デヘイシェ難民キャンプに行く

ヘブロンからベツレヘムに戻る時に見た場所。幹線道路に面した建物の壁一面に施されたヤーセル・アラファトの顔。今まで見てきたベツレヘムとは違う雰囲気。思わず隣り合わせたパレスチナ人に聞いた。ここは一体何?

難民キャンプだよ。といってももう何十年もあるんだけどね。何も変わらないよ。

その場所は隣りに大きくUNの文字・国連の建物があり、その横にはイスラエルの基地がある。

難民キャンプ。想像していた難民キャンプとは違い決して綺麗とは言えないが建物が立ち並びバスの中から見える光景は小さな集落のようにも見えた。ここに行ってみよう。

ヘブロンから戻った翌日、ベツレヘム中心部から少し南にある難民キャンプ、デヘイシェへ向かった。ここデヘイシェ難民キャンプは1949年にできたエルサレムやヘブロンの戦火から逃れてきたパレスチナ人難民キャンプだ。わたしは歩いてそこに向かった。歓迎するかのようにヤーセルアラファトの壁画が大きく描かれている。あらゆる壁には人の顔の絵があり雰囲気は観光地ベツレヘムとは全く違いかといって殺伐としているわけでもなくただそこに暮らしがあることが伺えた。道に広げられた野菜、それを売る人。走り回る子供達。外国人が珍しくて、ハローハローと笑いながら声をかけてくる。敷地入ってすぐ右手に窯焼きのパン屋さんがあった。暑い中、熱い窯に次々と平べったいこちらの地方特有のパンをくべていく。目の前には焼きあがったパンの山だ。焼いている店主と思しき男性、そしてそれを手伝っているのかいないのかもう一人男性がいる。どちらもわたしより年下に見える。20代前半といったところだろう。

ハイ!今いい?パンのいい匂いがするね。

ウエルカム!

そう二人は言って迎えてくれた。

珍しいね、外国人が来るのは。一人で来たの?ベツレヘムに泊まってるの?

そう、ベツレヘムに2泊してるの。

ここの人?

そうここで生まれてここにいる。

そうなんだ、ここのこと知りたいんだけど。

そう話すと、手伝いの男性が話してくれた。

僕はここで生まれたよ。おばあちゃんたちはヘブロンで生まれたんだ。そこでイスラエルの攻撃にあってここに逃げてきた。そして両親がここで生まれて、僕が生まれたってわけだよ。難民3世だ。

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