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新しい記憶を作るたびに脳細胞が損傷することを発見 アルバート・アインシュタイン医科大学

アルバート・アインシュタイン医科大学の研究によると、長期記憶を形成する過程で、DNAの損傷と脳の炎症が必要不可欠であることが明らかになりました。この驚くべき発見は、学術誌「Nature」にて公開されました。

研究チームは、記憶の中心である海馬領域の特定の神経細胞において、刺激がDNA損傷と修復のサイクルを引き起こし、これが安定した記憶集合体を形成することを発見しました。記憶集合体とは、私たちの過去の経験を表す脳細胞のクラスターです。

研究者たちは、マウスに軽度のショックを与えることで記憶形成メカニズムを発見しました。その後、海馬領域の神経細胞を分析し、重要な炎症シグナリング経路に関与する遺伝子が活性化されていることを確認しました。

さらに詳細な分析により、DNA損傷によって生じたDNA断片などが細胞核から放出され、その後、神経細胞のTLR9炎症経路が活性化されました。この経路は、通常、細胞分裂を調整するための中心体という細胞小器官でDNA修復複合体を形成するよう刺激します。しかし、分裂しない神経細胞では、刺激された中心体がDNA修復のサイクルに参加し、個々の神経細胞を記憶集合体に組織するように見えました。

この画像は、学習中に DNA 損傷を受けたニューロンの核から放出された断片、つまり DNA (中央右の大きな白い点)、ヒストン (紫)、転写因子 (赤と緑) を示しています。(ラドゥロビッチ研究所)

この研究は、私たちが日々情報に溢れる環境にある中で、記憶を形成し、新たな刺激に対する抵抗力を持つ神経細胞の重要性を示しています。記憶形成には、神経細胞の損傷という、予想外のプロセスが関与していることが、この研究によって示されました。

詳細内容は、アルバート・アインシュタイン医科大学が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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