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毎日書くやつ

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ルールは以下。 ・書く時間は1時間以内。 ・書く分量は原稿用紙1枚分以上。 ・書く頻度は毎日。 ・書く道具はスマホ。 ・書く内容はなんでもいい。
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#騙り

擬態(62日目)

池袋サンシャインシティ・ワールドインポートマートビル4階、展示ホールAにて「スター☆トゥインクルプリキュア おほしSUMMERバケーション」が8月2日から25日まで開催されている。当日券は大人(中学生以上)1200円、子供(3歳〜小学生)は1000円だが、早割券だとそれぞれ200円引きの価格だった。
場内ではボードで再現されたプリキュアの冒険を追体験できる「ミートプリキュア」のコーナーやスタンプラ

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鉱石拾い(41日目)

いまルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』を読んでるんだけど、こういうハイレベルな自伝的作品を読むたびに、なんでこんなに昔のこと覚えてるんだろうこの人、と思う。
単に出来事を覚えているのではなくて、その時自分を取り巻く世界がどういう匂いだったか、どういう物品で構成されてそれが自分となんの関係があった(もしくはなかった)か、周囲の人と人がどう関係しあっていたか、そんな世界の中で何を考えていたか

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会社案内(28日目)

友人と飲んでいる時にこんなことを聞かれた。

「本名の自分と伊藤螺子としての自分ってどう棲み分けてるの?」

たしかに「別名を持っている」というのは奇妙な状態ではある。
分裂した自分というテーマでいえば、先日発売された『トラベシア』第4号でも一人称のぼく、おれ、わたしがどう棲み分けられているのかを書いたが、本名とペンネームというのはまた少し違った棲み分けかたになる。

感覚としていちばんしっくりく

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メイク/フェイク(14日目)

妻はメイク動画が好きだという。

純粋にメイクの参考になるのもあるけど、誰でも変われるんだと信じているのが伝わってくる、そのことに感動するそうだ。

見るとたいてい、2分前にベッドから起きたけどそのまま死にたいほど寝起き悪いって感じの人が、顔に迷いなく筆を走らせる。次第にその人の顔に別の顔が上塗りされていく。
早回しのメイクが終わるころには、Photoshopで修正されたような、別人といってもいい

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ぼくは覚えていない(3日目)

ジョー・ブレイナードという美術家が書いた、『ぼくは覚えている』という本がある。白水社のエクス・リブリスから翻訳が出ている。
ちょっと変わった本だ。
何しろすべての文章が、「ぼくは覚えている。」という言葉で始まる。200ページ以上、一冊分まるまるすべて、一切の例外なく。
ブレイナードはその一言を鍵にして、記憶の詰まった小箱を開き、自分の通り過ぎていった瞬間の断片を語る。
昔好きだった人の体を思い浮か

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