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子どもと関わる本3冊

中脇初枝さんの『君はいい子』(ポプラ文庫)は、同じ町、同じ雨の日の午後を描く連作短編集。子供を愛せない、親を愛せない、それぞれの理由。親子だから愛情があって当然と思えるのはたまたまであって、必然ではない。抱えてしまった傷を癒すのは、ちょっとした行動やさりげない一言。この本を読んでから、「いい子」って誰にとっての「いい子」なんだろうと考え続けている。映画もオススメ。


図書館での児童向けサービスの充実に長年尽力し、うさこちゃんやパディントンの翻訳や創作など、児童文学の世界でも第一線で活躍を続けている松岡享子さん。今までの活動を振り返った『子どもと本』(岩波新書)で、本を通じて子どもと関わることの楽しさと大切さを教えてくれる。

さくらせかいさんの『いしゃがよい』(福音館書店)は、主人公のエンさんとパンダのファンファンの物語。互いを思いやる優しさが、柔らかくリズミカルな文章で描かれていて、子どもが小さいときに読み聞かせしていてついうっかり自分が涙ぐんでしまった、思い出深い作品。ハンカチの用意をお忘れなく。



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