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難問を時間をかけて自力で解くか、時間で切り上げて数をこなすか問題

今日、聴いていたvoicyで、考えさせられる番組があったので、今日はそれについて書いてみる。

中学受験界では知らない人はいない超有名プロ家庭教師の安浪京子先生のチャンネル。テーマは「テストのための勉強という意識が希薄」というリスナーからのお悩みだった。

この話の中で「勉強が好き、難問を解くのが好き、じっくり時間をかけて問題と解くことが好き」であることと、「テストで点がとれること」は必ずしも両立しないと先生は言っていて、これはほんとにその通りで、難しいところだなと思った。(正確な言い回しはvoicyきいてね)

実際、長男が小6後半の頃、この問題にどう向き合うか、私は悩まされていた。

長男は算数の難問をずっと考えて考えて考え抜く体力があり、本人もそれが好きだった。難しい問題にあたっても、何十分も考え続ける。寝る時間になって「もう明日にして寝よう」と言っても、「もう少し、あとちょっとでわかりそう、ここまで出てる」とか「今終わると気持ち悪い。あと10分」とか、なかなか途中で切り上げようとはしなかった。

これ自体は非常に良いことなのだが、その一方で、1問にかける時間が長くなればなるほど、数をこなせなくなる。

当時、受験本番が近づく中で、可能な限り得意な算数を完璧に仕上げるために、穴を埋めようとしていたところで、そのためにある程度の問題数を解かなければならず、数がこなせないことに私は悩んでいた。

悩みながらも「もうやめて次の問題!」と、途中できることができず、どうしたらいいんだろうと思っていた。

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その時、私がしたことは、「そもそもどうして中学受験をしようと思ったんだっけ」という初心に立ち返ることだった。

長男は小さいころから算数や物事を深く考えることが好きだった。中学受験の勉強をとおして、「考えること」「知らないことを知ること」「できないことができるようになること」の楽しさをもっともっと知ってほしいと思った。それが、ほんとのほんとに中学受験をしようかと思った最初のきっかけだった。

であるならば、その時の、難問を最後まで考えぬこうとする長男の姿勢は、目指した1つの姿であると考えることができるのでは。長男は、考えることを楽しんでいる。それをむりやり止めさせることは、そもそも中学受験をはじめたときに大切にしたかったことを、放棄しているのではないか。と思った。

とはいえ、一方で、せっかくここまできたのだから、志望校に合格してほしい気持ちもある。どうしたものか…。

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悩んだ私は、当時、月1回zoomで学習コンサルをしてくれていたプロ講師に相談した。

「時間をかけて難問を考えるので数をこなせない。でも、自分の頭で考えることは大事にしたいので途中でとめたくない気持ちもある。どうしたらいいか」という趣旨の質問だ。

先生はしばらく考えて、折衷案をだしてきた。

「レベルごとに解く時間を設定するのはどうですか。レベル1だと〇分、レベル2だと〇分...」

それを私は自分の気持ちと一緒に長男に伝えた。

「難しい問題を時間をかけて自分で考えぬいて解くのは素晴らしいこと。だけど、1問に時間をかけすぎると、穴を埋めるための問題を本番までに解くことができなくて、合格の可能性が下がってしまうかもしれない。先生はレベル別に時間を設定して解くのはどうか、と言っている。今までとおり、数はこなせなくても、時間をかけて最後まで解くか、時間を設定して数をこなすか、どちらも正解・不正解はないから選んでほしい」

長男は、時間を設定して解くことを選んだ。結果、ここまでやりたいという問題をすべてスケジュール通りこなすことができた。

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「難しい問題を楽しむ探求心」と「テストで点がとれること」が、必ずしも両立しない以上、どこかで線引きが必要だ。

そのためには、なんのためになにを大事にするのかを、まずは子供と決めることが大切だと思う。そして、親としての自分はどう考えるのかも。

考えはコロコロ変わっていいと思うし、違ったと思えばいつでもかえればいいと思う。正解はない。だからこそ、自由に選びたい。

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