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街を出てみよう

本当に必要なものだけが荷物だ。
そうさ。
これは俺みたいな旅人だけに言えることじゃない。
すべての奴らに言えることだ。
もう一度言おう。
本当に必要なものだけが荷物だ。
          忌野清志郎


旅に出たいと思う。

ずっと思ってはいる。
何年も前から。

それなりに旅行や研修には参加させてもらっている。

それはそれで、とても有意義であり、楽しくもあり、毎年楽しみでもある。

でも、旅にでたいんだ。

旅と旅行の違いというか・・・。

明確なものはない。
ただ、感傷なのかもしれないが、旅には孤独もある気がする。
旅は、目的地がどこそこと明確でない気がする。
いや、目的地は決めているのだが、そこに行くことが目的なのではなく、なにかをみることが目的なのではなく、そこへ向かい、そこにいて、そこから戻る、その間に起きる出来事より、「行って・いて・もどる」のことに重きがあるような気もする。
もちろんその土地々々の名物を食べたり、名所に行ったりするのも大事だし、それがなかったら、これまた不満たらたら。
なんか、うまく言えないが、旅に出たいと思っている。

気まま。

この言葉が当てはまるものを望んでいるのかもしれない。

家でもできることなんだが、家だとできない。

ずっと、そんな旅がしたいと思っている。

直接「旅の歌」ではないのだけど、この吉田拓郎の歌を聴くと、旅への思いがより強くなる。
こんな画を描けるような旅ができたらって。

こうき心    吉田拓郎
(作詞・作曲:吉田 拓郎)

街を出てみよう 今住んでるこの街が
美しくみどりにおおわれた
心のふるさとだったとしても
街を出てみよう
汽車にのってみよう

話をしてみよう 今話してるその人たちが
やさしく心をうちあけた
あいすべき人たちだったとしても
話をしてみよう
知らない人の中で

恋をしてみよう 今恋してるあの人が
これこそ私の心の人と
信じれるすばらしい人だったとしても
恋をしてみよう
もう一度すべてをかけて

なみだを流してみよう 今悲しみの中にあっても
なみだをこらえて生きてゆく
強い人間だったとしても
なみだを流してみよう
ひとみを濡らしてみよう

雨にうたれてみよう 今しあわせにひたりたくても
またくる人生の街角で
本当のしあわせをみつけるまで
雨にうたれてみよう
外は雨がふっている

変化がほしいのかもしれない。
変化を感じることのできな無いそんな感性の働かない自分をどうにかしたいのかもしれない。

自分がいま生きているというアリバイが欲しいのかもしれない。
理由ではなくて、理屈でなくて、旅をすることで、旅に自分の人生を投影できるのではないかと淡い期待を持っているのかもしれない。

ただ、一人で、縛りのない時間を過ごしたいのかもしれない。
関係性や仕事や立場や時間、そんな社会的なすべてのカテゴリーから解放されるのではないかという勘違いをしているのかもしれない。

旅になにを求めているのかがわからない。

ただ、漠然と「旅に出たい」と思うだけだ。

荷物は何もいらない。
ある程度のお金があれば。

なんてわけにはいかないな。
それができない。

スマホがあったほうが便利だし。
何かあったときに連絡が取れるようにして置かなければならないし。
この時点で、もう旅ではなくなっている。
連絡がと取れる、を気にして、仕事・人間関係を背負ってしまっている。

全部が全部というわけにはいかないので、それは譲るとして。
では、他に何を持っていこう。
自分にとって「本当に必要なもの」。

清志郎はこの文章の中で、彼にとって本当に必要なものを形で語っていない。
「それはギターさ」と言いそうな清志郎だけど、ギターさ、とか、〇〇のレコードさ、とか、お金さ、とか、もっと言えば、ハートさ、思想さ、魂さ、なんてことですら語っていない。

本当に必要なもの、それは何でもいいんだな。

その時その時変わってもいいんだな。

本当に必要なものがなんだかわからないから、その時必要なものを持って旅をしている。
そして、やっぱこれ必要なかったな、と気付かされる。

本当に必要なものを持って旅に出るんじゃないんだ。

本当に必要なものを見つけるために旅をしてみるんじゃないかな。

時にはカバンいっぱいの荷物を持って。
カバンもいっぱい持って。
一つずつ捨てていって。

で、大事なもんを捨てちまった!ってあせって取りに帰って、そいつを拾ってまた歩みだす。
結局そいつは必要なかったりする。

重いだけだったぜ。。。と、がっかりする。

そんなことをするのが旅なのかもしれない。

旅にでてみたい。

本当の旅に。

人生が旅だというのであれば、それもわからないでもないし、ますますその人生というのを感じられる、想起させられる、そんな旅がしてみたい。

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