フランス文学まずはここから!初めてでも読みやすいおすすめ作品5選
パリオリンピックが始まりましたね🏆
これを機にフランス熱が高まる方もいるのではないかな〜と思ったので、フランス文学を初めて手に取る方にもおすすめの読みやすい作品を5作紹介したいと思います!いずれも大好きな作品なので、ぜひぜひ読んでみてください~!
①悲しみよ、こんにちは/フランソワーズ・サガン
15歳の夏に読んで本当に衝撃を受けた一冊。
少女の危うさと繊細さをここまで描けるのはサガンしかいません。
作品全体に漂う気怠い空気感がリアルに感じられるのは絶対に夏、この時期に読んでほしい作品!
ウェルテル効果じゃないですけど、「セシルは私だ」って思ってしまう作品です。なので逆に、ティーンエイジャーの少女には刺激が強すぎるかもしれないです。影響が大きすぎちゃう気がして。
セシルの冷静に周りの人を分析するシニカルさ、幼さ、そしてそれゆえの残酷さ。最後の一段落で回収されるタイトルの美しさ。全部巧みすぎて、読み出したら息を詰めて一気読みしてしまうような作品です。
主人公のセシルに限らず登場人物みなの「人間」の描写が素晴らしいので、年齢性別を問わず、すべての人に読んでほしい一冊です。
②狭き門/アンドレ・ジッド
胸が苦しくなるような、至高の恋愛小説。
これを「恋愛小説」という狭い定義に押し込んでしまうのには私自身疑問もありますし、そういう小説ではないとお思いになる方もいるかもしれませんが、私は「恋愛小説」とあえて呼びたいと思います。なぜなら、この作品の軸には絶対に「愛」があることは確かだからです。
アリサの行動にはわからないことが多くて、ハマらない方はハマらないと思います。
でも、それだからこそ逆にいつまでも心に残って、いつまでも「あれはなんだったんだろう」「どういうことだったんだろう」とずっと思い続ける小説です。
そういう読書体験を持っているというのも幸せだし、大切なことだなと思っているので、ぜひ読んで抱え込んでいただけたらと思います。
③夜間飛行/サン=テグジュペリ
サン=テグジュペリを「星の王子さま」の作家だと思っているのはもったいない!
もちろん「星の王子さま」が名作なことは疑いようもないですが、サン=テグジュペリの真価はむしろ少し硬い文章にあると個人的には思っています。
そして「夜間飛行」は、その中でも最たるものだと思います。
飛行機の夜間飛行がまだ危険だった黎明期に、夜間輸送便の運行に挑む人々の物語です。
静かで美しい文章です。登場人物それぞれの内面描写が多く、ほとんど台詞はありません。116ページ(新潮版)の作品の中の台詞を全て足しても、見開き3ページくらいではないでしょうか。
作家自身が経験したことを落とし込む能力と、他の立場の人々の身になって感じてみる親身な想像力、それでいて踏み込みすぎたり過度に美化したりない冷静な礼節が同居した作家の人間性が生み出した、途方もない名作です。
「狭き門」のアンドレ・ジッドの序文も天下一品!
④恐るべき子供たち/ジャン・コクトー
コクトーの名作は他にもいろいろありますが、この「恐るべき子供たち」は華やかで幻想的な文章の素敵さと読みやすさが同居した作品で、コクトーを読みたいと思ったらまずはここからがおすすめです。あと、とても短いです。
大きくは現実世界を生き抜くことのできない姉と弟の物語なのですが、内容にはちょっとわかりづらいところもありますし、ここで何が良い!と詳しく説明するのは難しい作品ですが本当に良いです・・・!詩を読むような気持ちで何度も手に取ってぱらぱらめくってしまう一冊です。まずは書店でめくってみてもらえると、楽しいかもしれないです。
⑤モンテ・クリスト伯/アレクサンドル・デュマ
ここまでの4作は好きな作品の中でもなるべく短く、読みやすいものを選んできたのですが、どうしても絶対に外せなかったフランス文学の最高傑作(個人の感想です)
岩波文庫で全7巻あるし、序盤登場人物がとても多いので正直読み辛いです。急に場面が飛んだりしますし、最初3巻くらいはかなり努力が必要かと思います。
でも、5巻くらいからの怒涛の回収が本当に素晴らしいのでいまいち盛り上がらないところも頑張って読んでもらう価値が絶対にあります・・・!
連ドラとか観られる人なら絶対に苦にならずいけますのでぜひ。
フランス文学って全体的にストレートな起承転結!とかが少なくて、ちょっと問いも答えも抽象的なものが多いように感じるんですけど、これは本当にエンタメ小説として傑作です。めちゃくちゃ面白いです。ぜひぜひ読んでもらえたら嬉しいです!
一作一作、別の記事でまとめたいくらい大好きな作品なのですが、今回はダイジェストでまとめさせていただきました。
奥深いフランス文学の魅力、ぜひ堪能してもらえたら嬉しいです🇫🇷
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