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フランス映画「パリの調香師~しあわせの香りを探して~」

世の中、挫折を知らない人なんているのでしょうか。計画していたことが途中でくじけてしまったり、予想外のことが起きて中止せざるを得なくなったり。コロナ禍において、余計そんな人が増えているのではないかと思います。たとえ大きなチャレンジでなくても勉強でも仕事でも生きていれば壁にぶつかることは誰にでもあります。フランス映画「パリの調香師~しあわせの香りを探して~」は勉強や仕事、プライベートでもなにかしら行き詰まりを感じている人におすすめの映画です。

主人公は嗅覚をなくしたわがまま天才調香師と親権も仕事も取り上げられそうながけっぷち運転手。

かつては世界のトップメゾンから依頼が殺到し、香水業界で名をはせたアンヌは他人とかかわるのが苦手で気難しくとてもわがまま。嗅覚を失ったことで思い通りの仕事ができず地位も名声も失ってしまいます。一方、そんなアンヌの運転手になったギヨームは度重なるミスで仕事をクビになりそうになり、その上離婚した妻との間にできた子供の親権も取り上げられそうになってしまいます。そんな立場も環境もまったく違う二人が出会い、再び香水業界での再起をかけて挑んでいくというお話です。

香水にまつわる人々の思い

映画とは直接関係ありませんが、欧米の偉人たちは香水にまつわる名言を数多く残していて、香水が生活にいかに根付いているかが伝わります。

「Le parfum d'une femme en dit plus sur elle que son écriture.
女性の香水というのは、筆跡よりその人の「性格」を如実に物語ります。」(クリスチャン・ディオール)

クリスチャン・ディオールやエルメスの専属調香師が映画の監修にあたり、調香師アンヌの描写がとてもリアルに感じられました。名声を得たがための妬みや、優れた嗅覚ゆえにいろんな生活臭が気になってしまうストレスなど華やかさだけではない業界ならではの苦労も垣間見えます。世界中で愛される香水が生まれる裏側では調香師の苦悩やメゾンからのプレッシャーなど私たちが知られざるドラマが隠されていると思うと、香水もまた見方が変わってきます。

「A women who doesn’t wear perfume has no future.
香水をつけない女性に未来はない」(ココ・シャネル)

「Wherever one wants to be kissed.
香水はあなたがキスしてほしいところにつけなさい」(ココ・シャネル)

「香りは、私たちを何千マイルの彼方へ
そしてかつて住んでいた時代へと運んでくれる
すばらしい力を持った魔法使い」
  (ヘレン・ケラー)

「え?香水にここまでいっちゃう?」という感じですが、香水にまつわる名言から偉業を成し遂げた各人たちの香水への思いと人生観が見え、とても興味深いです。たかが香水、されど香水。香水で人生が変わった二人の映画はたとえ今がどん底でも人生のチャンスがどこにあるのか、常に自分を磨いて嗅覚を研ぎすましておきなさいよ、というメッセージにも感じ取れました。

1月15日から東急Bunakamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町にて公開。

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C)LES FILMS VELVET - FRANCE 3 CINEMA

▼「パリの調香師~しあわせの香りを探して~」

https://parfums-movie.com/

▼フランス雑貨「横浜山手ラメゾンドレイル」もタイアップで参加

https://www.ukfrenchstore.com/?utm_source=note

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