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夫の腕で、眠れない

終わったことは終わったことと
片付けて次に行けばいい

ハンバートハンバートのお2人は今日も優しくそう歌ってるけど、実際のところどうなの。頭の中も机の上も、ちっとも片付かない毎日を過ごしている。


あの時あぁしていれば今頃こんな、とか
もうちょっと早起きできてたらなあ、とか
散らかった頭と部屋に鬱々しながら、それでも日々は続くんだけど、確実に満足はしていない。



2ヶ月前に、新しい土地で、新しい暮らしが始まった。

朝起きて1発目に見える景色も、窓を開けたときに入る風の匂いも、スーパーへの道のりも、何もかもが見新しい。悪く言えば、全く慣れない。

それでもできるだけいつも通りに過ごそうと、いつも通りのご飯を作ったりいつもと同じ時間に寝たりしてたんだけど、体はすごく正直で。3日目に過呼吸を起こして、7日目に熱を出した。その後体調は良くなったけど、なぜか今でも、買い物に行くと息がうまくできなくなる時がある。


それを伝えても夫は「うん。」としか言わないんだけど。(めっちゃ腹立つ)


いつも通り買い物ができない、どこに何があるのかわからない、ここがどこかもわからない、相談する相手もいない

そんなストレスは少しずつ積みに積み重なって
私の体に2つの大きな変化をもたらした。


1つ目は、心臓神経症が再発したこと。

ぜひ調べてみてほしい。私はこの症状に病名がついていることを知らなかったから。


初めにその症状が出たのは、覚えてるうちでは大学時代。家で大学に行く準備をしてる最中に、突然心臓をぎゅうぅぅぅぅぅっと鷲掴みにされるような痛みに襲われた。息ができない、立てない。どうしよう、と焦りを覚えたときには痛みはすっかりなくなっていた。

ただただ不思議だったのと、「え、私って狭心症なの?」という恐怖。心臓病になりやすい家系だったから、本当に怖かった。その後授業で心電図をとったときに異常がないのがわかってほっとしたんだけど。(看護学部でよかった)


その後は年1くらいで痛みに襲われてて、でもあーはいはいまたきたねこんにちは、くらいでやり過ごしてた。心臓にはなんの異常もなくて、でも狭心症みたいな痛みと息苦しさはあって。そしてその後はしっかり放散痛にも襲われた。肩、背中、ときどき脇腹にも。


病名は、心療内科にかかったときに教わった。

強いストレスや疲れ、環境の変化、生活習慣の乱れなんかが原因で起こるんですけど、疲れやストレスが溜まってませんか。ちゃんと誰かに話せてますか。抱え込んでいませんか。私は何一つ、首を縦に振れなかった。


2ヶ月前に引っ越してきて、3日目に過呼吸を起こした原因は心臓神経症だった。久しぶりのそれは、とてもじゃないけどあーはいはいっと流せるレベルの痛みではなかった。立てない、苦しい、強い眩暈、心臓の痛みの波。

そして驚くことに、年1だったそれは引っ越してからはほぼ毎週、どうかしたら隔日で襲ってきた。

思い当たることしかないのだ。
環境の変化、疲れ、強いストレス。


2つ目も体の変化。

むずむず脚症候群の頻度が増えた。


こちらもぜひ調べてみてほしいのだけど、これとの付き合いはもう小学生の頃からだから慣れっこだ。動く。ただそれだけ。体を動かせば治るのだ。一時的には。

でもこのむずむずがこれまたなんとも厄介で、体の表面じゃなくて芯がむずむず疼いて仕方なくなる。気を紛らわすことすら出来ない。動けば治るけど、またじっと布団にくるまったら疼きだすもんだから、また布団から出て体を動かさないといけない、そして寝る、また疼く、動く、寝る、疼く、のルーティンを毎晩繰り返す。

結果、眠れるわけがない。

眠れないことへのストレスと生活習慣の乱れは心臓神経症をさらに悪化させた。痛い、苦しい、疼く、眠れない。

そしてやっとタイトルの意味にたどり着く。
夫の腕で眠れない、のだ。


腕の中でじっとすると疼くし、それを我慢して眠りにつこうとする瞬間心臓が痛くなる。
もちろんそうじゃない日もあるんだけど、もしかしたらまた疼いたり痛んだりして横でもそもそ動かないといけなくなるかもしれない、と思ったら、夫が深い眠りについたことを確認してからコタツに移動する日々を送るしか今のところ選択肢はないのである。


夫の腕で眠りたい。
心底安心しきった寝顔を1番近くで拝みたい。

いつになったら叶うのかわからない望みを持って
今日もハーブティーに願うのだ。

今日こそ、今日こそは、って。



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