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【まや】もっと広まるといいなと思う演劇の形。

連日の稽古で身体がバキバキになりました。
まやです。筋肉痛のせいか、心做しか体温も上昇気味な感じがしています。

台風が温帯低気圧になって、偏西風に吹かれて急激にUターンしてきましたよね?!
前回は偏西風の影響がなく、停滞していたというのに今回はこれですよ。
みなさん、お気をつけてお過ごしください。

だいぶ遅れた観劇記録
当日パンフレット

東京演劇集団風さん
『ジャンヌ・ダルク-ジャンヌと炎』


友人が照明で入っていて、その縁で
初めて東京演劇集団風さんの公演を観ました。

風さんは、全国巡回公演なども行っている団体でレパートリーを多く持っているのですが
今回観た『ジャンヌ・ダルク-ジャンヌと炎』は
そのレパートリーの中の“バリアフリー演劇”の演目らしいです。(違っていたらすみません)

*最初にお知らせしておきますが
バリアフリー演劇に対して、知識があるわけではありません。不快に感じさせる表現がある可能性もあります。ご了承ください。

初めてバリアフリー演劇なるものを見たんですけど、結構衝撃を受けました。
「こういう演劇の形があるんだ!!」と。
それと同時に、もっと広まっても良いんじゃないのかな?って思いました。

具体的にどんなものだったかというと
まず、開演の15分前に“舞台説明”というものが組み込まれていました。作品の内容解説とかでななくて、言葉の通り“舞台の説明”でした。
舞台装置がどういうものなのか、誰が何の役をやるのか、また何の小道具を持つのか、何の衣装を身につけるのか、などなど。
実際に舞台装置を動かしたり、実物を見せたりしながら細かく説明がされていました(同時に、手話での説明と字幕あり)。
凄いなと思ったのは、目が見えない人のために、舞台装置の奥行きを足音で説明していたことです。音の距離感で左右、前後の奥行きを示せることに気付かされました。

舞台説明が終わり、いよいよ開演。
舞台中にも一般的な舞台とは違った、バリアフリー演劇ならではの工夫がたくさんありました。
舞台説明でも使われていた字幕が、舞台装置の一部となって後ろの壁に映し出される。とか
舞台手話役者が登場し、他の俳優と一緒に舞台上で動きながら手話で演技をする。とか
イヤホンではなく会場全体に流れる音響として、音声ガイドがライブ(生)で入る。とか!!!
なんだか私は、舞台を観ているのと同時に
戯曲を読んでいるかのような気分になりました。
普通省かれてしまうト書きの部分が音声ガイドで拾われているからだと思います。新鮮でした。

本当に観ていただいたらわかると思うんですけど
目が見える人、見えない人
耳が聞こえる人、聞こえない人
老若男女、誰もが一緒に楽しむことのできる舞台体験だなと思いました。

ちなみに私は、佐藤勇太さんに惹き込まれました。死体泥棒、デュラン・ラクサール、死者、伝令、ジョフロワ・テラージュなどたくさんの役を演じていた方です。死者と伝令が好きでした!
伝令は、イギリスの伝令とフランスの伝令の両方を演じ分けていて、特にイギリスの伝令では会場に笑いが起きていました!!
何回も(最後のほうは必死に)前に後ろにステップをしながら礼をしていたんですけど、その姿に私も笑っちゃいました。素敵でした!!


終演後、このバリアフリー演劇の制作に携わった方々の挨拶がありました。
そこで印象に残ったのは、手話役者が舞台中で使う手話を監修した方のお話です。
お話によると、普段、舞台で手話通訳があっても端っこに立って淡々と訳すだけのことが多く
少しタイミングがズレるため、他の観客が笑っていても分からないことがあるとのことでした。
でも、このバリアフリー演劇では、手話役者が他の俳優と共に舞台に立っているから、リアルタイムで一緒に楽しむことできると。そこが素晴らしいと語っていました。

私は、舞台を観ながら、舞台の端っこに立つ手話通訳やイヤホンで聞く音声ガイドではダメなのかな?と純粋に疑問があったのですが
この話を聞いて、上のような手話通訳や音声ガイドはただの補助に過ぎず、観劇自体を最大限に楽しむための機能としては不十分であるのだなということが分かりました。
演劇はナマモノなので、手話でも字幕でも音声ガイドでも、そこに生きている言葉として存在することが大事なのだなと思います。

バリアフリー演劇、ぜひ広まってほしいです✨
楽しい舞台体験をありがとうございました。

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