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【中学受験ネタ】新聞係

三、四年生まで国語が得意だった息子。
ところが五年生になって、語句や漢字を筆頭に全然点数が取れなくなった。
よく考えたら、四年、五年前期で国語をまったく勉強していなかった。

幼稚園の頃からパソコンに文字を入力していたので、手書きの入力に抵抗があったのだろうか。
とにかく学校の漢字の書き取りの宿題は、言われるまでしない。
手を動かすことをほとんどしなかった。

そのせいか、五年前期になって成績が低迷した。
書く作業をしないので、漢字間違いや、字が汚くてバツというのもしょっちゅう。
低迷の原因は国語のみ。他は普通だったが、国語が他の偏差値より10くらい低いこともざら。
これではまずいと、頑張ってプレゼン資料まで作って、書くことの重要さ、手を動かすことの重要さを丁寧に説いた。
そこまでしたら、やっと理解してくれて、真面目に書くことをするようになった。同時に国語の読解問題も必ず朝やるようになった。
すると、国語の成績も徐々に上がって行き、そこまで足を引っ張るようなことはなくなった。最近では、たまに他の教科を助けることもある。

さて、ここからが本題である。
息子は新聞係になったそうで、仲の良い数人と新聞や読み物などを作っているらしい。
鉛筆を持って書くことが大嫌いだった息子が、ここまで書くことをやってくれるようになったかと内心喜んでいた。

ただ一つ問題が出てきた。
息子が自分たちの執筆したリレー小説を「お父さん、読んで」と持ってくるようになったのだ。
詩歌応答じゃあるまいし、そもそもプロでも難しそうなリレー小説なんて、もう○○に決まっている。
しかし、せっかく書く喜びを覚えた息子の文章を酷評したら、やる気をなくしてしまう。
とはいえ、読んでいると、ツッコミどころがあり過ぎて、ストーリーがあまり頭に入ってこない。
とりあえず頑張って読破して、「面白いねえ」と当たり障りのない感想を言った。

これで終わったかと思ったのだが、気をよくした息子はさらに続きを書いて「続きを書いたよ」と頻繁に持ってくるようになった。
その都度苦労して読破し、「この部分いいねえ」とか「マジかあ」とか「このオチは微妙だね(ちょっと批判してテキトーじゃないアピールテク)」とか、バージョンを変えて感想を言う日々が続くようになった。

このなんとも言えない負の連鎖は、6年生に進級するまで続きそうだ。


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