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【003】「俺の働き方」~パーソナル働き方改革

私は今年に自分の会社を設立しましたが、いわゆる一般的な完全な「独立」とはちょっと違うスタイルを取っております。

名刺としては次の3つを持っております。
A:伊藤経営支援工房の代表
B:友人が設立したマーケティングの会社の取締役
C:非営利法人組織の職員

順番としてはC→B→Aです。
まずCは、私が諸般のプライベート的な事情により広島にUターンした際に見つけた仕事、言うなれば「拾ってもらった」ような仕事です。
主にその組織の総務・人事・会計周りを担当しており、キャリアはこの4月で6年目を迎えたところです。

次にBですが、この友人は高校の同級生です。
今から2年前の4月に彼が設立した会社の役員に就任しました。
高校の同級生とは毎年正月に数人と定期的に会うのを恒例行事としているのですが、その設立する年の正月にも彼とは会いました。
当時は広告代理店に勤務していたのですが、そのころからどうも独立に向けた思いがあったようで、できればもう1人パートナーを探していたところ、「コイツならうまくやれるかも」と思って私を指名したようです。
私も当時上記Cの仕事をフルタイムでやっていたので最初は断りましたが、「スキマ時間でもええから手伝って」ということでしたので最終的にはOKしました。
ここでは事業の詳細を割愛しますが、これからのトレンドとなりうる事業ドメインであり、個人的にももっとスキルを身につけたい領域ではあります。

最後にAの自社ですが、これはBの仕事を始めたことが大きな影響でした。
おそらくCの仕事のみを続けていたら会社設立ということにはならなかったでしょう。
よくあるのが、新たに起業した方に対して「どういうきっかけで独立したんですか?」と問うとその方が「勢いでつい・・・」と答えるケースですが、あながちそれもわからなくはないと思うのです。
日々の業務をこなし、毎月決まった給料をもらっている企業勤めの世界の中だけに留まっていると、なかなか独力で起業ということにはつながりにくいもので、自分の置かれている環境や所属するコミュニティの中で、そういった機運が起こり、自分も乗っかってしまい起業した。それを「勢いでつい」というのではないかと実感したわけです。

「勢い」起業にもいろいろあり、他の人の話を聞く限り、転勤を伴う人事異動を命じられてイヤになった、思わぬ副業のチャンスが舞い込んだ、挙句の果てには自社が倒産してしまった・・・など様々です。
さらに独立する方法もいろいろあって、法人として独立するのなら株式会社か合同会社か、法人ではなく個人事業主なのか。
それぞれのメリット・デメリットについては、また別の話とします。

もっとも、最初に苦慮するものの1つが一定の定期収入であり、これを早く確立させないことには会社の経営基盤が早くも危うくなる、というか不安でしょーがなくなります。余裕を持って投入したはずの資本金がみるみるなくなる。私も経験があるのですが、無収入になった時の貯蓄の減るスピード、相当な早さですが、それと同じことが起業後のオーナーを襲うわけです。

で、私のパターンはというと・・・

C:非営利法人組織の職員についてまず触れます。
ここは1年契約の有期雇用となっており、毎年職員に対して契約更新希望の有無を確認します。大体の人が更新を希望し、希望を表明した以上それが覆されることはまずないといった状況です。私も今年、当時の上司から来年度の契約更新について打診されました。
 上司:「来年度はどうするん?」
 ワイ:「雇用契約を委託契約にしてくだされ」

 (上司、ボスに相談)
 ボス:「指揮命令したいから100%業務委託はナシ。
     雇用契約チョイ残し。」
これにより、雇用契約+業務委託契約 というフシギな契約が誕生しました。
要するに、担当業務を明確にグループ分けし、第1グループは雇用契約として、第2グループは業務委託契約として行う、といったものです。

第1グループの業務の特徴はというと、
・取り扱う情報のセキュリティ上、クローズドなネットワーク上で遂行した方が望ましいもの
・法人組織の職員をクレジットとして遂行した方が望ましいもの
などで、第2グループの業務の特徴はというと、
・取り扱う情報のセキュリティは低く、オープンなネットワークを経由してもさして問題がないもの
・雑務に捕らわれることなく、じっくりと熟慮、検討、資料作成ができる環境が望ましいもの
など、リモート対応でも十分、もしくはリモート環境の方が望ましいような業務です。

これにより、週の半分は出勤の義務から解放されました。
現状は新年度を迎えたばかりで体制が刷新し、メンバーも代わったこともあって、委託により行う業務、第2グループの業務もまだ出勤して行ったりもしておりますが、いずれはリモートメインで行えればということで、そのための職場環境も整えている最中です。
このCの仕事の稼働を抑えることでAやBの仕事へリソースを避けることができる、たまたまではありますが、Cの仕事の一部を業務委託へ切り替えることで、まずは最初の定期収入を確保することができました。

いま人々の働き方改革でトレンドになりつつあるのが、「副業/複業」、「ジョブ型雇用」や「従業員の個人事業主化」などです。
「副業/複業」に関してはもはや言わずもがなです。
ジョブ型雇用の場合は、職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成し、業務のミッション、内容、目標などを明記するわけですが、私の場合は業務のミッションや目標はアバウトなれど、業務の内容は明確になっております。
従業員の個人事業主化は、電通のNHのような動きがあるように大手企業を中心に徐々に始まってきております。私の業務委託の部分もこの変形のようなものです。

おそらくこういった動きというのは、今後ますます加速していくのではないかと思います。その根拠としては、労働基準法や労働契約法などに定める日本のサラリーマンの労働の在り方というのが、そもそも生産性の向上に資するような仕組みになっていない部分があり、ジョブ型や個人事業主化にすることがその流れに一石を投じるものである、と個人的には考えるわけですが、そのへんの話はまた別の機会にしようと思います。

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