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日本の政治家は、20年後をリアルに考えているか

衆議院選挙が近いので、今日もそんなネタです。
できればお付き合いください。
興味深く読み進められるように、頑張りますので。

最近は、いくつかの質問に答えれば
自分の考えがどこの政党とマッチしているのかがわかる
便利なサービスがネットで無料で試せるので、
皆さんも是非、いちどやってみてください。

なかなか面白いです。
私もいくつかやってみました。

ただ、ちょっと気になることがあるんですね。
それは「あなたが特に重要視する争点はなんですか?」
という選択肢の中に、
気候変動や、地球温暖化という項目がないのです。

なぜでしょうか。

この問題は、欧米では最大の争点の一つであるというのに・・・
日本は、欧米と同じ地球という星に存在している国ですよね?

私は経済の問題、教育の問題、原発の問題、
差別の問題、防衛の問題などなど、
様々な課題に興味がありますが、それらの根っこにあるのは
「地球温暖化の問題」なのです。

地球温暖化は何が原因なのか?
それは一言で言えば「人間の心」です。

人の心を利己的にし、
環境を破壊することを必然とする経済システムを人間は採用しています。
それが資本主義だし、
それが格差の問題を生み、格差は差別を生む。

経済は人に豊かな暮らしを熱望させ、それがエネルギーの需要を生み、
原子力を是とする意見を生むが、原発はCO2を排出しない代わりに
人間には制御することのできない放射性廃棄物のゴミを産出し、
また、冷却のために海の温度を直接的に上昇させている。

そういう構造があるからこそ、
私は様々な課題に関心を持っているのです。
課題は全部がつながっていて、
それらの集約される先が地球温暖化であって、
だからこそ人間は、これまでの考え方、
暮らし方を根本から変える必要がある。

それを可能にするには、価値観を変える必要があると思っているのですね。
日本ではまだ顕在化していませんが、
世界では、その変化はZ世代、genZと呼ばれる若者たちが牽引しています。

なぜなら、彼らは地球温暖化の被害をこれから誰よりも長く受ける、
被災当事者だからです。
この図式が見えているか、見えていないかで、
人の態度は大きく変わります。

できれば、あなたにもその図式が見えていていただきたいと
心から願います。
なぜなら、この問題は、すべての人が当事者だからです。

昨日のことですか。
この国の副総理大臣と財務大臣をやっていた
麻生太郎という政治家が、こんな発言をしました。

「暑くなった、温暖化した、悪い話しか書いてないけど、
 温暖化したおかげで北海道のコメはうまくなったろ?」

にわかに信じがたいのことなのですが、
どうやら本当の発言のようです。

地球が温暖化していくことで、
今まで寒かった地域では作れなかった作物が作れるようになっていく
ということは、気候学者たちも認めています。

それは「適応策」と呼ばれるもので、
変化してもう戻せなくなった気候の中で、
どうやって生きていくのかという方法です。

しかし、この地球上で生きている生物は、我々人類だけではない。
そのほかのたくさんの動植物や魚類などと共存して、
絶妙なバランスの上に、我々も生かされているわけですよね。

言い方は適切ではないかも知れないですが、
北海道のコメの味が美味くなったことが、
仮に気候の変化が原因だったとしたら、
北海道の米の味など、この地球全体の生態系の保全に比べたら
どうでもいいことなのです。

私のこの意見に違和感を感じることがあるとしたら、
それは物事の順番を理解できていないだけなのですよね。

もちろん、私は北海道のお米を否定しているわけではありません。
麻生太郎という人物の発言の内容の不適切さを指摘しているのです。

この際ですから、麻生太郎という人物を、
敢えてスケープゴートにしましょう。
政治家ですからね。ものすごく大きな責任がありますから。

彼は1940年生まれなので、今、81歳です。

人はなかなか他者の気持ちにはなれないので、
私が81歳の人の気持ちになるのは難しいです。
だからあくまでも想像するしかないのですが、
彼は20年後の社会をリアルに考えているでしょうか?

考えられる環境にあるでしょうか?

彼は世襲の政治家で、おそらく人生の中でお金に困った経験など
いちどもないことでしょう。
いま、若者や子どもたちなど、自分とはまったくちがう素性や世代の人々と
直接的に接する機会もほとんどないのではないかと思います。

けれど、政治家というのは、
その国の未来に大きな影響力を持ってしまいます。
だからこそそういう人には、
「今」だけでなく「これから」を想像する力がなければいけないし、
そういう人を選挙で選ぶという仕組みを採用しているからには、
私たちひとりひとりも、
同じ想像力を持たなければいけないということです。

若者たちには、自分たちが生きていくこの現実の社会を
リアルに想像して欲しいのです。
今日や明日だけでなく、20年後です。

20年後、具体的に言えば2041年。

あなたは何歳になっていますか?
どこで何をしているでしょうか?

そのとき、この社会はどんな社会で、この世界はどんな世界でしょうか?

リアルに考えて欲しいのです。
なぜなら、20年後の世界というもは、
20年経てば本当にやってくるからです。

麻生太郎に、その想像ができるでしょうか?

20年後、地球の気候は、残念ながら今よりずっと悪くなっています。
それは「その可能性がある」のではなくて、
「確実にそうなる」ということだと思った方がいい。

世界中の気候の専門家がそう言っています。
もちろん、懐疑論を展開している人もいますが、
彼らは気候の専門家ではないのです。

地球温暖化は、「平均気温」で測られます。
だから、いつも、あまり大したことのないように聞こえるのです。

例えば、今の温暖化防止の温度目標も、
産業革命前との平均気温の比較でプラス2度、できれば1.5度に抑える、
ということになっていますよね。

え?たったそれだけ?と思いませんか?
そう。それだけの差で、世界の気候が崩れていくのです。
もちろんこれは「平均気温」ですからね。

年収1億の人と、200万円の人がいれば、二人の平均は5100万円です。
では、そこに年収5100万円の人が二人いるのだ、と認識して
彼らと対すれば、まちがったことになるのは明白ですよね。

平均とはそういうものです。
言いたいのは、平均気温が0.1度上がることの大きさです。

今、地球の平均気温はすでに、1.25度上がっていて、
2030年には1.5度に達すると見られています。

日本では2050年までに脱炭素社会を実現すると方針を固めました。
脱炭素というのはカーボンニュートラルといって、
人が出すCO2の量を自然が吸収できる量と同じにする、
つまり増える量がゼロという状態にするということです。

で、もし、今日、今すぐに脱炭素が達成されたとしても、
世界の平均気温は2100年までに0.6度上昇してしまうと言われています。

一度出したCO2は、そんなに早くなくならないからです。

・・・・ということは、
2050年までに脱炭素を実現することは絶対条件だとして、
それでも気候の大きな変動と、それによって引き起こされる危機は、
もうすでに避けることはできないのであって、
今我々は、必死でその程度を弱くするための行動をしている、
ということなのだと思うんですね。

話を戻しましょう
20年後の世界というもは、20年経てば本当にやってきます。

当たり前すぎることですが、その現実をしっかり受け止めて、
今からその20年後をどんな社会にしたいのか、どんな世界にしたいのかを
若い人たちに、自分ごととして考えて欲しいのです。

その視点でみたとき、今はどう見えますか?
今、大人たちは何をしていますか?
今、政治の世界にいる人たちは、正しいことをしていますか?
今、企業を経営する人たちや、その企業に投資をする投資家たちは、
正しいことをしていますか?

私が思うに気候変動対策に、
「できなくても仕方がない」という考えは、あり得ないのです。

だって、それをやらなかったらどうなりますか?
それに、今、それを決めた人たちは、あと何年生きて、
あと何年、この地球の上に存在するのですか?

我々は今、未来を考えなければいけないのです。

ハッキリ言いますが、
多くの大人たちにとって、それは自分が死んだあとの世界の話です。
でも、だからといって、いや、だからこそ、
自分は知ったこっちゃない、なんて態度はあり得ないのです。

それは、若者や、子どもたちや、これから生まれてくる世代を
犠牲にする、見殺しにする、と言っているのと同じことなのです。

前述の麻生太郎の言葉。

若い人たちは絶対に忘れてはいけません。
そして、選挙とは、「正しいリーダー」を選ぶためにあることを
忘れないで欲しいのです。

正しいリーダーにもいろいろあるかの知れません。
しかし、人類の未来については、それはひとつしかないのです。
気候変動にしっかりと向き合い、取り組む人間です。

気候変動のことを真剣に考えれば、
そのためにやるべきことと、
やってはいけないことがわかってくるはずです。

よね?

そうしたら、もう一度考えてください。

今、大人たちは何をしていますか?
今、政治の世界にいる人たちは、正しいことをしていますか?
今、企業を経営する人たちや、その企業に投資をする投資家たちは、
正しいことをしていますか?

正しい人を選ぶのは、あなたです。
誰を選ぶべきか、選ばないべきか。

若者たちにとって、これから生まれてくる世代にとって、
素晴らしい未来を作っていきましょう。

極端に言えば、大人の役割は、それだけなのです。

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