア」で「おちこぼれ」だった。
同級生とのセンスや実力の差を見せつけられ、卑屈になり、終いには学校も休みがちに。ゲーセンやパチンコに通う相当ゲスい日々を送っていた。

そんな生活を送っていたもんだから、同窓会にも呼ばれない、卒業後の同級生の進路も知らない。もはやクラスメイトの名前なんてほとんど覚えていない。

そんな暗黒の学生時代からもう11年。
先日仕事のご縁で同級生と会うきっかけができた。彼は自分とは対照的にバリバリと実力をつけ、学生生活を全うした「優等生」。卒業後も彼のホットなニュースだけはSNSを介して入っていた。

仕事の打ち合わせと、久々の会話。ほんの1時間ほどだったが、すごく有意義で懐かしい時間だった。時にグッと胸が締め付けられるような不思議な時間でした。

再会を果たした同級生のプロフィール

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彼は「抜け目のない人」だった。クラスメイトはもちろん教師の方とのコミュニケーションも取れ、コンペなどにも積極的に挑戦。賞を受賞するほど作品のクオリティも高かった。かといって天狗になることはなく、物腰は柔らかい。話せば「イイヤツ感」がひしひしと伝わってくる。11年経った今もその雰囲気は相変わらずだった。

卒業後は東京へ上京。バリバリと実力をつけ、2012年に独立。現在は拠点を名古屋に移し、グラフィック、WEB、ブランディングなど全国のさまざまなクリエイティブに関わっているようだ。

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最近では専門学校の非常勤講師を勤めていたり、第一子が生まれたり、僕の今の境遇とも近く、久々の再会で当時より彼との距離を近く感じることができた。

STUDIO GRUB WEBサイト


「めっちゃ久しぶり! 卒業以来やおな?」

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再会のきっかけはイラストの仕事を依頼されたこと。サクッと仕事の打ち合わせを済ませ、「あの子って今どんな仕事してるの?」「今もデザインの仕事してる同級生ってどれだけいるの?」など、自分には全く入ってこなかった同級生の近況情報を収集。10年も経てば当時の夢や心境、ライフステージも変わる。みんなそれぞれの道を歩んでいる話は、とても新鮮だった。

「ホントなんで学校来なかったんよ?」
「当時の俺は繊細なハートの持ち主やったんやさ(笑)
!学生生活を棒に振った後悔は今教えている生徒に伝えなきゃな
なんて当時の会話に花を咲かした。

もし、あの頃に戻れたなら…

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「僕らの代の卒業作品展のポスター」 Art direction by Kitao Tomohiro

卒業当時、就職活動に失敗、学校でも大した成果を残すことができなかった。挫折の悔しさをひっさげて地元へ帰るバスの中で泣いたのは、今でも忘れてない。

「いま当時に戻れたならきっともっと上手くできるはず」。ふとそんな想いがよぎった。もしかしたら学生生活を謳歌し「リア充」になれたかもしれない。成果をもっと上げられたかもしれない。考えるたびに胸が締め付けられる。

当時の「挫折の後悔」が今の原動力

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ただ、そんな後悔があるからこそ今の自分がいる。悔しい想いをして、地元で出直し。アルバイトをしながら、デザイナーとしての就職先を探し、おかげさまで「自分はデザイナーだ」と名乗れるほどには成長できた。

「逆に学生生活を全うしていたら、こんな原動力は生まれなかっただろう」
そう思えるほど、挫折を経験し、前を向いている「今の自分」が好きだ。

もし当時の自分に出会えるなら、「大丈夫、お前は何があっても立ち上がれる強い人間だ」と励ましてやりたい。

また近いうちに…ご一献!

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「過去には戻ることはできないが、当時の経験を未来に活かすことはできる」そう思いながら、11年前の自分の思い出し、少し泣きそうになった。

当時深めることのできなかった仲間との関係を、再び繋ぐ機会があるのなら、積極的にアクションを起こしたい。そう思えるほどパワーをもらえた小一時間だった。

また近いうちに、そんな昔話と未来の話を酒の肴に、改めてお酒を酌み交わしてみたい。

デザイナー / クリエイティブディレクター
竹本 純

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