ビートルズの曲で20個選べってなったらこうするね
ビートルズは、言うまでもなく、史上最も偉大なバンドです。
ビートルズの凄さなんて探したら本当にキリがありませんが、2000年生まれという、まったくビートルズ世代じゃない僕視点で言えば、名曲の数と、曲調の豊富さが凄いと思います。
彼らはデビューから解散までの8年間の間に、213曲もの曲を残し(!?)、そしてその多くが、いま聴いても楽しい名曲です。そして、いくら聴いても飽きません。
そんなだから、若い人にももっとビートルズを聴いてほしいのですが、ここである問題があります。それは、
ビートルズの”正しい聴き方”問題です。
ビートルズを聴く際に、順番は非常に大切です。
僕の場合は、最もポピュラーなベストアルバム”1”から入ったあと、いきなり事実上のラストアルバムである「abbey road」を聴いてしまって、結構な後悔をしています。
ビートルズファンから言って最も無難な聴き方は、デビューアルバムの「please please me」から、「let it be」そして「abbey road」という、オリジナルアルバム(時系列で)順番に聴くという方法です。
しかし、正しい順番で聴くべき!といっても、ビートルズのオリジナルアルバムを全部聴くのは流石に骨が折れます。
また、そこには有名なシングル曲(hey jude とか i want to hold your handとか)が収録されていません。
そこで今回は、ビートルズを聴いたことがない人のために、今聴いても楽しく、かつビートルズというアーティストの説明になり得る20曲を選んでみます。ビートルズの曲を20曲に絞るなんてことが正気の沙汰でないことは重々承知の上で、なんとかチャレンジしていきたいです。
1.I saw her standing there
最初はやっぱりこの曲なのでは。さすがにいくらデビュー曲だからといってラブ・ミー・ドゥーを選ぶのはちょっと抵抗あります..それよりかはビートルズの歴史の幕開けを高らかに宣言するかのようなカウントから始まる、このノリのいいナンバーが相応しいかと。
2.Please please me
この曲が全英チャートの一位を獲得したことにより、ビートルズは一躍スターとなったのですが..ここで一つトリビア。1分26〜34秒のジョンの歌声に注目!
wa no i @wQ/?? try girl ... カフォンww
そう。ジョンレノン、歌詞間違えた挙句笑っちゃってるんです。知ってましたか?
3.All my loving
初期の楽曲のなかでもとりわけファン人気が高く、それでいてファンじゃなくても楽しめるというメチャクチャ優秀な曲。
山崎まさよしがカバーしていたバージョンがめっちゃオススメなので、よかったら聴いてみてほしい(なんとポール本人の前でも披露している!)。
4.A hard day's night
この曲を入れないわけにはいかないでしょう。この曲でビートルズにハマったという人も多いのではないでしょうか。(僕もその一人です!)
”例の”イントロから終わりまで全力疾走で駆け抜けていく、最高に気持ちいい一曲ですね。
5.I feel fine
これは個人的な好みで入れさせてもらいました。
僕のなかで最もカッコいいビートルズソング。落ち着きのある引き締まったこの曲のクールさは何度聴いても色褪せません。
どこかの音楽評論家が、レインはレボルバーを要約した曲であると言っていました。的確であると思います。僕は加えて、ハード・デイズ・ナイトを要約した曲がこの、アイ・フィール・ファインだと言いたい。
6.Help!
ビートルズのなかでも屈指の、聞いたことある!率を誇るこの曲。
聴くたびに最初の掴みの完璧さに驚かされます。あんまり指摘されないですけど、この曲は絶対イヤホン推奨。リンゴのドラムがメチャクチャいい仕事してます。あと今思ったんだけど、NIRVANAの”Rape me"ってカートコバーンによる”Help!”ですよね。
7.You're gonna lose that girl
これはオススメ!ジョンのクールさ、コーラスのフレッシュさといった初期の魅力と中期のメロウな味わいが最高の形で嚙み合っていると思う。ベスト盤に入ってないので聞き逃している人も多いのでは?
8.Drive my car
これまで、結構な数の名曲を黙殺してきました。she loves you しかり I want to hold your hand しかり。ファンのなかには、なんでtwist and shoutが入ってねーんだ!という意見もあるでしょう(カバー曲は入れません)。
これまでのビートルズには、さほど曲調に変化が感じられませんでした(だから似たような曲調同士はどちらかを切り捨てねばならなかった)。しかし、ここからビートルズの音楽性は変化を続けていきます。
それを決定づけたのが、ラバーソウルです。
加えて、これまでビートルズを引っ張ってきたのはジョンでしたが、ここら辺からポールマッカートニーという、ロック史上最高のメロディーメーカーが真価を発揮し始めます。
このメロディ、このボーカル!(ソウルとかそこら辺の影響をバリバリ受けてる)リアルタイムで聴いた方の衝撃はいかほどのものだったのか..
9.Norwegian wood
ラバーソウルのなかで最も、これまでのビートルズとは違う!と思わせる曲がこの曲。
余談ですけど、YouTubeの公式チャンネルのコメント欄にはこの曲の感想そっちのけで、”例の小説”の感想が沢山あるんですが、作品の内容には実はそこまで関係がなかったりします。
ちなみにその小説が気に入った方はビーチボーイズの”神のみぞ知る”を聴いてみてください。世界観が滅茶苦茶似てます。
10.Nowhere man
1964年、ビートルズ(特にジョン)に決定的な出来事が起きます。フォークの神様、ボブディランとの出会いです。これによって今まで単なるラブソングを書いてきたビートルズにある種の文学性が付与されることになります。その転換点となったのがこの曲。深遠さを探し求めた結果、辿り着いたのは自分自身だったということに気がついてくれたというか、気づいてしまったというか...
11. In my life
ビートルズの名曲ランキングなんて選出者の好みがバリバリにでます。なんでこの曲がこの順位?となることもしょっちゅう。そんなビートルズソングランキングのなかで、どんなときでも必ず五位以内に食い込むのがこの曲。
ビートルズマニア現象など一通りの騒ぎに揉まれたビートルズは、ここら辺で彼らの音楽人生は一つのピリオドが打たれた感じがしますが、それを表すかのような名曲です。
12.Eleanor rigby
僕のように”1”からビートルズに入った人にはわかると思います。この曲が流れてきたときの衝撃が。
悲壮感全開のストリングスと陰鬱なボーカルからなるこの曲を聴いたときは思わず耳を疑いました。
この曲が収録されている”リボルバー”は、実験作として名高いです。そして収録曲のなかには、曲としての完成度は正直低いと言わざるを得ないものもあります。
しかしこの曲は違います。実験作ではあり、ちゃんと名曲。クオリティの高さでいえば五本の指に入るかもしれません。
13.Strawberry fields forever
ビートルズ史上最高傑作とする人も多い名曲。当時はドラッグカルチャーの全盛であり、それにともなって、ミュージシャンも、LSDなどから得られる幻覚作用を楽曲に投影していました。ジミ・ヘンドリックスの”パープルヘイズ”なんかはその代表例。Lucy in the sky with diamondsに至っては曲の頭文字が”LSD”になってます。ジョン自身は別に意識はしていないと言っていますが流石に無理があるのでは..
14.I am the walrus
これは個人的な好み。先ほど言ったドラッグからの幻覚作用がもっとも色濃く表現されているのがこの曲。こんなヘンテコリンな曲を成立させてしまうのが、ジョンレノンという男です。
ちなみにこの曲は、ビートルズフォロワーとして有名なイギリスの国民的バンド、オアシスがよくライブでカバーしていたことでも有名です。まるで自分の曲かのように歌いこなすリアムギャラガーのボーカルは圧巻。
15.Black bird
言わずと知れた名曲。この曲が収録されているホワイトアルバムは、僕がビートルズのなかでもっとも好きなアルバムですが、その一因として、ポールの作曲センスが神がかっていることが挙げられます。足元にマイクを置いて靴で床を叩く音を録音してるんですのがホントに憎いですよね。
昔NHKで放送されていた”ビートルズのすべて”という特番のエンディングでこの曲が流れたのが、今でも心に残っています。
16.Helter skelter
あっっっっさりした曲が多いこのホワイトアルバムにおいて(これは、ホワイトアルバム制作以前、ビートルズがインドに長期滞在しており、アコースティックギターのみで多くの曲を書いていたことに起因する)、異彩を放っているのがこの曲。当時はジミ・ヘンドリックスの登場によってハードロックの歴史が幕を開けたタイミングで、ポールも彼に大いに感化されたのでしょう。
この曲は確かに激しい。しかしこの激しさは、”鬱”からくる類の激しさにち近いです。そういう点において、ニルヴァーナの楽曲に近いし、このアルバムのコンセプトに実は収まっていたりします。
ヘビメタの先駆!とよく呼ばれますが、個人的には”グランジの先駆”の方が近いのでは?なんて思ってます。
17.Happiness is the warm gun
個人的に推しのYer bluesの代わりにコレを。もうね、この一言に尽きる。
カッけぇ
あのね、僕ジョンレノン好きじゃないんですよ。何なら嫌いなんですよ。でもね、やっぱこれはカッコいい。ジョンレノンって男はね、数少ない本物のロックンローラーだったね。
18.Across the universe
この曲はいつ聴いてもいいですね。ストベリー・フィールズ同様、ジョンの最高傑作に挙げる人が多いことでしょう。
この曲は1967年に原型が完成しており、その後フィルスペクターによるアレンジが施されているため、本来とは少し違うかたちになっています(オリジナルは確かアンソロジーに収録されていたはず)。
個人的には、これが”改悪”だとはまったく思いません。もし改悪だとしても、この曲が名曲であることは紛れもない事実です。
19.Let it be
迷ったけどやっぱり名曲なので入れさせてもらいました。本当にね、ポールマッカートニーは恐ろしいです。呼吸をするかのごとく世紀の名曲を書き上げる。普通、どのバンドにも調子の悪い時期とか、何がやりたいのかよくわかんない時ってあるんですよ。実際ビートルズも何度かありました。でも、それを黙らせるかのごとく、この男は名曲をサラリと書き上げるんです。それがエリナーリグビーでありヘイジュードでありこの曲なんです。
20.Here comes the sun
僕のベストビートルズソング!
いつ聴いても感動。イントロ、Aメロ、サビ、間奏、アウトロすべてが完璧。”サムシング”もいいけどやっぱりこれ。
今まで天才二人の影に隠れていた弟分のジョージがついに、大輪の花を咲かせました。そして50年の時を超え、Let it beやHey judeを差し置きSpotifyで一番再生されるまでに愛されるようになったのがもう、本当に感慨深い。
オリジナル音源を聴いた後は、ジョージが自身のソロライブで披露したバージョンを是非とも聴いてほしいです。本当に最高です。
惜しくも枠
she loves you, i want to hold your hand, can't by me love, michelle, hey jude, happiness is a warm gun, while my guitarなどなど
ミッシェルは個人的に入れたかったけど、大衆性に欠けると思ったので外しました。
ヘイ・ジュードは”名曲感”が過剰なため外した。聴きたい人のために貼っとくね。やっぱ不朽の名曲。この頃のポールは神懸かり的じゃなくて神そのものでした。マジでもう、20世紀最大の音楽家でしょ。
ビートルズとは何かを説明する20曲を選ぶ!とか息巻いた割にサージェントペパーズから一曲も選んでないというね。ロック史上最高のアルバム(最近評価を落としているが..)。死ぬまでに聞いてみて下さい!
僕がこの記事を書く際に参考にした評論がこちら。ビートルズの書籍って分厚いものが多いけど、これはコンパクトにまとまってる。
ただ、著者の好みが出ているのと、コアなビートルズファンを小馬鹿にするようなスタンスをとっているため、少々心のなかで突っ込みを入れつつ読んでいくのがよいかと。
僕が一番自信を持っている記事。映画好きじゃなくても楽しめます。というか、映画好きじゃない人にこそ読んでほしい。
この記事はたかだか22歳の若造が書いてます。ビートルズマニアの方でこのセレクトに納得いかない方は是非とも、”個人的に選ばれるべきだったと思う曲”を、(できればその理由もつけて)コメントお願いします!(単にこの曲好き!みたいなコメントも大歓迎です!)
以上、最後まで読んでくれて、ありがとうございました!