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リフタ / Lifta の家

天然のプールを越えてその先を歩く。わたしの腰の高さまで伸びた草のその先にはうちわサボテン群。積み重なった石の壁の隙間からはミントが生えている。

歩くと緑の草に隠れた石というか建物が崩れて落ちてきた壁の一部。気を付けないとつまずいてしまう。

この建物は元は家だったのか?壁に大きな穴が空いている。その先も建物。これは2階建だ。屋根や壁に穴。もう誰も住めないように全壊ではないが壊されているのがわかる。

穴が大きすぎて壁であったことを忘れているような壁は崩れた石と土を覆うように緑の草や影になる部分には苔が生え、本来の使命も形も変わってきているようだ。

床のタイルが剥がれむき出しになっている。少しだけ残ったタイル。わたしの好きな柄だった。典型的なアラブの模様。

家の中に入ると意図的な嫌がらせなのか、ただの無知なポイ捨てなのか、ゴミが散乱している。

外からは見えないが家の中の壁にはスプレーで絵が描かれている。ここにあった生活なのか。男がいて女がいて子供がいて羊がいる。

元はアーチ状になっていたと想像できる屋内の天井。そして見上げると・・・穴。

1948年以前のリフタには家があり、コーヒーショップがあり、そしてモスクもあった。

ここにある建物の残骸たちだけでは何が何だったのかはうかがい知れない。しかしここに生活があったということは感じ取れる。たった70年前の話だ。


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