キレイの素は、幸福ホルモン。(が足りない)
ダーリンとくっつくことは自然で安心で幸せで、ストレスが洗い流されて疲れが取れて元気が出てくる。顔も明るくなるし、肌もつやつやしてくる。
この本によると、「β-エンドルフィン」「オキシトシン」という幸福ホルモンが分泌されているからとあった。この2つのホルモンは安らぎを感じる「セロトニン」とは別格の桁違いのパワーがあるそう。
ダーリンとのセックスで利害関係を感じたことは一度もない。
普段の関係とセックスはつながっているんだってことに気づいた。
普段の関係で不満や利害関係にあればそれはセックスにも反映されてしまう。どちらかだけが大きくなってしまう関係はフェアじゃない。
こころから満たされて幸福ホルモンが分泌されるセックスに必要なものは「安心」だということをこの本を読んで再確信した。
著者の綾屋さんは、小さいころから人とのつながりにくさを感じて過ごしていて、初めて心を開くことが出来た人と結婚することになり2児をもうけるも旦那のDVやアルコール依存症により離婚を決断する。
自身の幼少期から離婚に至るまでのこころの葛藤や動きを、細かく描写していて読んでいて苦しくなった。
だけど、自分の弱さからくる結婚への憧れや逃避感は共感するものがあった。
自分の居場所が欲しくて、依存していく感覚はよく分かる。
人生経験が少ない20代前半なんて、知っている世界が狭すぎる。
ここしかない、って簡単に思い込んでしまえる。
一番こころに残った箇所は、旦那さんと付き合っている頃のキスの話。
初めての彼、初めてのキスは最初は優しかったけれど、だんだんと「食べられちゃいそう」と思うような荒く激しいものに変わっていったという。
生理的に「嫌だ」と思ったけれど、そんなものかと思い、相手に伝えることはなかった。冷静になって振り返ると、この頃から相手を支配する欲があったということが分かったという。
頭では「この人が好き」と思っていても、身体の反応は正直だなって思う。
本の中での夫婦の関係は、まったくフェアじゃない。
完全に夫に支配されている関係が続いて、綾屋さんはボロボロになっていた。こころの繋がりはとっくに無くなっているのに、身体の繋がりを断つことが出来なかった苦悩の描写は読んでいて苦しくなった。
この本は、自身のお子さんに向けて書かれた作りになっている。
対象は中学生向けのよりみちパン!セのシリーズ。
中学生が読むにはちょっとヘビーかもしれないなと思ったけれど、人を好きと思い込んでしまう心の動きや、利害関係のあるセックスについて現実を知るにはいい教材だと思った。
その後綾屋さんは、現パートナーである脳性まひのある小児科医のくまちゃんこと熊谷晋一郎さんと出会い、「安心」あるつながりを体験することになる。
くまちゃんとのつながりの様子は、読んでいるだけで温もりや優しさをかんじてとても温かい気持ちになった。
セックスってこうゆうことだよな、って共感した。
一方的な快楽だけのセックスは恐怖でしかない。
お互いに安心して、労わって、優しさや安心感で包まれて幸福ホルモンが分泌される行為でなくてはならない。これに違反するものは許さぬ。
年末の超多忙期、ダーリンに会えもしない、幸福ホルモンも足りないわたしの嘆きでした。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?