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私は、「粋」という言葉が大好きで、「粋な瞬間」に出会うと、テンションマックスになります。

そしてこの粋というのは、英語に訳すのもなかなか難しい。
日本語・日本文脈独特の感覚だと思います。

今日は、粋だなと思った出来事を2つご紹介します。

1つ目は、シンガポールでの料理屋(お店の主は日本人の方)での出来事。

シンガポールの多くの料理屋は9:30にはラストオーダーがかかりますが、そのお店に9:40分ぐらいに到着。

それでも快くお店に入れてくださいました。

食事を終えると、お店の主が、
「お疲れ様!」という挨拶と一緒に、メロンを出してくれました。

「小さいメロンだけどさ〜、今日は、遅く来てくれたから、まあ、メロン食べっててよ。」と。

私たちが入店した時にはキッチンも片付け始めていたし、お店のスタッフも早く帰りたいはずなのに、メロンを出してくれて、「今日は、疲れている中、遅く来てくれたから、メロン、どうぞ!」と。こう言えるのは、カッコイイ、粋だなと思いました。

そしてもう1つも、シンガポールでの話。
シンガポールでお世話になったAさん(こちらも日本人の方)が、私と同僚を日本食レストランにに連れて行ってくださいました。
 
そこは日本酒の種類が豊富なレストランなのですが、シンガポールは税の関係でとにかくお酒はとても高価!

当時私はまだシンガポールに着任したばかりで、日本での日本酒の価格帯に慣れていたので、シンガポールのお酒(特に日本酒)はより一層高く感じていました。

Aさんの勧めもあり、日本酒をみんなでいただきました。
そして食事が進んでいく中で、お酒も何杯かいただき、お酒がなくなりました。「もう1本いかがですか?(よかったら選んでください)」とAさんから言われました。

日本酒の値段はそこそこ高いので、遠慮する気持ちの方が大きくなり、「たくさんいただきましたので、大丈夫です。ありがとうございます」とお伝えしました。

お恥ずかしいことに、おそらく、その「遠慮した」感じがAさんにも伝わってしまったのだと思います。

とっさにAさんは

「私がもう少し飲みたいので、ぜひ葛山さん、もう1本選んでください」

とおっしゃいました。

な、なんと!粋な!

と思い、同席していた同僚もものすごく感動していました。

粋な一言・動作というのは本当に人としてかっこよいですね。その場に、とても凛とした清々しい空気が生まれます。

相手へのさりげない気配りというのでしょうか。

この記事を書きながら、茶道の「和敬清寂」という言葉が頭をよぎりました。

生きる上でも、仕事の場面でも、粋なふるまいを目指したいです。

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