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君は砂丘を見たか②

記録写真を現像したくなかったとかいろいろと忙しかったとかで時間が空きましたが続きます。記憶が薄れないうちに完結させたい。←無理らしい

Day 2

朝6時ごろ美保館ゲストハウス2階1人部屋―
目覚ましで半起きの状態のなか先輩による突撃を受ける。

前日の日御碕灯台に続き、「世界の灯台百選」がひとつ美保関灯台を訪ねるのが前々から決められた朝活の内容であり、もちろん行くつもりであった。

「寝ます!」

思いとは裏腹に口から出たのはその言葉ただ一つだった―

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RICOH GRIII

気づけば7時半頃。見事この旅で嫌というほど言う「要再訪」の発生である。

8時過ぎ、出発。
境水道を挟んで対岸の境港までハイエースはあっという間に走り抜け、「お食事処 かいがん」で朝食。朝から雲丹と対面するなどなんと豪華な旅であろうか。

このあたりから雨足がかなり厳しくなっていたように記憶している。

食後、満腹感とともに気づけば夢の中。
かの有名なベタ踏み坂を通って南へ南へと向かったようだが、驚くほどに記憶がない。起きたらばもう足立美術館の駐車場にいるようだった。

正直、美術館というものが苦手だ。
通路や照明からなる閉塞感がどうにも性に合わず、うずうずしてくる。
この日もあまり気乗りはしていなかった。
庭園が有名な美術館らしいが庭に興味ないしな―

そんな考えがしばらく続いていた。

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Carl Zeiss Planar T* 2/50 ZM

甘かった。
横山大観がクリティカルヒットした。

「朦朧体」と呼ばれるらしいその技法は、写真でいうところの階調の豊かさが巧みに表現されていて、絵でこんな表現ができるのか!と本当に衝撃を受けた。技法だけでなく横山大観のモチーフの置き方それ自体もオタク的でなんとも受け入れやすかった。

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Carl Zeiss Planar T* 2/50 ZM

どうやら3時間もこの美術館にいたらしい。
途中で喫茶に入ったことを抜きにしても、時間がこれほどまでに早く流れていたのは驚きだ。

横山大観をここで語るには偽物の言葉になってしまうし、3時間はその断片を理解するにも不十分な時間であったので、多くは語らないことにして「要再訪」としたいと思う。

足立美術館から退館するころには昼時もとうに回り、空腹が思考を襲う。

どういう経緯かはもはや忘却の彼方だけれども、まだ開いている店ということで伯耆町の「定食屋 そうかん」が選ばれる。
何の変哲もないカレーを注文したが、こういうものこそ空腹には沁みるのである。

ここからは自分が運転し、蒜山高原まで無限にうねる道をハイエースで駆け上る。道中でやっと蒜山が岡山県であることを知る。真庭市、広すぎ。

牛さんの香り漂う高原で、閉店間際のショップにそうとは知らずギリギリ入店をし―ソフトクリームを頂く。本当に行き当たりばったり感のある旅だ。本当はそうではないはずなのだけれども。

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Carl Zeiss Planar T* 2/50 ZM

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Carl Zeiss Planar T* 2/50 ZM

少し車で走り、ソフトクリームなどどうでもよかったと言うように塩釜の冷泉に歓喜する。旭川源流の碑に高天ヶ原なるどうのとパワーワードが並んでいて爆笑したのだが、もうすでに記憶が薄れている。
こういう風に出来事は忘れられてしまうのだと思うと少し寂しい。

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Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM

この日はひとつひとつのイベントと移動時間に多くを割かれたので、気づけばもう宿にいる。鳥取県は三朝温泉の「三朝館」―おいしい料理にきれいな大部屋、通路に屋根のない馬鹿の露天風呂。みんなで旅する楽しみをうんと味わえるいい宿であった。

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Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM

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Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM

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Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM

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Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM

晩は日本酒にビールが開き、脱落者を出しつつ3時消灯。大部屋なんて中高の部活ぶりでなんだか懐かしくなってしまうね。

キリがいいので終わります。
いつになったら完結するのやら。

カメラはLeica SL
Adobe Lightroom Classicで現像

以上です。

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