『エフェソス、パトモス島への旅⓪』
■行きは荷物を預けないというポリシー
私は海外へ出発するとき、荷物を預けず手荷物だけで飛行機に乗るようにしています。理由はロストバゲージを防ぐためです。私は短期移動型の旅をしがちなのでロストバゲージにあうと致命的で旅の計画が台無しになってしまいます。また、飛行機は遅延するのでトランジットの余裕が2時間程度だと1時間ほど遅れたとして、人はトランジットできるかもしれませんが、預け荷物はかなりの確率でトランジット便への積み込みに間に合わなず、置き去りにされてしまいます。
前回のトルコも中国便でイスタンブール到着が大幅に遅れて、イスタンブールから飛ぶ国内線の出発まで45分しかない状況になりました。事情を話して1番に飛行機から出ることができましたが、荷物を預けていたらピックアップに時間がかかって完全アウトでした。そんなギリギリの予定を組む方が悪いと言えばそれまでなのですが…
基本、私たちは機内持ち込み可能なスーツケースと大きめのカバンに旅のすべてを詰め込んで行きます。ですから、着るものは速乾性優先で勿論、旅の途中で2泊するホテルを挟んで洗濯もします。とはいえ、旅の帰りは荷物が必ず増えるのでスーツケースに巨大で丈夫なダッフルバックを折りたたんで入れて置くのです。帰りは着るものなど壊れないものなどをダッフルバックに詰めて預けてしまい、大事なものはスーツケースで手荷物で持ち帰るようにしています。
■まずは上海、トランジットで入国してみる
今回、利用したのは中国東方航空です。出発するのは久しぶりの成田空港でした。成田の第2ターミナルははじめての利用になります。成田13:00発の上海15:40着、トランジットに8時間以上時間があるのでどうしようか悩んだ末に上海の市街に行ってみることにしました。旅のはじめに上海蟹を食べることにしました。
中国への入国はビザが必要ですが、トランジットで次の行き先の航空券を持っている場合、日本人なら144時間までの滞在がビザ無しで認められます。でも、この制度はあまり正確に認識されていなかったりします。中国東方航空のチェックインカウンタでビザ免除の入国希望を伝えましたが、わかっていない係員の方もいました。中国の場合、都市によってもこの扱いが違うことがあります。昨年、北京のトランジットで入国しようとしましたが、24時間以内のトランジットには認められないとのことで入国できませんでした。上海は事前に入国できることを調べておいたのでトライすることにしました。航空会社のチケットカウンタで何も言わないと「トランジットします」みたいな丸いシールを渡されます。入国するならこのシールを胸に貼ってはいけません。シールを付けていると中国の空港に着いた時、半強制的にトランジットルートを係員に案内されてしまいます。この係員の人を無視してひたすら入国する案内に従って進みます。
入国審査のところまで行くと入国カードを書く台などがあるところに行きつくので、そうしたらとにかく奥、一番奥まで進みます。そうすると、トランジットビザ免除の専用審査カウンタが見えてきます。ビザ免除の場合、専用の入国カードを書かないとならないのですが、そのカードはおいておらず一般の入国カードしかないかもしれません。その時はそばで突っ立っている係員に言って専用入国カードをもらってください。一般の入国カードを持って審査カウンタに並ぼうとすると、「これじゃなくてこっちのカードに書け」みたいにいわれるのですが、「あんたがただ突っ立っているから悪いんだよ。最初からそのカード配ってくれ。」と突っ込みたくなります。でも、これを抜ければ意外に簡単に入国できてしまいます。但し、セキュリティチェックは厳しいので100wh制限以下のモバイルバッテリーであっても容量が未記載だと没収されることがありますのでご注意ください。
■中国入国の注意点
まずはWi-Fiが自由に利用できません。接続できてもGoogleなどが使えないのでスマホが一気に役立たずになってしまいます。これは中国のグレートファイアウォールと言われる政府のアクセス制限の影響です。中国を自由に行き来するならグレートファイアウォールを回避するVPN接続うんぬんという話が調べると出てくるかと思いますが、ネットワークに強い人じゃないとハードルが高いのではないかと思います。
なので、あまりVPNを意識しなくてもVPN機能でネットワーク接続可能なeSIMでAiraloをお勧めします。最近のスマホはeSIM対応のものがほとんどだと思いますので利用しやすいです。
Airaloは行き先の国に対応したeSIMを定額購入することでスマホをネットワーク接続可能にします。いろいろプランがありますが、私たちは今回、中国のeSIM(7日で1GB:5USドル)とヨーロッパのeSIM(15日で2GB:9.5USドル)を利用しました。実際に中国で試しましたがちゃんとGoogleも使えました。ただ、この場合は中国の一部のWebサイトが見れないことがあります。
ひとつ気をつける点としてAiraloはシンガポールにある会社でeSIM購入をクレジットカードで決済すると、カードによっては海外で不正利用されたとしてクレジット機能が使えなくなってしまうことがあります。なので、その時はすぐクレジットカードの会社へ連絡してください。旅の直前に購入すると最悪、旅でカードが使えなくなる可能性もあるので、旅の早い計画段階での購入がお勧めです。ポケットWi-Fi借りるより断然、安いです。
使い方はGoogleで検索いただければ詳しく書いている方がいますので、そちらを見てください。
それから中国はキャッシュレスが進んでいます。上海はAlipayやWe Chat PayなどのQRコード決済が使えると楽なのですが、私はちょっとクレジットカードとの紐づけに抵抗があったので空港でキャッシュの両替、3000円が96元へ。空港はひどくレートが悪いです。でも、あとでもっと両替しとけばよかったと思いました。VISAやMasterカードはそれなりのレストラン、お土産屋などでは利用できますが、一般的な店では使えないことが多いです。
北京などではVISAやMasterカードがそれなりのレストランでも使えないことがあるという情報もありました。事前にその都市へ行ったことのある人の情報を集めるだけ集めておいた方がよいです。
■上海蟹を逃す
さて、無事に入国できた私たちですが、この時点で飛行機が1時間ほど遅れていたので16:30を過ぎていました。荷物を軽くするのに上海空港でコインロッカーを探すも見つからず。空港係員に聞くとロストバゲージと勘違いされて「いいか、まずは落ち着け‼︎」みたいなことを言われてしまいました。「違うって!!」
あちこち聞きましたがコインロッカーなるものはなく、空港の3Fに荷物預り所がありました。荷物を預けたら空港なのにクレジットカードが使えず、現金で50元。なんと、早くも現金の半分以上を失う事態になってしまいました。そこからまた電車の乗り場に戻ります。上海の中心街には通常の電車とマグレブ(リニア)が運航されています。マグレブの切符はクレジットカードで買えるのですが、中心街まではいかないので通常電車に乗り換えないといけないのです。ですから、キャッシュレスを信じてクレジットカードだけでマグレブ乗って飛び出すとそこで途方に暮れることになってしまいます。AlipayやWe Chat Payが使える状態か現金を持っている必要が絶対あります。私たちは通常の電車で行くことにしたのですが、切符をどこで買ったらいいのかわからないという状況になってしまっていました。よく探すと改札から少し離れたところに券売機があるのを発見…しましたが、QRコードを提示しろみたいに表示されていてAlipayやWe Chat Pay無いしどうしたらいい?もう破れかぶれで券売機に現金を無理やり突っ込んだら、切符が買えるみたいで助かりました。ようやく切符をゲットしたのですが、上海蟹で有名なレストランは人気店で予約なしの場合は店の開店時間にいかないと入れないみたいなことが書いてあって、すでに店の開店時間になってしまっていたから断念。
私たちがモタモタやっているうちに上海蟹が逃げていってしまいました。
■千と千尋のあのシーン
仕方なく目的地を変更、豫園に行くことにしました。豫園は明の時代の庭園でもう庭園自体は閉まっていますが、まわりに豫園に合わせた中国っぽい建築物が並ぶ商業エリアになっています。夜はライトアップされているのでお勧めです。空港から豫園の駅までは1時間ほどかかります。帰りの切符を買っておかないと戻れなくなってしまうので先に買っておきました。残りの現金が30元と寂しいことになっています。もともとレストランでクレジットカードを使うつもりだったので現金はそんなに要らないと思っていました。でも豫園は中国のローカルフードにあふれていて、どれもこれもおいしそうなのです。千と千尋の神隠しで知らない街に迷い込んだあのシーンのよう。
何か食べたいんですが観光地価格なのて結構、高いんです。どっかの両替所で換金しようかとも思ったのですが、豫園の美しい光景が見れただけでもいいかなと思いなおしたのです。空港の電車の乗り場の近くにもローカルフードっぽいお店があったのでそこならクレジットカード使えると信じて早めに戻ることにしました。豫園から駅に向かって歩く途中にマンゴーのざく切りをパックで売っている店がありました。来るときもちょっと気になっていたので1パックでいくらか聞くと25元。お店のおばさんが試食させてくれてほんとにおいしくてびっくり、大きめのパックに目いっぱい入って500円くらいなので、ためらわず買っちゃいました。歩きながら食べましたが、いっぱいあるので空港まで持ち帰ってゆっくり食べることにしました。
また電車乗って1時間、空港駅を降りると近くに簡単なオープンレストランが4件ほどありました。豫園で食べ物を見せつけられていたのでお腹が空いてしまっていて、クレジットカード使えるというのを確認して、よくわからないけど見た目、おいしそうな牛の麺と揚げ餃子を頼みました。写真では麺が入っているように見えましたが、牛のもつのスープでしょうか。食べてみてもそんな感じで…やっぱりよくわからなかったですが、このスープおいしかったです。揚げ餃子はちょっと固かったけど、満足できました。
預けた荷物をピックアップしに行きます。飛行機は翌日の深夜便、上海浦東空港は24時間オープンですがお店は閉まりますし、荷物預かり所も0:00で閉まってしまいますのでココは注意です‼︎電車は市街から空港までの最終が23:30くらいまでありましたが、時間も時期によって変わる可能性があるのでお調べください。
出国審査を終えて出発ゲート付近まで行くと、ごろ寝している人がたくさん。長時間のトランジットをここでやり過ごしたみたいでした。
なんだかんだで中国入国、豫園歩きですったもんだして少し疲れましたが、まだ旅の本編がはじまっておらず、これからなのです。
そう思うとまた別な世界に行けることにテンションがあがっていきます。
そんな感じで旅の0日目は過ぎていきました。
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