詩-あおのおべべ-

少し前に街路地裏と出くわしたんだ。
そこには

何も書いていない卒塔婆が立ち塞がっていた。

(もう直ぐそこに俺が私が刻まれるんだ)と
感覚的に理解に及んだ

-もう責めたりしないでいてね-

なんて遺言状が優しみを込めて伝えてくるから、未開だった俺とお前は五分咲きになって満開になる夢を見たいと願うんだ。

後退りしたってさ
俺はいつだって後ろ向きだから気がつくと、
前のめりになって進んでしまう。

その事柄の意味を嗜む事が嫌いじゃない事が
お前さんの知らないただ一つの『をれ』の事だ

ネモフィラの青さは地球の薄っちょろい蒼さによく似ている気がして
それはシリウスブルーとはまた違う、見る人によって色が変わるたった一つの色なんだね

アトモスフィアの檻の中にいるモノだから俺たちは柵を穿って穿って出ようとしているし　
うらわかい人々のレキシを遠い星々が蒼青とほくそ笑んでこちらを見つめている

明日がどうだい?
なんて聞いてきたって昨日の飯もおぼつかない
記憶の足取りを辿ったって勿論、未来のことは不明だ

生物学的に家具の事はなんて呼べばいいだろう

オスでもメスでもノーでも無しの
よしなにイミヂク刃の夜明けで
ナニをもっても意味は無し
なしのつぶてで蒸し暑い
宵闇徒歩の命拾いよ

命の税務署税金納めりゃ
日雇い労働有給無しよ
あれれのありりと首傾げた馬鹿
あからさまなシャコウジヂレイに

チモナミダモナィ


抜かしやがった
それなら身銭をはたいて取り寄せ
チワキニクドヲルのお通りだ

しゃん
と背筋が伸び伸びするよう
育てるための大気の創りであれとそれとこれとそれを大器晩成育て上げたら

誰が見たって立派に垂れるこうべが
天命真っ当したらば髑髏
埋立地なものだから実質海中海上居るから
反射するのは空から海へとどちらが蒼かわかりゃしねえな

だからあおを俺は決めてる。
綺麗だった方がただの青だ。

架空詩集-チモナミダモナｨ-より