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「大事に」、「おいしく」、そして何より「丁寧に」。海外での日本酒ブームだからこそ抑えておくべき日本酒輸出ビジネスのマーケティング・プロモーション上の注意点

Three Plus Sixです。
昨日博報堂時代の先輩とお会いする機会がありました。
現在ご自分で日本酒の輸出のお仕事をされています。
輸出先はタイ🇹🇭や香港🇭🇰といった主にアジアの国と地域が対象です。

現地での日本酒ブームはコロナ後に加速しており、需要が高まっています。

日本酒と日本料理は高級なポジションを取ることができているので、高価格帯でのビジネスが可能です。
一部北米などで現地生産が始まっていますが、日本からの輸出に頼ることになります。

日本酒造組合中央会のプレスリリースからです。
*PRタイムスのサイトを経由しています。

2022年度の輸出金額・数量は共に過去最高

国別の輸出金額第1位は中国で 約141.6 億円(昨対比 137.8%)。中国で日本酒は高級酒として若者や富裕層を中心に人気を集め、好みの日本酒をレストランに持ち込み楽しむスタイルがみられます。

輸出数量第1位はアメリカで、9,084 ㎘ (昨対比 102.9%) 、金額でも第2位の約109.3億円。韓国への輸出も輸出金額第4位、約25.2億円(昨対比167.9%)と伸長、ほとんどの国で輸出金額は過去最高となっています。

今後の成長が期待される東南アジアと欧州に注力

マレーシア(昨対比 187.5%)、ベトナム(昨対比 236.6%)、タイ(昨対比201.7%) と東南アジアでは日本酒市場が急拡大しており、インバウンドも多い東南アジアは今後の成長が期待できます。

また、欧州においても、金額が255.1億円(昨対比125.3%)と堅調に推移しており、中央会では、フランスやドイツで開催される酒類の世界的展示会に出展し、さらなる拡大を目指します。

2022年度日本酒輸出実績 金額・数量ともに過去最高を記録!輸出額は475億円(昨対比:118.2%)で13年連続前年を上回る!
市場成長が見込まれる東南アジアと欧州に注力

日本酒造組合中央会


日本酒造組合中央会資料より
日本酒造組合中央会


まさにビッグウエーブです。

小さな酒蔵の大事なお酒を扱う


僕の先輩が扱っているのは地方の小さな酒蔵の大事なお酒です。
ブームの後を見据えて、大事に扱っています。
ビッグウエーブに乗るべく輸出ビジネスに関わる人が増えていく中で、長期の目線で、とても丁寧に対応しています。
このブームをきっかけ・足がかりとして捉えていました。

アジア地区でも日本酒とその味に対する理解が進んでいるそうです。
日本人よりも詳しい方が沢山いらっしゃるとのこと。
確かに私たち日本人でもウィスキーやワインなど、生産国・輸出国の人より知識がある方が多いケースがありますので、納得ですね。

先輩のお話を伺っていて気づいたことがあります。

先の日本および世界におけるジャパニーズウィスキーブームで分かる通りお酒には「売り切れ」があります。

売り切ってしまうことを急ぐことなく、「大事に」「おいしく」「丁寧に」扱っている印象を持ちました。

物理的に「大事に」「おいしく」「丁寧に」現地に届けるだけではなく、お酒の持つ情緒面についてとても「大事に」「おいしく」「丁寧に」現地に届ける試みです。

お酒を作る酒蔵の持つ伝統や歴史、お酒にまつわるお話も一緒に瓶の中に詰め込んで作られた大事なお酒です。
その物語を大事にして、おいしさを増すために、丁寧に現地で展開する準備をしています。

それはお酒の価値に意味を与える行為です。

つまり、マーケティングプロモーションにおいて最も重要な意味を与える活動=ブランディング活動です。

Price is what you pay, Value is what you get


お客さんが栓を開けた瞬間、盃に口をつけた瞬間、口の中で味わう、すべての瞬間にそのストーリーが花開く、まさにプレミアムな味わいです。
瞬間、瞬間に値段以上の楽しみを与えることこそValueです
そしてお客さんとのValueの共創がはじまる瞬間でもあります。

丁寧に届けよう


ECの時代は消費者と直接つながり、一人ひとりの嗜好にあった少量多品種によるロングテールビジネスを可能にしました。
ECを通じて小さな酒蔵の日本酒を便利に楽しむ方法がもちろんあります。

また、輸送の仕方などにも工夫をして「丁寧に」現地に渡して、専門家の手によって販売・デリバリーされる方法も魅力的です。

海外のお客さんに届けるにあたり、お酒にまつわる法制や税制もその国と地域の市場で様々ですから、それにも熟知しておく必要があります。

商品誕生のバックグラウンドから始まりすべてのプロセスにある物語を凝縮する、それが日本酒を大事に、おいしく丁寧に扱うことです。

だからこそお客さんがPriclessな体験を味わえるのだと思います。


先輩のアプローチから沢山の学びがありました

僕の先輩(野崎さん)の会社はこちらです。
日本酒や焼酎などの輸出に興味がある方、現地でのマーケティングコミュニケーションに関心がある方、ぜひ相談してみてください。

Three Plus Sixも野崎さんと一緒にマーケティング活動のお手伝いをします。
お気軽にお問い合わせください。

h-mori@threeplussux.com

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、また。

参考:獺祭の北米での展開ケースです。現地コミュニティへの働きかけは注目です。


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