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創業10年目のCIリニューアルで、Timersが『社会の二項対立を溶かす』というビジョンを見つけるまで(後編)

前編はこちらから

「新しいVIは人のエモーショナルな繋がり、あたたかみが表現されているものにしたかった」

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松村:Timersが掲げた新しいビジョンが、社会の潮流としてもさらに今後必要とされてきており、世の中のスタンダードになっていくところに貢献できると面白いですね。

今回、新しいミッションやビジョンを言葉として落としていただくだけでなく、それを起点にロゴのデザインや公式WEBサイトのリニューアルも手がけていただいたと思います。そのプロセスで意識したことはありますか?

高木:元々TimersのロゴはFammのロゴの延長にあるフォントだったと思います。会社の将来を考えて作ったというよりは、事業に合わせた、という背景があったと思っています。今回、CIを新たに定義し直すということは、逆に言うと会社組織の方が事業よりも先に行く、ということだと思うんですね。

ある意味、会社がリードしていてそれにのっとって今後事業は生まれていくはずです。そう考えたときに、もっと「思想」や「言葉として発信していること」を直感的にみんなで共有できるようにしていくべきだね、という考え方で作っていきました。ビジョンはクリアだったので、それをいかに表現しようか、とデザインチームのKnotと一緒に話し合いながら探っていきました。

松村:最終的には「二項対立を溶かす」という言葉を、赤ちゃんと親の2つの手が取り合っているようなイメージとして抽象化しビジュアライズしてもらったと思います。難しかった点や議論になったみたいな点はありましたか。

高木:赤ちゃんと親が手を繋ぐっていうのは、離れているものが一つ繋がるっていうわかりやすい象徴で、それをモチーフにするということ自体は早い段階で見えてきていました。ビジョンの言葉自体は硬めなので、いかに柔らかくエモーショナルに伝えられるようなものにするかっていうことは議論をしましたね。

松村:Timersとして、このロゴ・ビジュアルがいいなと感じた点はどういうところでしたか?

田和:「二項」という概念の背景には、当たり前なのですが、行き着く所には必ず「人」が介在してるなと思っていて、人の手と手が取り合っている、繋がっていくという表現は、奇抜性や斬新さはないけれども、普遍的で本質的だなと感じました。

組織も結局は人の集合ですし、やっている事業も「何かを機械的に提供します」ではなくて、子育てしている女性を対象として熱量のある事業やサービスを展開しているということを考えると、「人の手」はモチーフとしてはすごくフィットしていると感じました。

松村:これまでの会社のロゴは黒でしたが、今回は大きく変わって2色の色を取り入れたと思います。色に関して議論はありましたか?

高木:色については、感情的な体温というか、温かみや人の気持ちの表現の仕方について悩みましたね。Timersが作るのは仕組みなのだけど、それは冷たい仕組みとかではなくて、人の気持ちに寄り添っているものですよね。そういう感情を感じられるカラーが良いのではないか、と考えてオレンジを提案しました。Fammのキーカラーのオレンジを意識したわけじゃなくて、ゼロベースで考えてオレンジに行き着いたのですが、最初田和くんは難色を示していましたね笑

田和:そうですね。めちゃくちゃ葛藤があったのが、そもそも「色」を取り入れるのか、ということです。今までは、特にロゴマークみたいなものはなく、かつオフィスの中も色はあまり積極的に取り入れず、機能的で合理的、かつ極力白黒中心で、という感じだったので、色の提案をもらった時、実は不安を感じたんですね。
ただ、いただいた提案について対話していく中で、自分たち自身が持っている熱量、組織がまとっている熱量を、もっと外に出して発信していくことがTimersとして今後は未来のあるべき姿に向けて一歩踏み込んでいかないと駄目な所なんじゃないかなっていうのは感じました。
結果として今までの延長線ではなく、明るく温かい色のロゴマークを取り入れていく、時には大胆にそのロゴマークを使っていくという所は、一周まわって納得感を持つことができました。

高木:これまでの黒のロゴはある意味「中長期的な会社としての態度」を決めきっていなかったのもあるし、ある意味はTimers創業時期の「やんちゃで野心的」「シャープな感じ」というイメージがあったと思っています。

昔は会社のメンバーも職種や役割も全く関係ないという野武士みたいなエッジが効いている人たちだけの感じだったけれども、今働いている人たちは最初に言ったようにとだいぶ変わってきているので、業務委託で関わる子育て中の女性メンバーの人たちも含めて、本当にその人たちが「自分たちのコミュニティのロゴだな」って思えているのかどうか、でいうとたぶん違うだろうなと思いました。
創業期だと、今回取り上げたカルチャーの「Happily(幸せに働く)」という考えはなかなか持ち得なかったよな、と思っています笑 でもそういう温かい会社になってきているので、コミュニティとしてのこの色合いというか、田和くんが大事にしたいビジョンの想いとかはみんなで握手できるような、何か表現を模索しないと、中長期的にみんなが「自分の組織の旗だ」って思えないんじゃないかなっていうのはありましたね。

松村:ミッション・ビジョンが定まりロゴなどのビジュアルの提案ももらって、元々の課題として感じていたギャップに対しては「一貫性があるな」と田和の中ですっと腑に落ちていったのでしょうか。

田和:そうですね。そこはすごく感じていました。

あとNEWPEACEさんからは「Happily(幸せに働く)」という観点でのお話が多かったですが、一方で我々はスタートアップということもあるので「牧歌的」とか「ゆるい感じ」ではない、という点も強調していました。
「社会の二項対立を溶かす」ためには、やっぱり一方で強い組織でないとそれは推進していけないよな、と思っていて、その観点もうまく取り入れたいなと考えていました。
今回ご提案いただいたロゴは「セリフ体」というクラシカルなフォントで、これまでのTimersで使われていたフォントとの繋がりもありました。なので、これまでのTimersで大事にしてきたこと、これから大事にしていきたいことと、これから掲げていきたいこと、それぞれをうまくまとめてもらったなと思っています。

「CIのリニューアルはあくまで第一歩。これから社内外の人を巻き込んでビジョンの実現に向けて物語を育んでいく」

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松村:ありがとうございます。最後に新しいCIを元にした取り組みとしては、どういうところを今後計画しているかお伺いしてもいいでしょうか?

田和:大きいのは働いているメンバーの人たちがオフィスを使っていくので、オフィスの中の雰囲気を今回定めたCIをベースに作り変え、新しいもので装飾していくっていうところを次のプロジェクトでちゃんとやっていきたいなと思っております。

高木:「二項対立を溶かす」ということを掲げているのであれば、全てが業務に最適化されたビジネス色が強い空気ってギャップがあると思っていて、オフィスが効率的すぎて無機質という印象なのでそれを変えましょうっていうことは提案していて、これから着手していきます。

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やっぱり大事なのは、Timersで働いている人たちが自分たちはこういうことを大切にして、こういうことのためにこういう人たちと働いているんだなっていうことに対し誇りを持っているっていうことで、それができるオフィスの雰囲気が重要だと思っています。

このCIをリニューアルしたのも1つの始まりでしかないし、オフィスのこういう一部空間をリニューアルするのも最初のアクションの1つでしかないと思っていて。そこからいかにこの田和くんや今いるメンバー、これから入社する人たちと一緒に、会社の物語を育んでいけるかみたいなことはやっぱり大事だろうなと思っています。

もちろん今はリソースほぼほぼ事業に集中するフェーズだと思うので、会社として対外的なコミュニケーションは頻度高くやれることではないと思うのですが、全社の集まりとか、会社からの発信みたいなそういうところから会社のブランドって作られていくと思うので、そういう何か取り組みの時はNEWPEACEとしても引き続き関わっていけるといいなと思っています。

田和:ありがとうございます。まさに言っていただいたように、ビジョンを定めて、新しいロゴマークなども作ったのは、あらためての『スタート』なんですよね。5年、10年経った先に、このビジョンやロゴマークが背負う物語が1つでも多く増えるように挑戦していきたいと思っています。

本件に関するプレスリリースはこちらをご参照ください。
Timers公式サイト:https://timers-inc.com/
NEWPEACE公式サイト:https://newpeace.jp/

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