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河のほとりで

一度「だいすき」って思うと、結構一途になっちゃうタイプだ。

こまめに情報はチェックするし、舞台になった場所や登場アイテムも検索するし、自分であれこれ考えるだけじゃなくて、他の人も感想も気になるし、ハマりたての少しずつ自分のなかに愛したコンテンツの知見が貯まってゆくのが何より嬉しくて、好きになったらとことんの気質でよかったなあと思う。

もう完結してしまったものをあとから知って、ぜんぶ溢れているところに飛び込むのも楽しいし、まだ終わっていないものに向かって早足で駆け寄って行って、そのままじりじりと併走するのも楽しい。

いま、わたしが漫画で唯一併走を続けているのが『3月のライオン』という作品。

作者の羽海野チカさんはもともと有名な作家さんだけど、わたしは『ハチクロ』を知らないし、将棋のこともうっすらとした知識しかなかったから、名前だけは聞いたことがあったけど、漫画の時点では興味がわかず、アニメからこの作品に出合った。

実家に帰ったタイミングでたまたま家族が観ていて、途中からだったのだけど、一気にギュン!!ときて、そのまま一直線に「だいすき!!!」になってしまったのだ。

そのたまたま観たところが、零くんが「弱いヤツに用はないんだよ」って吠える、初期の屈指の名シーンだったのも運がよかったと思う。

当時の一人暮らしの家にはテレビがなかったから、全部録画してもらってせっせと観て、それだけじゃ我慢できなくて漫画も全部買って一気に読破。

アニメと原作がかけ離れていることってまあまああるけど、『3月のライオンは』はニャーたちの声まで全部丁寧に放映されてて見直したら笑ってしまったし、もっとだいすきになってしまった。

そこからは一ファンとして、原作が進んでいくのを楽しみに待つ日々を送っている。

好きになってからは楽しい思い出しかない。

このアニメがきっかけで、それまでなんて読むかもわからなかった米津玄師さんの歌を知ったし、もともとだいすきだったUNISON SQUARE GARDENが主題歌になるって聞いてむちゃくちゃテンションが上がったりもした。

実写の配役も天才かな????と思うくらいぴったりで(特に島田さんに泣いた)、予告を観ただけで胸が熱くなったりもしたし、たまたまヨーロッパに旅に出たときの機内で前編が観れたから、行きと帰りで2回観たこともよい思い出だった。

出発前に最新刊の発売日が決まったから、絶対に生きて帰ってこようと誓えたし、日本に戻ってきてからその足で本屋さんに行って買ったのも覚えている。

物語に出てくるあかりさんの料理の全部にときめいて真似したこともあったし、反面、零くんが一人の部屋で食べるラーメンにとてつもなく惹かれて相反する感情に自分でもびっくりしたこともある。

何よりも物語を通して、自分の全てを捧げて戦う何かがあることの覚悟と尊さと孤独さと壮絶さを学んだ。

将棋のことはいまだに詳しくないけど、自分に置き換えてしまったら気持ちが高ぶって眠れなくなったこともある。

楽しいことも、大切なこともたくさんたくさん教えてもらって、登場人物みんなへの愛情もたっぷりだ。

漫画はずっと手放さないだろうし、きっとあると勝手にしているアニメの次シーズンを楽しみに待ってるし、もうわたしの人生において欠かせないコンテンツになっているなあとこうやって書き出してみて改めて思う。

***

特に新刊発売のタイミングでもない、いまどうしていきなり話し出したかと言うと、先日隅田川をお散歩したことがきっかけでようやく映画の後編を観る勇気が出たからです。

後半部分はオリジナルとか聞くと、ちょっと怯えてしまって…。まるごと愛したいから勇気が出なくて奥底にしまいこんでいたらタイミングがずれにずれてこんなに遅くなってしまいました。

感想は思わずツイートしてしまったので↓から。

映画見たら興奮しちゃって漫画もまた読み直してしまった。15巻、今年中に出てくれたらうれしいなあ。

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